映画「生きてるだけで、愛。」ネタバレ感想~菅田将暉と躁鬱メンヘラ女(趣里)の愛

2020年05月02日
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Netflixで前々から気になっていた映画「生きてるだけで、愛。」を観ました。

気になっていた理由はもちろん、菅田将暉が出演していて、そして趣里と共演しているから!

ただ、ヘビーな内容っぽいので、余裕のある時に観よう…と思っていたのです。


生きてるだけで、愛。

いやー映像キレイで、菅田将暉の戸惑いと優しさの表情、声、良かったなぁ。

そして趣里のメンヘラ女な演技がすっごく良かったなぁ。

穿った見方をすれば、同じ事務所トップコートの菅田将暉と趣里の共演、ということで、「趣里はバーターだろ」、と思ってしまう配役ですが、でも私は趣里好きなので、これはピッタリだったなと思いました。

ラスト、趣里は一糸まとわぬ姿を披露するのですが、とてもキレイ!

内容的には、いかにも賞狙いというか、単館系のものなので、一般ウケはそんなにしなそうだと思います。

そういうジャンルの中にはメッセージが分かりにくい、ポエム調過ぎて観ている内に飽きる、というものも多いのですが、こちらの作品はキチンとまとまっていて良かった!


躁鬱病で多眠症の主人公寧子(やすこ)を演じるのが趣里。

合コンの帰りに酔いつぶれた寧子を家に送ることになり、その後3年同棲を続ける恋人の津奈木(つなき)を演じるのが菅田将暉。

寧子は子供の頃、自宅が停電になると裸で踊る女の人が現れていた、という記憶があります。

それを成長してから姉に話すと

「何言ってるの、アレはお母さんだよ」

と言われ、合点がいっていました。

鬱に入るとイライラ落ち込み、躁になるとメーターが振り切れたように突拍子もない行動をするのは、母親譲りの躁鬱病だったのです。

また寧子は多眠症でいつまでもいつまでも眠ってしまうため、まともに働くことも出来ず、そんな普通のことが出来ない自分にもイライラしていました。

そんな彼女と暮らし、優しく接していているようで受け流してしまっている津奈木は、下世話な週刊誌の記者をしています。

以前その週刊誌にすっぱ抜かれた女優が自殺していて、出会った日に寧子は

「よくそんな仕事してられるね」

と見下した発言をしていたのですが、津奈木はそんな生活をただやり過ごす、ただ何も考えずに目の前のことだけやる、という生活に慣れきってしまっていました。

酔っ払った寧子は自動販売機に頭をぶつけ、自販機を壊した上に頭から血をダラダラ流し、そんな状況に大笑いしながら走り出します。

慌てて寧子を追いながら、その揺れるワンピースの美しさに目を奪われた津奈木。

それから2人は付き合いだし、寧子は津奈木に養われるような形で共に暮らしました。

お互いの部屋は別々で、一緒に過ごすのはリビング。

それぞれ眠るのは自分の部屋。

時に横暴な発言をしたり、試すような態度を取ったり、ヒステリーを起こす寧子に対し、津奈木はすぐに

「ごめん」

と言うのですが、その場しのぎのために津奈木が「ごめん」と言うこと自体に、寧子はイライラしていました。


朝起きられず、バイトの面接すら行くことも出来ない寧子。

津奈木のためにハンバーグを作ろうとしたら、挽肉が売り切れて買えない。

卵を買おうとしたら、人にぶつかって落としてわってしまう。

味噌汁を作ろうと思っていたのに、味噌を買い忘れる。

煙草を吸おうとしたら、ライターの石が切れている。

それでも何とか薬を飲んで料理をしよう、としたらブレーカーが落ち(この部屋ではよくブレーカーが落ちる)、暗い部屋で泣き崩れる寧子。

津奈木はそんな彼女を優しく抱きしめますが、彼は彼で職場にストレスを感じていました。

ある日、寧子の元に津奈木の元彼女の安堂(仲里依紗)が現れ、自分と津奈木が復縁するために別れろと迫ります。

