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水城せとなのBLマンガ「同棲愛」ネタバレ感想1〜杉浦椿〜

「失恋ショコラティエ」で一躍有名になった水城せとなさんの「脳内ポイズンベリー」の映画、皆さんもうご覧になってますか?



私はいつか観ようと思いつつ、まだ観ていません…

なんか、真木よう子は好きだけど、イメージと違わない?と思ってしまって…

これ原作持ってますが、すごく面白いです!




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アラサーで一見ぽわ~っとしている主人公が恋をしたら、脳内で色んなタイプの人たちが会議しまくっていくってのが主なんですが、確かにそういうときって、ピュアな自分、警戒する自分、動きたい、動けない自分が脳内でワイワイ騒ぎます。

20代の頃と違って、嫌な思いも色々していると、闇雲には突っ走れません。

でも、主人公がなぜ真木よう子なんだろう…

好きな女優さんですが、数年前なら菅野美穂あたりがベストな配役のキャラなんじゃないかな?

この「脳内ポイズンベリー」に関してはまた後日書くとして、今回は別のモノをご紹介します!


水城せとなさんは、腐女子なら20年近く前から知ってるマンガ家さんです。

当時はB-BOYというBLマンガ雑誌で「同棲愛」というマンガを描かれてました。


同棲愛(1) (ビーボーイコミックス)

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女子校だったのでクラス内でみんなで普通に回し読みしてました。

一回絶版になって、愛蔵版全8巻が出たときに買って最後まで読んだんですが、ホント人の心の微妙な機微を描くのが上手い方だなぁと思います。

ほとんどの登場人物がゲイなんだけど、執着してしまったり、トラウマを抱えたり、人を好きになって、失って、もがく様子がすごく痛々しい。

以下ネタバレになりますが、各巻をご紹介していきます。

オムニバス形式になっているお話なので、主人公は杉浦椿・篁光太郎・馬堀貴文・江端薫・金巻千里を主軸のお話が時系列となり、徐々に交わっていきます。

1記事では書ききれないので、数回に分けて書きますね。


杉浦椿のお話

高校一年生の杉浦椿は、同級生の江端薫と親しくなります。

女の子の子供を欲しがっていた両親の間に生まれた椿は、薫に無自覚の内に愛情を感じ始めるのですが

「男同士の間でラブなんてあるわけないだろ!男を好きになるなんてありえない!」

と薫に言われたことで距離が生まれてしまいます。

その後、高校の生物教師の池上から告白をされた椿は、薫が女の子と付き合っているところを見てしまったショックの勢いで池上に身を委ねます。

池上は椿の体液(アレです)を顕微鏡で覗いて「まだ動いてるよ」と言うような気持ち悪い人なのですが、高校卒業までの我慢だと思いながら椿は付き合い続けます。

椿は受験に失敗してしまいましたが、とにかく卒業で池上と別れられる、と思っていたのに、別れ話に抵抗した池上が椿の家に来て両親に全てをぶちまけたため、いたたまれなくなって高崎から東京へ飛び出してしまいました。


上京し、馬堀と付き合う椿

上京して入ったカフェで店員に飲み物をこぼされ、流れで家がないことを話すと、その店員の風子から「家においでよ」と言われ、そのまま彼女の家に転がり込むことになりました。

自分が男性と付き合っていたことを話しても笑って聞いてくれる風子と向き合う内に、椿も彼女を好きになり、結ばれました。

しかし、やっと愛情を知ったと思ったその翌日に、風子は事故で亡くなってしまいます。

傷心のままフラリと入った店で知り合った大学生の馬堀貴文についていき、そのまま関係を持つ椿。

そのまま椿は馬堀の家で一緒に暮らし始めました。(そんな簡単で良いのか!?)

馬堀に優しくされて、大事にされて暮らしていっても、椿は徐々に空虚さを感じるようになりました。

ペットの犬を可愛がるような馬堀に、椿は恋愛感情を抱けずにいたのです。

そして、「そうだ、俺は自分自身事が好きなんだ。だから弱い者として扱う馬堀といると寂しかった。俺は、自分で自分のことを好きだと自信を持ちたかったんだ」と気付き、馬堀の家を出ていきました。


「俺は自分のことが好きだ」と気付く

椿はそのままお金を持たずに店に入り、見かけた高村光太郎をナンパしてご馳走してもらいます。

そしてお互いのこれまでのことを話して心を通じ合わせた二人(光太郎の話は後述します)は、光太郎の家で関係を持ち、そして自分のことをキチンと認識できた椿は、実家に帰ることを決めました。

地元に帰り、偶然薫と再会した椿は、高校卒業後にふらふらしていた薫に「一緒に東京で住もう」と持ちかけます。

この自分勝手で可愛らしい椿に弱い薫は、そのまま椿との同居を決めました。

また東京に戻ってきた椿は、光太郎を友達として励ましたり、薫とも楽しく暮らしていきます。

そしてその後、薫はあの馬堀と付き合い始めるのですが、これはまた後述。
馬堀と別れてから能天気で積極的な性格に戻った椿は、バイト先で偶然であったノンケの大学生キクちゃんを口説き落としました。

が、椿はただただ「オモチャ」としてキクちゃんを好きなだけでした。

そして薫が馬堀と付き合っていると知った椿は、キクちゃんが椿に本気になったと知って別れを切り出します。(ひどい)

馬堀と薫の付き合いが発覚してからギクシャクしていた椿と薫ですが、椿が肺炎になったことをキッカケにまた仲良く過ごせるようになりました。

けれど薫が自分の気持ちを自分にぶつけてきたとき、椿は逃げてしまいます。

そしてもう逃げない自分になるために、過去と向き合おうと出向いていきました。


過去に出会った人たちと向き合い、前に進む

まず、馬堀と再会をしてキチンと当時のことを謝り、風子の妹に会いに行き、池上に会いに行き、そして実家に帰って両親とキチンと話します。(薫と再会したときには実家にいたはずなのに、家出以来に帰ったっぽい感じになってるのは設定ミス?)

自分の過去としっかり向き合い、そして椿は薫に「俺達は、ずっとずっと続く友達でいたい」と言いました。

薫の気持ちは分かっているけれど、二人は仲良く友達として暮らしていきます。

穏やかな時間を過ごし、もう薫と「友達」になれたと確信した椿は、一人暮らしをすることに決めました。

ずっと誰かを頼って生きてきた椿は、「一人暮らしができる人」になりたかったのです。

とはいえ、速攻で風子の妹と付き合い出す上に、椿の家の隣には薫が引っ越してきます。

新しい生活を始めた椿は、春から美容師の学校に行くことを決めました。


椿はどちらかと言えばサブキャラ的立ち位置かな、と思います。

第一話が椿の話から始まりますが、2話から登場する光太郎が一番のメインキャラです、多分。

椿はふわふわフラフラした可愛いマイペースキャラで、でも自分なりに痛みを抱え、それと向き合って笑って生きているところが良いですね。

生まれついてのゲイというわけではなく、優しくしてくれる人についていくワンコっぽいところがありますし、無神経に他人を傷つけてるな、という部分もあるのですが、憎めないなぁ。

こんな風に、ちゃんと前を見て笑って生きていけたら良いだろうな、と思う子であります。

しかし、改めて全体を読み返すと、「初期に過去と向き合うために高崎に帰ったんじゃなかったっけ?」と疑問が湧きますが…まぁあれは薫と再会したキッカケだったということで、深く考えないほうが良いですね!

次回は篁光太郎編を書きます!
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