英語学習にも役立つBLマンガ「スモークブルーの雨のち晴れ」1〜4巻ネタバレ感想
英語の勉強を細々と続けて4年経ちますが、未だに瞬間英作文が苦手だし、発音レッスンを受けていても「L」と「R」の使い分けや、リンキングに慣れないままです…
今使ってる教材は基本DMM英会話の月4回ノンネイティヴ講師とのレッスンとアプリiKnow!の利用。
お値段が良心的なので助かってます。
ダッシュボード- DMM英会話
あとは週1でアメリカ人の友達からオンライン英語発音レッスンを受け、また言語交換アプリもほぼ毎日使ってはいます。
アメリカ在住のイギリス人男性と、中国系のオーストラリア人男性ともたまにオンラインで話していますが、向こうが忍耐強い人なお陰で会話が出来ているレベル…
日本語学習している英語圏の人の作文添削もしているのですが、これって日本語の知識もそれなりにないと出来ないものだな、と改めて思いました。
アプリだと色んな人が添削してあげているんですが、その中のかなりの日本人が不正確な添削をしていたりするんですよね…
そんなモヤモヤを抱きつつ、「久々に楽天KOBOでマンガを買おう」と思って開いたら、セールの中でお勧めされていた「スモークブルーの雨のち晴れ」が目に留まりました。
コミックシーモアの無料立ち読みはこちら
いかにも絵が下手な、受け攻め分かりやすいBLマンガが溢れている中で、この波間田かもめさんの絵はヤマシタトモコっぽく感じて、そこまで内容がくだらなそうじゃないかも?と思ってポチり。
いざ読み始めたら、BLマンガというより英語翻訳という意味で参考になることだらけ!
設定自体は確かにBL、しかも2人とも最初は30代後半で、途中から40歳になっていきます。
でも見た目は全然20代後半〜30代前半に見えるイケメンなんですけどね。
元々製薬会社のMRで同期だった吾妻と久慈。
ライバル視していた久慈の送別会の日に吾妻は押し倒されたけど、そのまま交流は途絶えていたのに、偶然ゲイバーで再会をします。
久慈は父親の介護のために退職をしていて、吾妻はその後売上のために働き続けることに精神的ストレスを溜め込み過ぎて退職。
久慈の父親は翻訳家だったこともあり、現在無職で姉一家のところに居候中の吾妻と違い、彼は医薬系の書類翻訳をメインにしつつ児童文学の翻訳もして暮らしていました。
そして吾妻は久慈の手伝いを仕事として引き受け、一緒に過ごすうちにまた肉体関係を持ち始めるのですが、でも二人の関係は「恋人」ではない。
そう、このマンガの良いところは、英語の勉強になるのはもちろんなのだけど、久慈の父親の介護や、「好き」と言われたら関係は持つけど恋人という形にハマりきれない吾妻の性格などの描写が細やかなんですよね。
他人のことなら泣けるのに、自分のことになると泣けない吾妻、とか。
どれだけ体を重ねていても、久慈の実家解体に伴って新居を探す時には、お互い「一緒に暮らす」という選択肢は最初から無く、それぞれが別に部屋を探していきます。
普通のBLマンガなら、この時点で同棲を始めるんじゃないの!?と思うのに、あくまでもキッチリと線引をしているところが不思議で、でもそこが良いですね。
吾妻は久慈の仕事を手伝う内に「翻訳家の勉強をしたい」と思い始め、そのための学校に週一通う費用も稼ぐために塾講師になります。
この塾の仕事を紹介してくれた大学時代の先輩も、その後悲しい話に展開していくのですが…
翻訳家の学校で知り合う仲間たちの中には、50代で震災のトラウマを抱えている仙台から通っている女性もいたりして、そういう細かいエピソードが散りばめられているけど、それが二人の恋愛メインストーリーの邪魔になっていない!
いやむしろ、二人の濡れ場は箸休めというか、そこまで多くありません。
若い二人の恋愛物語ではないから、お互いが自立をしながら側にいる、優しくし合う、けど一定の距離を置いている、のが40代って感じ!
