ゆとり?発達障害?に苦しめられた佐倉色の怖い話エッセイコミック感想
新人漫画家が出版社(角川の少年エース編集部)に、「無償で1,600枚カラー色紙を描かされた」というのがメインのようなネット記事だったので、
「へー、そんなことあるんだなぁ」
とボンヤリと記事を眺めつつも
「なんか絵がいかにも今時のpixivとかでありそうな感じだし、若いゆとり世代のオタクが『ブラック企業叩き』をしてんのかなー」
と思い込んでしまいました。
桜色フレンズ(1)【電子書籍】[ 佐倉色 ]
で、記事を見てから数日はそのまま気に留めていなかったのですが、他のブロガーも話題にしているのを見かけて、ちょっと気になってググりました。
佐倉色さん本人のブログは、名前でググッてもすぐに出てきませんでした。
ので、記事に貼られたリンクから辿って読みました。
FC2の無料ブログで書かれていて、経緯のまとめを書いたページ以外は削除されているようです。
佐倉色 公式ブログ
経緯のまとめを読むと、編集部の担当者が異様で、おかしなことが続いた為に、怒りの声をあげたようでした。
この時点でも、まだなんとなく私の中には、
「こういう漫画家と編集部の揉め事ってよく聞くけど、どちらが正しいのかなあ?」
とボンヤリした感想しかありませんでした。
そして、「どんなマンガを描いてる人なんだろう?」とググったら、こちらのマンガ「とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話」が出てきました。
どうも、騒動の顛末を描いたエッセイコミックらしい。
電子書籍版があるし、ネタになるかな?と思って買ってみました。
読みました。
すみません、私、勘違いしていました!
佐倉色さんは、根っからのオタクなわけではなく、幼少期に親御さんの虐待に苦労していたり、社会人経験、起業経験もある女性だそうです。
祖父と暮らしながら、なんとなく好きだったマンガを描いてネットで発表したら、8ヶ月で角川から声がかかってデビュー出来たという、漫画家志望の人から見たら、とてもラッキーな状況になったとか。
そして、少年エースの担当編集者「ボーノ」さんとの出会い、騒動の流れが、とても読みやすくて面白く、しかし異様に描かれていて、グイグイ引き込まれていきました。
ちなみに少年エースはこういうマンガ雑誌です。
些細なことでもすぐに謝る温和そうな男性、ボーノさん。
しかし時に無神経な上から目線の発言をする、
単純ミスが多過ぎる、
事勿れ主義で保身に走っている、
しかし平身低頭の姿勢で無理をさせようとする
という方で、私は読み出して最初は
「もしかして、ゆとり世代?」
と思いました。
「ボーノさんには悪意は無く、ただ自分が何をしでかしているのか本当に分からないのではないか?
アスペルガーのような発達障害ではないか?」
と周囲から言われ、本人もそう思う旨書かれていました。
あー、まさにこういう人、知ってます…。
本人は自分はちゃんと出来てるって思って、自信満々でプライドが高かったりして、怒りを抱いた周囲を疲弊させていくんですよね…。
アスペルガーに関しては以前
●アスペルガー診断チェックをオススメする理由
でも書きました。
このマンガでは、角川だけでなく、ねとらぼと揉めた話も書かれていました。
ちなみにねとらぼは「事実と違う」と反論した記事をあげています。
漫画『とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話』について、編集部の見解
えーと、電話でのやり取りの真偽はともかくとして、私は他媒体にアップされた画像を、例え一部だったとしても
「無断でダウンロードして記事にアップする」
というのは、引用ではなく無断転載だと思います。
これを「引用」と言い切るねとらぼの判断は、今のネット業界では通用しないのでは?
ボーノさん、少年エースの編集長、ねとらぼの編集長、この3人に加え、Twitter等で無責任に斜め上発言をする人たちから追い込まれ、佐倉色さんは躁鬱病のような症状になってしまったそうです。
この経緯が、リアルでものすごく気持ち悪い!
