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萩尾望都新作「ポーの一族~春の夢~」楽天koboで購入したのでネタバレ感想

本日電子書籍版が発売された月刊フラワーズ7月号、早速楽天koboで買いました!


月刊flowers 7月号【電子書籍】[ flowers編集部 ]

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新作「ポーの一族~春の夢~」は、1944年1月、第二次世界大戦時のお話です。

エドガーとアランはイギリスのウェールズ地方アングルシー島に移り住んでいます。

エドガーは心細い目をした黒髪の少女を見かけます。

彼女の名はブランカ。16歳。弟のノアと共に、母の姉ザブリナとその夫オットマーの暮らす家に住んでいます。

当時イギリスとドイツは戦争をしており、リヴァプールから昨年移り住んだオットマーたちは、ドイツから来た敵対国民と町の人に言われていました。

それを知り、ブランカが気になるエドガー。

アランは相変わらずワガママですが、近頃異様に眠くなってしまうことがあり、エドガーの血を分け与えられながら眠りについていました。


2月1日、ブランカは従姉のマージと「ブリギッドの日」のお祝いでお菓子を作ります。

夜に服を戸口に出しておくと、女神ブリギッドが触れ、その服を家に飾っておくと浄化されると言われているそうです。

息子を5歳で亡くしたマージは迷信深い女性でした。

しかしお菓子を作っている最中に大騒ぎをするノア。

ノアは多動性障害のような子供で、落ち着きが無く騒いでばかりいる子供です。

オットマーの妹のベスがノアを連れて出かけて行ったのですが、目を話した隙にノアはエドガーたちの家にやってきます。


エドガーとアランがドイツ語のシューベルトの「春の夢」のレコードをかけていたところ、

「ここ、僕の家?」

とノアが訪ねて来たのです。ノアはドイツ語で語りかけてきました。

しばらくしてノアを探しに来たブランカは、エドガーと出会います。

そして、ノアを見つけてくれたお礼に、とエドガーとアランをオットマーの家に招待しました。

オットマーは病気でかなりやつれている男性です。

挨拶をしているときに、マージが出来上がったジャガイモの粉で作ったクレープを運んで来ました。

お菓子に喜び、ドイツ語の歌をうたいだしたノア。

慌ててブランカはノアを叱ります。

「ドイツ語の歌はダメ!ドイツ語もダメ!」
ブランカは、エドガーが自宅でノアにシューベルトを聞かせたと知り怒りました。

オットマーは優しく「私もシューベルトは好きだよ」と話していたのですが、急に咳き込んで倒れてしまいます。

オットマーが目を覚ましたとき、ベッドの脇にはオットマーの母がリヴァプールから駆けつけていました。

そこにノアが「幸運のお花!」とスノードロップを撒き散らします。

騒ぐノアを止めて謝るブランカに、

「スノードロップね。死者の花ともいうのよ」

とオットマーの母は静かに言いました。


オットマーの母は堅苦しい人で、マージは嫌っていました。

オットマーの具合が良くないのでは…と心配するブランカに、マージは

「大丈夫よ。私の子供の服が守ってくれるわ。あなたの服は?」と尋ねるのですが、実はブランカの服は使用人の男性が盗み、密かにその服を抱きしめていました…。


「幸運の花」のはずのスノードロップを摘みながら、ブランカはオットマーが死ぬのではないかと怯えていました。

物思いに耽りながら花を摘むうち、ブランカはエドガーたちの家の前まで来てしまいました。

そして、家から聞こえてくるシューベルトに

「止めて!」と乗り込んでしまいます。


エドガーが
「何故ドイツ人なのにドイツ語を話さないの?
きみのママはよくこの歌を家で歌っていたんだね。
きみの一家はシューベルトが好きだった、音楽が好きだった」
と静かに語りかけると、ブランカは泣きながらシューベルトの愛の歌「春の夢」を歌い出しました。

そして、一緒に歌い出したエドガーは、そのままブランカにキスをします。

驚いて意識を失うブランカ。それを階段の上から見ているアラン。


目を覚ましたブランカは、家族の話を始めました。

ハンブルグに住んでいた頃、ブランカの父は楽器の製作と修理の工房をやっていて、母はチェロの奏者でした。

裕福で音楽に囲まれて幸せに暮らしていたのですが、1938年11月9日の「水晶の夜」にユダヤ人の商店街がナチスに襲われ、全てを奪われてしまったのです。

ブランカの家族はユダヤ人だったのです。


オランダのハーグにいる親戚を頼って一家は引っ越しますが、安全のためにブランカとノアは両親より先にオットマーの家に移り住んだのでした。

その後イギリスとドイツの戦争が始まり、オットマーの妻でありブランカの叔母であるザブリナは、看護師としてドーバーに行ってしまいました。

ずっと続く戦争を憎んでいるブランカ。両親からの手紙も今は途絶えています。そして、ブランカはドイツのことも憎んでいました。


ひとしきり語った後、我に返ったブランカは慌てて席を立ちます。

「きみは怒っている。この戦争を」
と語るエドガーに

「あたし、今の世界中を怒っているの!こんな世界大っきらい!」


と思わず叫んでしまうブランカ。

そしてブランカは本心を聞いてくれたエドガーに好意を寄せていることに気付きます。

エドガーはブランカのことを想いながら

「きみはぼくの春の夢だ」

とつぶやきました。




以降、今冬発売の月刊フラワーズに続きます。

エドガーに恋の予感と、またアランが嫉妬でピリピリしそうな感じですね。

しかし、要所要所に以前のような魅惑的なキーワードが沢山出てきて、海外の暮らしに憧れてしまいます!

昔の少女漫画で語られるヨーロッパってホントステキですもんね。

そして今回は戦争をテーマにしているところも大きいな、と思いました。

萩尾望都さんは原発に関しても何話も書いていますね。


なのはな新装版 [ 萩尾望都 ]


次号が待ち遠しいです!

粗筋はネタバレしましたが、とはいえやはり萩尾望都さんの絵で読んでこそ!です!

月刊フラワーズ7月号を買いそびれた方は、ぜひ電子書籍版で買ってみてくださいませ!
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