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夫がある日女性に変わる…映画「リリーのすべて」感想 ネタバレあり

六本木で「リリーのすべて」観ました。




リリーのすべて (字幕版)

予想よりかなり良くて、寝たらどうしようと思っていたけど、全然大丈夫でした。


元となった実話の詳細は前回

●夫が性転換、あなたならどうする?映画『リリーのすべて』が観たい!

で書いていますが、少しラストは違っていました。

リリー役の俳優さんは少しゴツいかな?と思っていましたが、笑顔が可愛くて、リリーとしての姿はとてもキレイ!

奥さんのゲルダ役の女優さんも、エキゾチックでキレイな魅力的な方でした。

原作はこちら


リリーのすべて (ハヤカワ文庫NV)

リリーを描いた絵はこちらに掲載されています。


女流画家ゲアダ・ヴィーイナと「謎のモデル」 ~アール・デコのうもれた美女画~


Gerda Wegener Air de Capri - 16" x 20" Premium Canvas Print by Art Oyster [並行輸入品]


実際のリリーはこちら


Lili: A Portrait of the First Sex Change (Man Into Woman)


以下ネタバレ含む、映画の粗筋です。

美しい自然の風景の映像から映画は始まります。

デンマークに住む風景画家のアイナーは、世間から高い評価を受けていて、美しい妻ゲルダもいて、順風満帆。

美術学校時代に出会った妻は、画力はあるけど売れない肖像画家。

2人の悩みは、結婚から6年経ち、夫婦仲も良いのに、まだ子供が出来ないことでした。


ある日、ゲルダの絵のモデルのダンサーが仕事で遅れたため、夫のアイナーに足元のモデルを頼みます。

初めてストッキングに足を通し、ドレスをカラダに当てると、アイナーは恍惚とした感覚に襲われました。

遅れてきたダンサーは、その姿を見て笑い、持参した百合を手渡しながら「リリー」とアイナーを呼びました。

以降、アイナーの中にドレスなど美しい女性物に対する興味が芽生え、コッソリ妻のスリップを身に付けていたのを妻に知られてしまいます。

ゲルダは面白がり、アイナーにメイクを施し、ドレスを着せ、女性らしい仕草を教え込み、女装姿で一緒にパーティーに行くことに。


美しいリリーに男性陣は興味津々。

アイナーの従姉妹という設定で周囲に挨拶すると、ダンサー以外はリリーを女性と思ってくれていました。

そして、1人の男性に迫られ、ついアイナーことリリーはキスをしてしまい、それをゲルダに目撃されてしまいました。

これまで面白がっていたゲルダも、アイナーに
「もうリリーは終わり」
と女装を止めるよう言います。

しかし、日に日にアイナーの中で女装願望は強くなり、隠れてリリーとなり、あのパーティーのときにキスをした男性と逢いびきを重ねてしまいます。

が、ある日そのデート相手に
「アイナー」と呼ばれます。

彼は同性愛者で、リリーがアイナーだと気付いていました。

ショックで女装姿のまま泣くアイナーを見て、ゲルダもショックを受けます。

そして、ゲルダはリリーの絵をたくさん描くようになりました。

その絵は画商にも認められ、ゲルダの絵はたちまち人気となり、ついにゲルダは一躍有名画家となります。


アイナーはゲルダに、子供の頃に幼馴染の少年とキスをしたことがあると語りました。

アイナーの描く風景画は、その幼馴染との思い出の土地だったのでした。

ゲルダの絵はフランスでも認められ、2人はフランスに移住。

絵も描かなくなり、アイナーは家でずっとリリーとして過ごすようになっていきました。

そしてゲルダは、このアイナーの幼馴染を探し出します。

成功者となっている幼馴染は、アイナー=リリーを受け入れ、ゲルダの心の支えとなるキーパーソンになっていきます。
幼馴染の勧めで色々病院にも行きましたが、どの医者も精神病と診断します。

ゲルダも愛する夫が日増しに女となり、自分を抱きとめてくれないことに苛立っていきました。

それでも、ゲルダがリリーの絵を描く度に、リリーはどんどん美しくなって生き生きとしていきました。


ある日、ダンサーの勧めで会った婦人科の医師から、性転換手術の話を聞きます。

過去に1人その手術を受けようとした男性がいたけれど、土壇場で逃げ出したために、まだ誰も受けていない手術でした。

かなり危険を伴う手術のため、ゲルダは難色を示しましたが、リリーは
「これでやっと正しい自分のカラダになれる」
と喜び、ついに手術の日を迎えることになりました。

手術は2回行うもので、1度目に切り取り、2度目に膣を作るというものでした。

1度目の手術でリリーは高熱を出してかなり危険な状態となりましたが、ゲルダが献身的に介抱をし、無事乗り切ります。

アイナーはついにリリーになったのです。


術後のリリーは、百貨店の香水売り場で女性として働いたり、男性とデートをしたり、楽しく過ごします。

その様子を応援しながらも、やはりゲルダは寂しさを募らせていました。

そしてついに、もっと本当の女になるために、リリーは2度目の手術をすることを決めます。

反対をしていたゲルダも、術後のリリーに会いに幼馴染と病室へ行ったのですが、合併症を起こしてしまい、3人で外に出たところでリリーは亡くなってしまいました。

その後、ゲルダは幼馴染とアイナーが幼少期に過ごした土地に行き、風に吹かれて飛んでいったリリーからもらったストールを見つめ、ついに自由になったリリーを思いながら涙するとことで、映画は終わりました。


正直、私自身には分からない感覚の部分もあるため、ちょっと性同一性障害と多重人格の境目が分からない描き方をされているような気もしました。

日に日にリリーになっていき、アイナーを否定したり、人格が少しずつ変わっていっているのは、実際にあることなんでしょうか?

人によっても違うだろうとは思うのですが、夫がどんどん女性になっていってしまうのは、かなり寂しいだろうというゲルダの気持ちは想像できます。

でも、愛する夫に自由に生きて欲しい気持ちも分かるし。

この映画を観たら性同一性障害のことが理解できるようになるか?というと、そういうわけでも無いだろうとは思います。

差別を無くすための映画ではなく、ただただ、リリーを描いていて、それがとても切なくて、そして愛に溢れた映画でした。

気になっている方は是非観てみてください。映像も美しいし、とても魅力的な映画でした。
アカデミー賞で話題になっていたのもあり、六本木はほぼ満席でした。
チケットを予約してから行くのをお勧めします!

よろしければこちらもどうぞ!

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