いやまぁ…リアルに40代を描いているか?と言ったら、そんなにガンガンに激しくしないだろ…とも思うんですが、そこは創作物ということで…
さて肝心の英語の勉強になる部分ですが、話の合間に「久慈父の一言メモ」という形で、英語翻訳の豆知識が載っています。
「I, My, You」など英語だと必ず主語になる人物を明確に書きますが、それを日本語訳する時に入れるか入れないか、入れるとしたらバリエーションが豊富な日本語訳の中でどれを使うか?というのは、確かに大事なポイント。
日本語学習者も「私」「僕」「俺」など、どれを使うべきか迷う人をよく見かけますもん。
更に、翻訳の場合は和臭(日本独自の文化を感じる単語)を出さないように、というのも良いアドバイスでした。
例えば「一銭の価値も無い」「一文無し」なんて言葉を使うと、どちらも日本独自の単位が入っているので和臭がし、原文にある海外の空気感が台無しになってしまう、というのは考えたこともありませんでした。
逆に、向こうの文化が分からなくて翻訳を間違える、というのもありますね。
結局どちらの言語も理解していないといけないし、その理解度も高くなければいけない。
なので、久慈と吾妻はBLとしては可愛げもあり笑える部分もある男達だけど、頭がめちゃくちゃ良い設定になっていて、でもそれを感じさせません。
インテリ臭をさせていないのも、また親近感が湧いて良いなと思いました。
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あとは週1でアメリカ人の友達からオンライン英語発音レッスンを受け、また言語交換アプリもほぼ毎日使ってはいます。
アメリカ在住のイギリス人男性と、中国系のオーストラリア人男性ともたまにオンラインで話していますが、向こうが忍耐強い人なお陰で会話が出来ているレベル…
日本語学習している英語圏の人の作文添削もしているのですが、これって日本語の知識もそれなりにないと出来ないものだな、と改めて思いました。
アプリだと色んな人が添削してあげているんですが、その中のかなりの日本人が不正確な添削をしていたりするんですよね…
そんなモヤモヤを抱きつつ、「久々に楽天KOBOでマンガを買おう」と思って開いたら、セールの中でお勧めされていた「スモークブルーの雨のち晴れ」が目に留まりました。
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いかにも絵が下手な、受け攻め分かりやすいBLマンガが溢れている中で、この波間田かもめさんの絵はヤマシタトモコっぽく感じて、そこまで内容がくだらなそうじゃないかも?と思ってポチり。
いざ読み始めたら、BLマンガというより英語翻訳という意味で参考になることだらけ!
設定自体は確かにBL、しかも2人とも最初は30代後半で、途中から40歳になっていきます。
でも見た目は全然20代後半〜30代前半に見えるイケメンなんですけどね。
元々製薬会社のMRで同期だった吾妻と久慈。
ライバル視していた久慈の送別会の日に吾妻は押し倒されたけど、そのまま交流は途絶えていたのに、偶然ゲイバーで再会をします。
久慈は父親の介護のために退職をしていて、吾妻はその後売上のために働き続けることに精神的ストレスを溜め込み過ぎて退職。
久慈の父親は翻訳家だったこともあり、現在無職で姉一家のところに居候中の吾妻と違い、彼は医薬系の書類翻訳をメインにしつつ児童文学の翻訳もして暮らしていました。
そして吾妻は久慈の手伝いを仕事として引き受け、一緒に過ごすうちにまた肉体関係を持ち始めるのですが、でも二人の関係は「恋人」ではない。
そう、このマンガの良いところは、英語の勉強になるのはもちろんなのだけど、久慈の父親の介護や、「好き」と言われたら関係は持つけど恋人という形にハマりきれない吾妻の性格などの描写が細やかなんですよね。
他人のことなら泣けるのに、自分のことになると泣けない吾妻、とか。
どれだけ体を重ねていても、久慈の実家解体に伴って新居を探す時には、お互い「一緒に暮らす」という選択肢は最初から無く、それぞれが別に部屋を探していきます。
普通のBLマンガなら、この時点で同棲を始めるんじゃないの!?と思うのに、あくまでもキッチリと線引をしているところが不思議で、でもそこが良いですね。
吾妻は久慈の仕事を手伝う内に「翻訳家の勉強をしたい」と思い始め、そのための学校に週一通う費用も稼ぐために塾講師になります。
この塾の仕事を紹介してくれた大学時代の先輩も、その後悲しい話に展開していくのですが…
翻訳家の学校で知り合う仲間たちの中には、50代で震災のトラウマを抱えている仙台から通っている女性もいたりして、そういう細かいエピソードが散りばめられているけど、それが二人の恋愛メインストーリーの邪魔になっていない!
