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#花束みたいな恋をした ネタバレ感想~サブカル&美術好き向け、笑えて泣ける素敵な映画!

既に4週1位にランクインしている映画「花束みたいな恋をした」を観てきました!

花束みたいな恋をした_ネタバレ感想

元々、坂元裕二の脚本が大好き&菅田将暉が好きなので、これは絶対良いだろうなと楽しみにしていたのですが、最近もうエンタメ疲れしてしまっていて出遅れました…

坂元裕二の脚本で特に好きなのは

『それでも、生きてゆく』
『最高の離婚』
『Woman』
『問題のあるレストラン』
『カルテット』


どれも敬語を交えた会話劇がすごく面白くて、あぁこの感情を言葉にしてくれるんだ、とか、こんな気の遣い方良いなとか、優しくて深い世界のお話を書く方ですよね。


脚本家 坂元裕二 (-)

その分、役者さんの技量にもかなり左右される脚本のため、今回菅田将暉と有村架純が選ばれたのには納得!

脇役も私の好きな古川琴音ちゃん、オダギリジョー、清原果耶という豪華さ!

押井守も本人役で出ていてびっくり!

昼間の回にしようと思ったら祭日なので良い席はほぼ埋まってしまっていたため、緊急事態宣言で早まっている最終上映回に観ることに。

それでも老若男女が3~4割くらいは入ってたかな?

タイトルやポスターから

「若者のスイーツ恋愛映画でしょ?」

と思っている人もいるようですが、坂元裕二が普通に若者向けのスイーツ恋愛映画にするわけないでしょーと思っていたら、やはり一味も二味も違っていて、ホント観て良かったです。

ストーリーはシンプルで、偶然終電を逃して出会った大学生の2人が、サブカル趣味がピッタリ会うことで惹かれ合い、恋をし、同棲し…

でも生活のために働く内に、徐々にすれ違い始め、破局し、偶然再会するまでの5年程のお話です。

先日グーグルアースで亡くなった家族が映っていた、という方々のツイートが話題になりましたが、それもこのお話のポイントとなっていて、あのブームが偶然だったのか気になります。

というのも、冒頭で菅田将暉が演じる麦がグーグルアースに映っていて、そして別れたあと2人がグーグルアースに映っているのを見つけて終わる、という流れだったので、あのブームとタイミングも合うんですよねぇ。

でもキッカケになったツイートをした方はこの映画と関わっていなそうだし、やはり偶然ならそれはそれで、すごい!



物語自体も、コロナ前の撮影だったということもあり、オリンピックやそれ以前に流行っていた時事ネタが盛りだくさんで、色々興味深かったです。


ちなみに2人の共通点は、

●同じスニーカーを履いている
●同じライブに行こうとチケットがあったのに行けなくなった
●好きな小説家がほとんど同じ
●ジャンケンのシステムに納得がいかない(紙は石で破けるはず)
●押尾守が店内にいるのにすぐに気付いて興奮

などなど。

美術系出身の私には、イラストレーターを目指す麦やその友達のような人たちは昔身近にいたし、彼らのような趣味の人も何人も知っているため、かなり身近に感じました。

なので、同じような恋愛経験は無いけれど、でもなんだか友人たちの恋愛に重ね合わせたり、自身が片思いしていた時のことを思い出しましたねぇ。

「本棚を観られるのは恥ずかしい、その人が何で出来ているか分かってしまうから」

というようなセリフが西炯子の昔の漫画でありましたが、この麦と絹のカップルも「本棚がほぼ同じ」という共通点でお互いを知り、共感して惹かれ合っていきます。

サブカル好きらしい、己の価値観を大事にし、共感する人に親近感が湧くあの感じ、分かるなぁ。

ちょっと草食系の麦と、大人しそうに見えてスパッとモノを言う絹の会話は小気味よかったです。

多摩川沿いのマンションで同棲しているシーンも、インテリアがオシャレで可愛かった~。



でも、麦のイラストのギャラは安く、更に徐々に下げられたため交渉をしようとしたら

「じゃあ、いらすとや使うから良いです」

と言われてしまったシーンにはドキリとしました。

いらすとや_花束みたいな恋をした

いらすとやの功績は大きいのだけど、こういうフリー素材で済まされてしまっている時代なのも確かにリアルなんですよね…

オシャレな雑誌とかでは、ちゃんとイラストレーターを起用するのが当然だと思うのですが、最近はレンポジでも色んなカットがあるからなぁ。

それでも3カット1,000円なんてのはあり得ないと思うけど。

2人が恋を育む間に、絹の好きだったブロガー女性が失恋後?に自殺したり、麦の先輩が事故死するという「命とは?」を考えさせられるエピソードもありました。

恋をして、終わる、その間にそれぞれ色んなことがある。

そこを丁寧に描いた映画だったと思います。
生活のために就活をし、「空いた時間にまたイラストは描けるから」と言っていたのに、いざ新生活になったら仕事に没頭してしまい、趣味を忘れてしまう麦。

