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くらもちふさこ展(弥生美術館)感想~「花に染む」デジタル着色前の原画に感動!

今日は初めて文京区にある根津美術館に、「くらもちふさこ展」を見に行ってきました。

私の中で急にくらもちふさこ熱が上がり、調べたらちょうど今月末の5/29までが会期と分かったのでラッキーでした!

会期が4回に分かれていて、今やっているのは最終のものになります。

展示内容は作品保護のためカラーだけ交換されているということでしたが、調べる前は「時代順に作品を展示しているの?「花に染む」の陽大の絵が無かったらどうしよう…」と困惑。

何しろ館内は撮影禁止のため、公式ツイッターで上がっているものしか展示内容は確認出来ません。

が、無事に2階の最後のコーナーで「駅まで5分」と「花に染む」の原画と、デジタル加工された絵を並べたものが見られました!




花に染む 1【電子書籍】[ くらもちふさこ ]

この絵、帰りに展示会のタイミングで出版されている本にも載っていましたが、説明を読むと

「頭を大きく描きすぎてしまったので、トリミングでカットしてもらったら良い感じになった」

と思われているそうです。


THE くらもちふさこ デビュー50周年記念画集 (愛蔵版コミックス) [ くらもち ふさこ ]

この本、展示会場では現金払いしか出来ないため、あとでネットで買おうかなぁと考え中。


ちなみにですが、弥生美術館は最寄駅がいくつかあるけど、どれもそこそこ遠いです。

そしてチケットは事前予約制で、空き枠のある希望時間を選択し、ネットでメルアドと電話番号と住所を書いて申し込み、当日入口で千円支払って入館。

入口には、くらもちふさこのサイン入りポスターが貼られていました。



弥生美術館は東京大学の裏手にあるのですが、こちらもレトロな建物で素敵でした!



館内は撮影禁止で、この2階のドア前にあるファンのメッセージを貼れるポスターだけ撮影OKです。



殆どの漫画を読んできてはいるけど、1階のものはかなり初期のものから「海の天辺」あたりまででした。

「いつもポケットにショパン」は、感動的なあの、お母さんが生徒の母親に娘はシチューが得意と自慢げに話すシーンがあり、そこだけで泣きそうに…

また最近「東京のカサノバ」を再読していた私には

「あー!このシーンが好きだったの!!!

そこを選んで展示されてるなんて感激!」


と大興奮状態。

一応元美大生として、画材やホワイトの入れ方が見られたのも嬉しかったなぁ。

インタビューで「ホワイトの量が多い」とご本人もお話されていましたが、確かにホワイトの量多かったです。

が、よく見ると吹き出しのギザギザをモコモコの丸い形に変えて修正していたりして、そういう拘りが見られるのも原画展ならではですね。

ちなみに、先着順プレゼントの「海の天辺」のポストカードをもらったのと、お土産コーナーでは「花に染む」のポストカード150円を書いました。



ここ数日の私のブログを読んで頂けば分かるように、今の私は「陽大と花乃」のカップリング支持者。

他のカラーだと見栄えが良いからか、陽大と一緒に描かれているのは雛か楼良が多いんですよね…

でも花乃と一緒にいるところのが欲しくて買いました。
原画展で1番嬉しかったのは「デジタル加工する前の原画」が見られたことです。

説明を読むと「光の表現をしたいとずっと思っていたけど、デジタルなら出来た」という部分があったみたい。

あと「月のパルス」のようなスピリチュアルなお話の時も、敢えてデジタル加工をして非現実な雰囲気を出していたそうです。

私は最近のインタビューを読むまで、くらもちふさこが鬱病で悩んでいたり、「花に染む」の頃に手術をしたり、掲載誌が休刊になって数年止まっていたことを知りませんでした。

「花に染む」は単行本派でしたが、規則正しく次巻が出ないことって多いから、気にしていなかったんですね。

そういえば「昔の絵の方が好き」と言うファンもいますが、私は「α」頃からの絵が好きです。

そして1番ドストライクなのが「陽大」。

ここ数日、自分でもヤバイなと思うくらいときめいていて、何度も単行本を読み返しては、気付いたことをブログに追記していってます。

これを「考察」と言うのは、どうかな?

ご本人も「先のことをあまり考えずに描いたけど、ちゃんと纏まった」という認識のようですし。

しかしまぁ、白い紙にインクで黒い線を描き、ホワイトで効果を出したり修正をし、あんなに美しい心惹かれる陽大が描けるなんて、本当に素敵…

一見ラフで雑に見える線は、長年の経験から見つけ出したものだなぁと思います。

カラーの説明もそれぞれあり

「こんなに白い背景の色で大丈夫かな?」とか

「当時はこの画材と色の組み合わせにハマってた」とか

「黄色を使うのは苦手だけど、コレは上手くいったと思う」とか

「当時はファンレターが減っていて、コレで大丈夫かなと思った」とか

「この色合いだと見逃されてしまうかな、と思った」

等、とても読者目線を考えて描いていたことが伝わってきました、が、コレは武蔵美の日本画を中退(?)しているので納得です。

予備校時代から「どう他人から評価されるか」という視点を植え付けられていて、その上で自分の個性を探し出していく世界ですものね。

「あんなに大好きだった漫画を楽しめない」

という症状の時に、あれだけ素敵な絵とストーリーが描けたなんて、本当にすごい!

そういう集中力、投げ出さない作品への向き合う姿勢というのも、身が引き締まる思いで拝見しました。

「あー、もうこの陽大の絵、なんて素敵なの、この線がたまらない!」

と思った直後、隣には手書きの挨拶で

私は自分の描く線が好きではありません。

でも色んな画材を使ってみて、この画材の線は好き、この画材の線は嫌い、などしていきました」

というようなことが達筆に書かれていて、その探究心に脱帽!

当時の流行も盛り込みながら、メッセージを軸に伏線を散りばめ、それを回収することが出来るし、絵も時代に合わせて変えるし、あー本当もう、好き!

館内はそこその人がいて、皆んなウットリとジックリと見ていました。

ちなみに、美術館に向かう途中で初めて東京大学の前を通りました。



Googleマップに言われる道が校内になっていて

「え?入試の時事件あったし、入って良いの?国立だから良いのかな?」

と思いながら警備員さんの前を通ったら普通に入れて、レトロで素敵な建物たちに感動!



が、出る時によく見たら「関係者以外立ち入り禁止」とあり、「ですよねぇ」と帰りは壁沿いを歩きました。

本当はゆっくりとこの辺りをお散歩したかったけど、その後で映画の予約をしていたので一旦帰宅。

が、結局洗濯機の調子が悪くてモタついたのと、脳内でまだまだくらもちふさこがフワフワとしていて、映画は行くのやめちゃいました。

で、今まで電子版では買っていなかった漫画を購入して読んでます。

いやぁー昔の東京のオシャレさ、良いなー羨ましいなぁ。

実際には長年東京に住んでいても、くらもちふさこが描くようなイケメンはいないし、お互い察しあえて的確な言葉をサラリと言える人はいません!

そういう少女漫画の中だけの夢物語を描いている、というわけではなく、疎外感とか見栄とか恥とか誤解とかを、リアルに抜き出してもいるからこそ、何十年前の漫画でも今も楽しくトキメキながら読めるのでしょう。

伝統ある東京大学を通り、くらもちふさこ展を見られたのは、本当に良い体験でした。

まだ間に合うので、興味がある方はぜひ!
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