日本文化(神道)無理解のアメリカ映像業界は何故炎上しないのか?AND JUST LIKE THAT ネタバレ感想

2023年08月20日
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AND JUST LIKE THAT...のシーズン2で、キャリーが着物を左前に着ていた、ということを先日書きましたが、今度は10話でもっと酷い間違いをやらかしてくれました。

AND JUST LIKE THAT...シーズン2ネタバレ感想、2話は少し日本差別してる?とガッカリ

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スタンフォードは日本の神道に感銘を受け、神主になった、という設定を作ったのです。



これ、どこがおかしいか分かりますか?

私はマンガくらもちふさこの「花に染む」と、成田美名子の「NATURAL」と「花よりも花の如く」で、宮司になろうとしている若者たちのエピソードを読んでいます。


花に染む 1


NATURAL 1

ググって調べたこともありますが、神職は神社本庁の資格が必要な職業です。

一般的には神職に就くための学部がある大学に進学するか、講習を受けて試験に合格した上に現職の方の推薦状が必要で、更に階位にも段階があるため簡単に短期間で転職出来ません。

でもキャリーはアンソニーに「スタンフォードは日本でクライアントと酷い口論をしてクビになり、落ち込んで何日も泣きながら京都を歩いている時に神社に行ったら涙が止まったみたい。それで…神道の神主になった」と話すんです。

スタンフォードがアンソニーの元から突然去ったのは1年以上前、という設定なんですけどね…

一旦アメリカに帰り、その後芸者を見たくて京都に行った、という話から彼の近況報告が始まります。

ちなみに、私には全てのキャリーのセリフが聞き取れていませんが、彼女は「Temple(お寺)」と言っていて「Shrine(神社)」とは一度も言っていませんでした。

スタンフォードは神社(でもセリフはtemple)で生まれて初めて真に落ち着いた気持ち(real peace)になった、と。

字幕の神主は元のセリフでは「Shinto monk」となっています。

で、神主の仕事は「敷地内をキレイにしたり、新鮮な花を飾ったり、神社の訪問者を案内する」と説明していました。

で、アンソニーはそれに「つまり、神様のコンシェルジュってこと?」と聞き、キャリーは「基本的にはそうね」と答えていました。

これね、単にお手伝いをする人になった、なら分かるんです。

「花に染む」でも、雛に片思いしているサラリーマンが仕事終わりに手伝いに行っていますから。

でも神職に就くのは前述の通り時間と資格が必要で、そのための試験を受けられるほどスタンフォードは日本語が話せ、読め、神道について理解出来たとは思えません。

というのを理解しろというのは、無理難題だと私も思っています。

ただね…スタンフォードの神社で笑っている写真の左側に写っている提灯…「旅館 料理 松葉亭」って書かれてるんですよ…



合成写真を作る時に、神社っぽい提灯に何か漢字が書いてあれば良いって思ったんでしょうね…

あのさぁ、今の御時世、そのくらいアプリ使って翻訳すれば分かるレベルじゃない?

神社の中もポップな飾りで埋め尽くされていて、御神体を隠してしまっています。

お賽銭箱の奥が飾りで隠されているのはあり得ませんね、神様として鏡とか色々置いてあり、そもそも参道だって神様の通り道だから真ん中を歩かないように、と言うくらいなんだから。

実際の日本の神社の写真をレンフォトで探して合成すれば良かったのに…

そう、そもそも「アメリカ人が考える、ステレオタイプのジャパニーズ神道のイメージ」を嘘でも作れればそれで良かったんですよ、この制作スタッフ達は。

この続編では、散々多様性をテーマにし、黒人差別を扱い、日本ではまだLGBTとしか言わないのが一般的なところをLGBTQ +I(Iはintersex、中間的な性別)という言葉にしてより幅広い層を含めているのに、神道はこんな扱いするんですか?

シャーロットがユダヤ教に改宗する時、その大変さを散々SATCの時エピソードに取り込んでましたよね?

それはユダヤ人差別が今もあるからなのは分かります。

仏教はそもそも日本のものではないし、私のアメリカ人の友達のお母さんは仏教徒、お父さんはクリスチャンだけど、お母さんも定期的に皆んなで町のお寺に集まって会合するくらいみたい。

一方、神道は日本のものなので、正しく理解してもらうのが難しいのは分かります。

英語学習教材にも「神社とお寺の違いは?」というエピソードがあったし、私もイギリス人の友達から聞かれましたが、あちらに分かる範囲で言うなら

「お寺では手を合わせて拝む、神社は二礼ニ拍手一礼(出雲大社は違います)で柏手を打つ」と言うくらいかな。

神仏習合しているし、日本神話について語るのは日本人でも難しすぎる…

「日本には八百万の神様がいる」は、割と驚かれるネタになります。

まぁ日本人全てが神道なわけではないし、信仰は自由というか、かなり緩い国でしょう。

私は一時期「神道になってみたい」と思って調べたのですが、お墓のこととかあるため、神社のホームページに「御参りをしたり、家にお札を飾るだけでも十分です」と書かれていて、信者獲得に乗り気じゃなさ過ぎて驚きました。

多分、近所の神社の氏子になって寄進するだけでも十分過ぎる、というか、今の時代はそれさえハードルが高いですよね。

私は一神教には興味無いから、好きな源義経に縁があるところが旅先にあれば参拝します。

稲荷信仰、狼信仰、とかも挙げ出すとキリが無い!