全員が完全なる悪ではなく、まともに大人としての会話をしながら、端々に己の正当性を押し付けてくるんです。
これでは、「私が間違ってるのか?」と不安になり、心を病むのも分かります。
「全プレの色紙を100枚くらい無償で描いて。
それが業界の普通だから」
と言われたはずなのに、気付いたらどんどん数が膨れ上がり、最終的には1,700枚以上の色紙を描いたという佐倉色さん。
途中で佐倉色さんがブログやTwitterで経緯を書いて炎上し、最終的には編集長とのやり取りで報酬は支払われたそうですが、
佐倉色さんがSNSで訴えるまで、編集長は事実を知らず、ボーノさんがずっとテキトーな嘘をついえ誤魔化していたことが分かった、というのが、本当に怖い。
私には、佐倉色さんが描いていることが全てありのままなのか、誤解があるのかは分かりません。
ただ、角川が謝罪文を掲載するとき、ワザとのようにホームページのレイアウトを変え、謝罪文が気付かれにくいようにした、というのは怖いですね。
現在はアドレスを打ち込まないと、お詫びが読めないようになっています。
(編集部からのお知らせは、最新のものしかリンクが貼られていないのです)
●「桜色フレンズ」に関する編集部からのお詫び
それでもねとらぼのように逆ギレするよりは、まだ少しは大人の対応を最後にしているようにも見えますが。
そして1番リアルで怖いのは、これだけその場しのぎの嘘を言い、単純ミスを連発したボーノさんが、角川という大手出版社に勤め、新婚だということです。
先日ブログ友達のアリさんも、こんなアスペルガーのような後輩に苦しめられた過去を書いてらっしゃいましたが、その後輩も結婚したそうで。
仕事がこれだけ出来ないって気付かずに結婚する女性って、ホントにいるんだ…。
●好きな人が「仕事が出来ない男」だったら冷める?
でも書きましたが、やっぱりプライベートだと気付かないのかしら…。
ボーノさんに苦しめられた作家さんは、他にもいたと書かれていました。
今回の騒動でボーノさんが責任を取らされたかは、分かりません。
まだ編集者をしているかもしれないし、他部署に異動になったかもしれません。
でも、クビにはならないでしょう。
もっと楽な部署に異動して、プライベートを充実させていくのかもしれません。
真面目に応対した佐倉色さんを、小さなミス連発プラス大きなミスを重ねて、生死の境辺りまで無意識に追い込んだのに。
100%、このマンガの内容を信じ込み、ボーノさんや編集長を叩きたいとは思いません。
ただ、編集部とのやり取りの中で、相手の言動の裏を読みながら戦った佐倉色さんの思考回路は、今ゆとり世代だかアスペルガーだかの人に苦しめられている人には、参考になると思います。
ゆとり世代やアスペルガーを悪だとは言いません。
本人が自覚して、対処しようとしている人まで貶めたくはありません。
でも、診断を受けたことが無く、普通に勉強が出来る人でも、異様に仕事が出来ない人はいます。
そういう人から苦しめられている人を救う話は、まだ社会では語られていません。
私はそもそも少年エースのマンガは普段読まないし、pixivも友達がやっているけど、私自身はほとんど読んだことがありません。
この騒動が話題になっていたことも、今まで知りませんでした。
しかし、「性善説で生きていると裏切られる」というのがよく分かるお話でした。
絵も構成もすごく良くて、最初に抱いていたイメージとは全然違っていました。
読んで良かったです。
心からマンガを好きな人の思いを、搾取しようとする人たち。
無意識の攻撃、善人のフリをした悪意、お金の問題、権利の問題。
そういうことも、考えさせられました。
ボーノさん、もしこれを読んでもイマイチ自分のどこが悪いか分からないなら、単純作業の部署に異動した方がいいと思います。
無意識に他人を苦しめるのは、相手の精神を追い詰めることだということを、自覚して頂けたら良いのですが。
そして、ボーノさんのような人の対処法を、上司はきちんと考えていって欲しいと思います。
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No title
記事の内容に関しては概ね同感ですが、ゆとり世代やオタクをバカにするような記事に違和感があります。見下す対象がいないと不安になる方なのでしょうか?不快な気分になりました。