仕事が嫌になって配送トラックを川に捨てた作業員の話に共感する後輩に、思わず怒る麦。

真面目に、嫌なことがあっても我慢して働くのが大人。

そんな麦にすれ違いを感じる絹を「いつまでも学生気分だ」と思ってしまう気持ち、分からなくもありません。

それでも、恋が無くなっても、結婚してしまえば良い。

形に拘る麦に共感できず、すれ違いはどんどん深まり…ついに2人は別れを決断。

それでも最後はキチンと笑って別れようと話し、そして偶然ファミレスで自分たちが出会った頃と同じような会話をする男女を見て、号泣。

迷って、でも笑顔で別れることを決めた2人は、後日お互いに新たな恋人とデート中に再会します。

2人がかつて店内の客に言われた「イヤホンのLとRでは音が違うから、一緒に分け合って聴くのはダメ」ということを、他の席のカップルに注意しにいこうとしてお互いの存在に気づく2人。

それでも会話は交わさず、お互いの恋人にも何も言わずにデートを続け、そして帰宅した麦はグーグルアースで以前多摩川沿いを一緒に歩いた姿が映っているのを見て微笑み、終わり。

とネタバレであらすじを書くと、やっぱりスイーツっぽく感じる人もいるかもしれないけど…

なんでしょうね、細かい会話や表情がすごく良いんですよね。


菅田将暉の役柄に関しては、「生きてるだけで、愛」の時を少し彷彿とさせました。

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あの映画も私、好きなんですよね。

あれは趣里ちゃんがメンヘラな役だったけど、有村架純の絹はとにかく普通に可愛かったなぁ。

麦がイラストレーターとして成功できたら、また全然違う物語になっていたんでしょうね。

でも私も美術系出身なので、成功した人も、親のスネを齧ってる人も、割り切って働いている人も色々話は聞いてきています。

麦ほど違うジャンルの営業職に就職する人は珍しいと思うけど、そこはまぁ映画だからかな。

美術館の絵画の搬入搬出のバイトとか、サブカル系の本屋で30歳近くなってもバイトして実家暮らしって男性同級生はいました。

今どうしてるんだろう…

そういう人に比べたら、麦は現実的で偉い、のかもしれない。

そうなってもサブカルな趣味を捨てない人もいる。

ただ、私自身もやはり若い頃よりも勉強なつもりで色んな趣味に手を出す体力は無くなっている…かな?

独り身だからまだ自由気ままにやってる方だと思うけど。

そんな風に、恋以外でも自分の人生を振り返る映画でした。

あぁ…あんな恋、してみたかったな…

サブカル好きってあんな風に、気の合う異性と付き合う人多いいのよね~。

私はイマイチ、サブカルに興味が無かったから気の合う男性ってあまり見たことないんだけど。

うん、映画自体とても丁寧で、優しくて、素敵な良い映画でした。

一般向けかな?単館向けじゃない?という気もしたけど、でも興行収入良いところを見ると、単に菅田将暉や有村架純の人気だけで話題になっているとも思えませんね。

私は私で、いつまでも趣味を続けているアラフォーになっちゃっているから、若い子には

「ある程度は現実見ておいた方が、その後の人生楽だよ」

と言いたくなっちゃうんだけど…

恋や仕事や命とか、色々考えながらも、優しい気持ちになれる素敵な映画でした。オススメ!

※これ書いた後、「この映画好きそうというか、まさにこの2人が結婚したような経験ある人いるなー」と思って紹介した既婚男性に話したら、既に観ていてかなりハマったとのこと。

本棚がほぼ同じ、ファミレスに行く、など全く同じ経験した!と話してて、反応が予想通り過ぎて笑いました。

でも感想は結構分かれてるみたいですね。
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まき

花束みたいな恋

私も映画見ました
個人的にこの映画はその人の今までの経験でかなり感想が変わる映画だと思いました
見ていて号泣した人もいれば、何も感じないと言う人もいる
ネットでは恋人と見たら別れると言われてるみたいですね
良くも悪くもその人の恋愛や価値観を引き出す映画なのかなと思いました
誰かと語りたくなる映画で私も友達はどう思うのだろうかとおすすめしてしまいました

麦くんも絹ちゃんもそれぞれの気持ちが描かれていて、どっちも分かる部分があるからこそ難しいと思いました
菅田くんは大学生のときと社会人になった後でしゃべり方や表情が全然違ったのが凄いなと思っていました
見て良かった映画でした

2021年02月25日 (Thu) 20:04
urarara0724
うらら(管理人)

Re: #花束みたいな恋をした ネタバレ感想~サブカル&美術好き向け、笑えて泣ける素敵な映画!

おお!まきさんもご覧になったんですね!

恋人と観たら別れる、の噂、ちょっと笑いましたが、麦と絹があのまま結婚したような知人男性は
「1人で観るべき!」
と言ってました(^-^;

「恋愛映画はちょっと…」
と言う人には
「いや、恋愛だけの話じゃなくてー」
と言いたくなるのですが、あのサブカル的な選民意識?の感覚にピンと来ない人の方が世間では多そうなので、興行1位が4週連続なのには驚いてます。

菅田将暉の演じ分けも良かったですよねぇ。

普段ラジオで下ネタばっかり言ってる兄ちゃんが、演技になるとガラッと繊細さを観せるところ、毎度驚きます!

2021年02月26日 (Fri) 00:18