事件の動画や画像をSNSに投稿してしまう人の心理

2019年05月31日
ストレス・鬱
PR
数日前に、名古屋の栄で起こった事件動画を観てしまいました。

撮影者は一般人で、事件の最初から最後まで動画撮影し、最後に被害者の近くに行って写真まで撮っていて、その行動を多くの人が非難していました。

その少し前にも、大阪梅田の事件動画がTwitterで拡散されていたそうですが、そちらは既に削除対応されているようです。

栄の方も私は一応Twitterに「通報」をしておきました。

「あんな状況で撮影するなんて、あり得ない」
「撮影するだけでなく、SNSに投稿するなんて人として間違っている」


とつぶやく人が多く、私も同感です。

しかし、動画内に写り込んでいた複数人が、終始スマホを向けていました。

私の想像でしかありませんが、投稿した人の心理は

「こんな映像を撮れた俺スゴイ!」

という虚栄心か、

「この興奮を1人では抱えきれないから、誰かと共有したい」

という不安感でTwitterにあげたのではないでしょうか?


そして、撮影する人の問題については、2004年に連載開始した安野モヨコの漫画を「働きマン」で既に取り上げられていました。

当時まだスマホではなくガラケーだったのですが、週刊誌記者の主人公が事件現場に向かった時、野次馬達は逃げもせずに無表情で写メを撮っていました。

「何かスゴイことが起こっているから、この機会に撮影しておこう」

と思うのかもしれません。

しかし、私は以前交通事故を目撃した時、一瞬

「こういう時、どうしたら良いんだっけ?

スマホで撮影?

いや、違う、それはやっちゃいけない」


と逡巡したことがあります。

自転車に乗った人がタクシーに打つかって吹っ飛び、車の奥に落ちるところを見て、最初は呆然として足がすくみました。

同行者が即座に駆け寄り、運転手や乗客が出てきて、被害者の状態を確認したり、救急車を呼んだりしていました。

なので、これ以上駆け寄る必要も、助けを呼ぶ必要もなく、でもその場を立ち去ることも出来ず、という時に、脳内に「撮影」が浮かんだのです。


それは「冷静に、普通の行動をしなければいけない」という気持ちから思い浮かんでいた気がします。

「こういう時、人はスマホで撮影するものだ」

と、いつの間にか刷り込まれているようです。

栄の動画では、暴行の最中にカメラのズーム機能を使ってみたり、カメラアングルを調整しながら撮影されていました。

きっと、スマホの液晶を通すことで、客観的な、他人事な気持ちになったのでしょう。

その場にいた全員がそうだったとは思いませんが、パニック状態で感覚が麻痺してしまった状態の人に

「そんなことしてないで、助けに行け」

という正論は通用しないのではないか、と思います。

少なくとも私は、交通事故の被害者の状態を確認するために駆け寄ることが出来なかったし、怪我の具合を見る勇気がありませんでした。

多分、栄のような場に居合わせたら、即座に逃げて遠くから様子を伺い、警察が来たのを見届けたら立ち去ります。

誰も警察を呼んでいない時なら、逃げながら電話するかもしれません。

ただ、電話番号を押せる自信がありません。
PR

以前マンションの火災報知器が鳴り続け、住民の人達と警報を止めたことがありますが、その時は管理会社の電話番号を入力することが出来ませんでした。

頭の中は冷静なつもりだし、無人の管理室に入って大元の火災報知器を止めるスイッチを押すことは出来ましたが、番号を見ながらキーをタップ出来ないのです。

火事は起きていなかったのに、非日常感で混乱してしまっていました。

ちなみに、その時のことはこのブログで書いていますが、男たちは皆んな外に出て路肩でスマホいじっていて呆れましたねー。

女性陣が管理室でアレコレやっている時、近くに来たのは彼女や奥さんと一緒に出てきた男性だけでした。

これ、栄の事件でもそうだったみたいですね。

女性が2~3人止めようと加害者に近付き、無理だと分かると逃げていましたが、男性達は路肩で撮影するか、傍観していました。

人によりますが、男って「コイツを守る」という対象が側にいないと、何もしない人が多いのかも。

同僚男性にそれを話すと

「そう、男ってそういう時、全然役に立たないから」

と笑っていました…。


しかし、何にせよ撮影して投稿するのはダメだろ、と思うのですが、パニックになり、不安な気持ちで誰かと繋がりたくて、投稿してしまう気持ちは想像出来ます。

昔、飛び降り直後に鑑識をしている警官の脇を通ってしまった時、思わずTwitterに

「飛び降り直後の所を通ってしまった」

と投稿してしまったことがありました。

その時は付き合う前の元彼がリプをくれ、それでホッと気持ちが落ち着いたのを覚えています。

撮影しようとは思いませんでしたが、血だまりを見て軽くパニックになり、そこで「冷静にならなきゃ」と強く思ったため、ツイートしました。

東日本大地震の時は、揺れてる最中に元彼に電話しようとしたり、非難直後にコンビニで肉まん買って食べたりしたのですが、あの時も

「冷静にならなきゃ、普通の行動をしなきゃ」

と思っていて、そうなると思い出すのがスマホなんですよね。

スマホに触ることが「日常」という感覚になっているのかもしれません。


私が理解出来ないのは、栄の動画や写真に「いいね」を押したり、RTしている人の心理です。

RTは、恐怖心を友達と共有したいのかな?