お金がないので家を出て行けない、という寧子に、無理矢理行きつけのカフェバーでバイトをさせようとする安堂。

そのカフェバーは、何故かまともに社会生活を送れない人ばかりがバイトに来て、そしてすぐに辞めてしまうのですが、オーナー夫妻と元引き籠もりのバイトの莉奈は、優しく寧子を迎え入れました。
何とか頑張ろう、とするも寝坊を繰り返し、皿やカップを割り、仕事中トイレで眠ってしまう寧子。

それでも「人は変われる。誰かにやらされてる、と思うのを止めないと、いつまでも変われないぞ」と諭すオーナー。

「私たちを家族と思いなさい」と笑顔で言ってくれる奥さん。

「ちゃんと出来てないけど、でも私は面白いと思うから良いんじゃない?」と言ってくれる莉奈。

寧子以上にヒステリックでメンヘラなストーカー安堂は、寧子がバイトを寝過ごしてバックレてしまったら迎えに来たり、と、アレコレありながらも寧子は少しずつ自立の道を歩きだした、と思えたのですが…

楽しい団欒の時に、「ウォシュレットの怖さを皆んなと共感出来ない」というただそれだけのことで、また寧子は激しく落ち込み、店のトイレを壊して走りだしました。

その日、津奈木は職場をクビになっていました。

理由は、ボツになったはずの記事を勝手に入稿したのがバレ、責められた時にヒステリックにパソコンを窓から投げ飛ばしたから…

朦朧とした様子で帰路に着く途中、津奈木は街中で一枚ずつ服を脱ぎ捨てながら走る寧子を見かけます。

慌てて寧子の脱いだ服を拾いながら追いかける津奈木。

最後、屋上て全裸になった寧子に追い付き

「何してるの?寒いから部屋に帰ろう」

と優しく話しかけます。

そんな津奈木に別れを仄かしながら、自分の気持ちを伝える寧子。

「津奈木は良いなぁ、私と別れられて。

私は私と別れることが、出来ないんだもん」。


部屋に戻り、またブレーカーの落ちた部屋で津奈木は寧子を抱きしめました。

泣きながら彼の腕に顔を寄せた後、かつての母のように裸で踊る寧子。

終わり。



ザッとまとめるとこんなお話で、救いがあるのか無いのか微妙なお話でした。

ヒステリックにならない人には、全く共感出来ないお話でしょう。

でも私はヒステリックになるタイプだから、分からなくも無いなと思いました。

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しっかし、津奈木役の菅田将暉が美しく、優しい声や態度が素敵だったわぁ。

趣里はこういうメンヘラな役、本当に上手い!

特典映像を観ましたが、極寒の日に外で服を脱ぐシーンの撮影をしていたそうで、その根性と美しさを監督も菅田将暉も絶賛してました。

趣里の出演する舞台を2つ観てますが、目を奪われる女優さんだなぁ。

顔は個性的、というか、ネットでは苦手と言う声も見かけるのですが、表現力と、バレエで鍛え上げた身体の動きが素晴らしいんですよね。

暗闇で煙草を吸う時の表情とか、美しかった!

津奈木はメンヘラ女性から見たら理想的な優しさを持った男性でしたが、元カノもメンヘラだし、そういう人が好きなんだろうなぁ。

…私も津奈木、欲しいわ…

すごく良い映画だったと私は思うのですが、コレは「難解」と思う人も出そう。

なので「影裏」を難解と思う方には向かない映画かと思います…

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ただ、それでも映像美だけでも楽しめるはず。

そして女性の中には、この映画に共感したり、感動する人も多いかもしれません。

「孤独」「寂しさ」を感じている人は、寧子のバイト先の人々の優しさに涙が出ると思います。

そして、菅田将暉ってこんな美形なんだ…というのも堪能しました。オススメ!
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