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Netflix「 #YASUKE ヤスケ」ネタバレ感想~日本人ウケ微妙な黒人侍&超能力少女ファンタジー

最近MAPPA作品にハマってるので、Netflixで4/29から配信開始となった日米合作アニメ「YASUKE ヤスケ」を観ました。

観る前に先に観始めた友人から

「声優が合わなくて、すぐに観るのを止めたけど、作画はスゴイ」

と言われたのですが、なるほど…

改めて調べて分かりましたが、これ基本的には英語の、海外用アニメですね。

なので、日本語の声優は吹き替え、という立ち位置であり、そして主人公が黒人だから副島淳を起用した、という経緯のようです。

もちろん英語版の声優も黒人さんがやってます。

そして織田信長の声優は、日米共に英語が話せる俳優の平岳大が起用されている、という、アニメ好きから見たら

「いや、俳優個人のバックグラウンドじゃなく、キャラクターに合わせて配役してよ?」案件。

お恥ずかしながら私、このアニメを観るまで「弥助」が実在した黒人の侍であり、織田信長に本当に仕えていたことを知りませんでした。




ストーリーは実在の歴史上人物、弥助と織田信長と明智光秀など出ているけれど、ほぼファンタジーの超能力モノでした。

奴隷として日本に連れて来られた黒人の弥助は、織田信長の目に留まり侍になります。

しかし、闇の大名(実は蜘蛛の妖怪のようになった北条政子)の協力を得た明智光秀が織田信長を倒し、日本は闇の大名に制圧された状態に。

その後は酒浸り状態で船頭となった弥助。

織田信長は性別関係ない能力主義だったため、本能寺の変以前に弥助の仲間の中に女性の夏丸もいました。

実は彼女は伊賀の密偵だったため弥助は彼女を葬っていたのですが、ある日彼女が身につけていた首飾りと同じものを持った一華が

「娘を医師に診せるために、川向うに連れて行って欲しい」

と頼んできます。

その娘の咲希は、最近体調を崩しているのですが、これは彼女が実は超能力者であり、その力を闇の大名に狙われているが故に体調を崩しているのでした。

その後、弥助は神父アブラハム(咲希の父親?で、咲希の巨大な力を自分のものにしようとしていたけれど、一華が連れ去っていた)、闇の大名から咲希を守るために再び侍となり、そして大名と決戦を迎えるのですが…


えーと、コレもう、脚本が悪い!

冒頭の友人以外にも、触りだけ見て止めたという知人がいます。

私はネタバレ感想を書くために最後まで観ましたが、たった6話なのにストーリーの配分が悪く、設定がイマイチ分からない…

敵だと思った相手が最後味方になるとか、ロボットと人の友情とか、ここは見せ場だね!という所までにキチンと設定が説明出来ていないから、良さが半減以下…

Twitterを見ると黒人の方々には評判が良く、これから観る!という人も結構多くて賑わってるのに、日本人の感想ツイートはポツポツしかありませんでした。

そして日本人的には、このファンタジー過ぎる歴史物がイマイチと思う人もいるみたい。

まぁ刀剣乱舞とか、なんか歴史物で色々やってる作品は多いから、私はそういう改変はそこまで気になりません。

ただ、超能力や陰陽師の扱いが…かなりベタ。

急に超能力に目覚めた咲希が、これから力を使い熟せるよう修行を始める…はずが、いきなり襲われて、そして

「怖い!無理」

と言った直後にもう乗り越えて戦えちゃうのは…余韻が無さ過ぎたわ…

ラストも絶体絶命の状態からいきなりサクッと勝ってしまうし。

作画も設定も良いので、残念だなぁ。
ちなみにBLMに乗っかった作品だと思い込む人もいそうですが、2年以上前から進んでいた作品なのでBLM関係無いはずです。

それでも「奴隷」である黒人の弥助が、日本人より強く「誉れ」を持った侍になるというのは胸熱ですね。

「ラストサムライ」を思い出すけど。

うーん、せめて10話にして設定をキチンと描くか、2時間でギュッと凝縮した方が良かった気がします。

でもTwitterで本当にたくさんの黒人の方が喜んでるツイートしてるの見ると、嬉しいですね。

いや、監督も脚本も日本人じゃないけども。

呪術廻戦にハマった流れでYASUKE観てる海外勢もいますし、多くの日本以外の人がこういうアニメを観てくれるのは良いことだと思います。

超能力とかはファンタジーだけど、弥助の存在自体は本当で、海外ではとても人気な存在だというのも今回初めて知りました。

他に実写映画化の話もあるそうですが、そちらは主演のはずだった俳優さんが亡くなってしまい、まだ未確定なのだとか。

そりゃ奴隷として日本に連れて来られ、あの織田信長の家臣になるなんて、実話とは思えないスゴイ設定ですもんね。

この作品、もしアニメ制作も海外勢なら、日本の描写がテキトーにされた可能性大。

未だにハリウッド作品に出てくる日本の街って、中国と違い分かってないの多いし。

なので、これをキッカケにジャパニーズアニメが世界に拡がると良いなとか、アジア人差別が無くなったり、日本人の中の差別意識が変わったら良いなと思います。

だからこそ…脚本にこだわって欲しかった!!!

日本人が「外国人向けのアニメかよ」って思っちゃったら、本末転倒だよー!


声優さんに関しては、私は友人から言われるまで気付かなかったのですが、そもそも白人と黒人では声帯が違うようです。

『ザ・シンプソンズ』でも有色人種の役を白人が担当していたけど、降板したのだとか。

言われてみれば、ドラマや映画で黒人俳優さんの声を聞く機会は多いけど、低いような、奥行きのあるような声の気がします。

だからこそ、今回は日本語が話せる黒人ハーフの副島淳が起用されたのでしょう。

私はあの固い話し方は外国人の設定だからだなと思ったけど、友人はそもそも声質が好みに合わないみたい。

俳優さんが声優やるの嫌がる人も多いしね…

ちなみに私は2話までは日本語吹き替えで観たけど、その後基本は英語作品だと分かり、英語版で見続けました。

コレはコレで、日本語のニュアンスが英語には無いから、合わなく感じる部分があります…

ファンタジーだから良いか、と思うか、いやいや日本の歴史物にしてよ、と思うか、賛否両論になりそうなのだけど、でもなー脚本良く無いと意味ないのよなぁ。
 
「やっさん」と慕われる弥助、キャラとしてはめっちゃ良いんだけどなぁ。

咲希の力の説明が、神父アブラハムの設定がよく分からないままバタバタと最終決戦になるのが謎。

闇の大名が実は北条政子だったって言うのも、何故ここで北条政子を悪役として出すのか謎…

伊賀との戦いもなんかもうちょい出来たのでは?

エンディングの後で、弥助が夏丸の弟に会いに行っていましたが、弥助にとっては夏丸と信長がとても大切な存在だったということは分かりました。

夏丸が持っていた首飾りと同じものを一華が持っていた理由、結局分からないままでした…よね??

神父アブラハムに雇われていた敵が他の外国人やロボットだったり、なんかこう…不思議な設定のアニメでした。

アニメとして高評価は出来ませんが、でもNetflixでこういう企画が実現されたこと自体は高評価だと思います。

今後、もっと良い海外との共同制作アニメが出来ることに期待!
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