でもね、スタンフォードが1年程度で神主になれた、というあり得ない設定と、神社なのに料亭の提灯を飾っていたり、ポップな装飾にしていた、その無知さには結構本気で怒ってます。
私たちは今までずっと、アメリカの映像業界が日本を馬鹿にするネタを出すこと、日本人設定で他国の人を出してカタコトの日本語を話させること、日本が舞台なのに中国語や韓国語の看板になっていること、に耐えてきました。

新田真剣佑が出ているから、と観た「パシフィック・リム」でも、「新宿からそんな大きく富士山は見えませんから!Googleマップくらい見ないの?現地に行ったことあるスタッフいないの?渡辺謙も菊地凛子も新田真剣佑もいるのに?」と笑いましたよ。

はいはい、相変わらずアメリカの映像業界は無知だね、と笑うしかなかった。

日本だって、アメリカ軍人役にヨーロッパ人を起用するし、アジア人の違いなんて他国の人に分からないのは当然。

でも、文化に関して最低限の知識も無いなら、それを今の時代に配信するのは危険でしょ?

「ブリジャートン家」シリーズでも「インド人の文化がステレオタイプ過ぎて有り得ない」と炎上したニュースをBBCで読みました。

「ブリジャートン家」はイギリス制作で、植民地問題もあってインドがルーツのイギリス人も多いですからね。

映画「バービー」で多様性や地図の落書きが他国の反発を受けて上映禁止になることはあっても、日本人はあまり騒ぎません。

ただ、「バービー」と同時公開の「オッペンハイマー」は、原爆開発者の話だからかまだ日本上映の目処が立っていないようですが…

原爆絡みだと、日本人は本気で怒りの声をあげます。

でも文化の無理解は諦めています。


私は本当は、このAJLTにも神社本庁から苦言を呈して欲しいんです。

CNNに取り上げられるくらいになって欲しい。

私はCNNとBBCのニュースはXでチェックし続けていますが、日本語訳が出ることもあれば、出ないこともありますね。

コロナ禍初期に皇室が送った桜の木が何者かに切られた件も、あまり大きなニュースにはならなかったけど、私は本気で頭に来ていました。

こういう怒りをキチンと伝えたくて、英語を勉強し続けている部分があります。

個人間レベルのやり取りでも、せめて日本に興味がある外国人には拙い英語でも

「このアメリカドラマ、イギリスドラマのこの日本ネタのシーンは不愉快だった」

と伝えていて、謝られたり、日本語勉強中で知識のある人からは同意されたりしてきました。

キャリーが着物を左前に着ていたのも

「教えてくれてありがとう」とか「海外の和食レストラン従業員には多いよ」と言われたりしたけど、「左前は不吉なモノ」ということを伝えることに意味があると思っています。

ま、日本のドラマや映画で、国内ものでさえも脚本の設定が滅茶苦茶なのは多いですけどね…

美大もマイノリティだから、「いや、美大受験そんな簡単じゃないよ」とか思うし、エイフォーのキュレーターを目指す設定も「3ヵ国語話せるレベルの勉強してなくない?」と思ったりしちゃうし。

医療ドラマだと、間違いが酷いと団体から苦情が入ったとニュースになるのにね。

ただ、他国の文化を扱う際には、最低限のWikipedia読めば分かる程度のことは調べて欲しいんです。

今回の件は、どうしたら良いのかなぁ、でも黙っていられないなぁ、公式のSNSにコメント投稿するしかないのかな?と思ったけど、私だけではスタッフに伝えられないでしょう。

ハリウッドで活躍する日本人が増えたら変わるのかなぁ。

新田真剣佑はそうなろうとしてるけど、彼もアメリカ生まれアメリカ育ちだしなぁ。

もちろん、AJLTの制作スタッフが日本を馬鹿にしたつもりは無かった、むしろ日本文化を取り入れるのも多様性と思っていただろうとは察しています。

どんなに間違いがあっても、差別表現でなければまだマシ。

キチンと最低限のことを、私たち自身伝える努力が出来ていないのかもしれない。

私の想像では、「現世に嫌気がさして出家する」という感覚で、「本人が希望すれば神道の神主になれる」と脚本家は考えたのだろうと思っています。

僧侶になるのであれば、やはりそれはそれで勉強が必要なんですけどね…

外国人は「侍になりたい!なれますか?」と気軽に聞いてきます。

私は「そもそも侍というのは、親が侍だったり、偉い人から選ばれなければなれない仕事だった」と正直に答えることにしています。

そして「侍というのはソルジャーであって、戦争が起きた時に戦いに行く人のことだ」とも。

士農工商というカースト制度がかつて日本にあった、ということを知らない外国人に説明するのは難しいですね。

「大切なものを守るために戦う侍ってクール」って感覚なんですって。

ま、今はもう日本に侍、いないけどね…

Netflixやyoutubeなど配信系のお陰で、日本アニメやドラマはどんどん海外の人にも身近なものとなりました。

それでも、まだ誤解はあります。

皆さんは私ほどスタンフォードの件で怒らないかもしれませんが、私は「こんなに簡単に神主になれるんだ」とAJLTの視聴者に誤解されたら嫌だな。

こういうことが他でも積み重なった時、いつか日本人がSNSを通して強く発信していけたら良いなと思います。

※追記

アメリカ人の友達に、仏教徒のお母さんは「shrine(神社)」と「temple(お寺)」の違いが分かるか、そもそも「shrine」という単語を知っているか聞いてもらいました。

答えは

「shrineはカジュアルに行ける道端にあるところで、国によって宗教は変わる。日本なら神道、イタリアならクリスチャン、アイルランドならカトリック。

templeはお坊さんがいて、コミュニティーサービスを提供したり、教えを説いてくれる場所」


という認識だそうです。

言われてみると、大きく間違っていない気もするけど…

またCNNで、実際にスタンフォード役の俳優さんが生前サラと京都のお寺に行った経験を元にしたエピソードだと取り上げられていました。



えっと…やっぱり「temple」と言ってるけど、「日本だから神道の方が良いかな」くらいの感覚ぽいですね…
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