ネタとして誰かと共有することで、冷静になりたいのかもしれません。

そしてもう一つ、その残虐な事件をネタにして、即座にアフィリエイト目的でトレンドブログに投稿する人の気持ちも理解できません。

あまりに酷いサイトは、Googleアドセンスの規約違反なので通報しました。

非日常の映像のため、ネタ化してしまう、という状況を

「最近の日本人はおかしい」
「最近のTwitterはおかしい」


という人達がいましたが、お若い方は知らないかもしれないけど、2004年にイラクで日本人の香田証生さんが被害に遭った時、一部始終の映像がネットで公開され、私も観てしまったことがあります。

その後ビジュアル系バンドKLACK(クラック)がライブイベントでその事件映像を流して大問題となり

「最近の日本人はおかしい」

と散々言われていたのです。


私は比較的、怪談も猟奇的事件の話を読むのも平気な方ですが、暴力ものやスプラッタは嫌いです。

そして、面白がってネタにするのは違う、と思います。

でも中には、そうやって面白がっているフリをしながら、内心はパニック状態で冷静さを欠いてしまう人もいるだろうと思うと、

「そういう時は普通こうすべき」

と強く言うことは出来ません。

強いショックを受けて、誰かと繋がりたい、誰かと共有したいと思っている人にまで

「1人で怖がってろ」

なんて言えないし。

でも、やっぱりSNSで動画や画像を拡散するのはダメだと思うし、それを見つけたら「通報」するのが、SNSユーザーの役割だと思っています。

豊田商事の事件以上に酷い、生々しい映像が、Twitterで拡散されるなんて思わなかった。

「いいね」を押してしまった人、RTしてしまった人は、その後繋がっているフォロワーから縁を切られる覚悟をして拡散しているのかしら?

私なら即ブロックします。

観たくない人にまで観せる行為ですから。


Twitterは感情のゴミ箱のような存在だと認識している人も多いでしょう。

私も以前はそう思っていたし。

でもブログ運営を始めて、Twitterは拡散ツールだと認識するようになりました。

事件映像を一般人が撮影し、それが事件解決の証拠になる時もあると思う。

でも、正義感ではなく好奇心で撮影し、そこで冷静になろうとしているのであれば

「何もしないで逃げろ」

と言いたいです。

助けにいけ、は言えません。

私なら怖くて怖くて出来ないから。


そういう時、友達や家族に電話出来ないのであれば、ホットラインに相談出来たら良いですね。

現場に居合わせてトラウマになってしまった時に、自力で解決しなきゃいけない、というのも納得いかないし。

新宿の女性の事件も「エモい」と言ってイラスト化している人達がいました。

ある意味、創作意欲を掻き立てられるくらい「非日常」な状況でしたしね…

でも、それを面白がって投稿するのは、違うと思う。

命をゲーム感覚で扱うこと自体は、マツコデラックスが子供の頃くらいから問題視されていました。

「世にも奇妙な物語」で、ゲームのリセットボタンを押して、嫌な人を全部消そうとする子供の物語があったのです。

だから、大分前から問題視されていた感情なのだけど、それを他人に披露する場が出来てしまったのも問題なのでしょうね。

そうなると「自分だけじゃない」と思って、倫理観の定義が揺らいでしまうから。

事件とフィクションは別物。

ネットだけでなく、小説や漫画などの創作物に触れ続けることで、事件が他人事に見えるようになってしまいがちですが、それでも大人として、「SNS拡散は普通な行動ではない」という認識を手放してはいけないな、と改めて思いました。
関連記事

気に入ったらシェア!

更新順
  1. NEWER ENTRY

    中村倫也出演5分くらい、映画「長いお別れ」ネタバレ感想

  2. OLDER ENTRY

    映画「カイジ ファイナルゲーム」2020年1月10日公開、新田真剣佑が出演?

同カテゴリ
ストレス・鬱
  1. NEWER ENTRY

    京アニだけじゃない、殺人予告はネットじゃ日常茶飯事なのが現実

  2. OLDER ENTRY

    モテなすぎて死にたい方へのコメント返信