いやむしろ、二人の濡れ場は箸休めというか、そこまで多くありません。
若い二人の恋愛物語ではないから、お互いが自立をしながら側にいる、優しくし合う、けど一定の距離を置いている、のが40代って感じ!
いやまぁ…リアルに40代を描いているか?と言ったら、そんなにガンガンに激しくしないだろ…とも思うんですが、そこは創作物ということで…
さて肝心の英語の勉強になる部分ですが、話の合間に「久慈父の一言メモ」という形で、英語翻訳の豆知識が載っています。
「I, My, You」など英語だと必ず主語になる人物を明確に書きますが、それを日本語訳する時に入れるか入れないか、入れるとしたらバリエーションが豊富な日本語訳の中でどれを使うか?というのは、確かに大事なポイント。
日本語学習者も「私」「僕」「俺」など、どれを使うべきか迷う人をよく見かけますもん。
更に、翻訳の場合は和臭(日本独自の文化を感じる単語)を出さないように、というのも良いアドバイスでした。
例えば「一銭の価値も無い」「一文無し」なんて言葉を使うと、どちらも日本独自の単位が入っているので和臭がし、原文にある海外の空気感が台無しになってしまう、というのは考えたこともありませんでした。
逆に、向こうの文化が分からなくて翻訳を間違える、というのもありますね。
結局どちらの言語も理解していないといけないし、その理解度も高くなければいけない。
なので、久慈と吾妻はBLとしては可愛げもあり笑える部分もある男達だけど、頭がめちゃくちゃ良い設定になっていて、でもそれを感じさせません。
インテリ臭をさせていないのも、また親近感が湧いて良いなと思いました。
もう一つ面白かったのが「Corn」はアメリカ英語ならトウモロコシだけど、イギリス英語なら「小麦」なので気をつけろ、というアドバイス。
小麦は「Wheat」と覚えていたのでビックリ!
イギリス人男性に聞いてみたところ、トウモロコシのことを言いたいときは「Sweet corn」か「Corn on the cob」と言うそうです。
ちなみに今ググったら「イギリス英語でトウモロコシはMaize」というのがトップに出てきましたが、それはリアルなイギリス人男性は言っていませんでした。
そして「Corn on the cob」の説明をしているブログやサイトは少なくて、ギャップを感じましたね。
さて「corn」にはもう一つ意味があり、足に出来たタコのこともcornと言うそうです。
ま、日本語では蛸も凧も足のタコも「たこ」ですもんね…
マンガで知ったことを更に直接イギリス人男性に確認出来たので、ますますこのマンガは役立つなぁと思いました。
私自身は翻訳家になんてなれるわけがないので、そこは目指していませんが、それでもNetflixなどを観ていると「字幕が間違ってるな」ということがたまにあります。
「a wet blanket(場を白けさせる人)」を「濡れた毛布」と訳してたことがありましたので…
字幕を信じ込み過ぎるのは危険だけど、微妙なニュアンスの違いが分からない、とか、英語の勉強は本当にキリがありません。
あと10年経ってもどこまで成長できるやら…
むしろ私はどんどん豆知識を増やしている気がしますが、それはそれで楽しいです!
海外のニュースも、日本では報道されていないモノが多いですしね。
たまーに、それをワザと誤訳してデマ拡散しているポストもXで見かけます。
鵜呑みにして更に拡散している人もいるけど、ちゃんと自分で英語が分かればそれがデマだと笑い飛ばせる。
そして「欧米ではこうなのに、日本は遅れている」という意見をよくSNSで見かけるけど、実際に現地の人と話してみると全然話が違うってことも多いです。
気をつけなきゃいけないのは、英語が得意な日本人って性格がキツイというより、独断と偏見の強い人が多いから、そういう人と関わらないようにしたり、自分もそうならないよう気をつけないといけないってことかな…
欧米人がドン引きするくらい、「〜すべき」とか「こうに決まってる」とか、他人を嘲笑うようなことを平気で言ったり書いたりする日本人ってすごく多いんだな、と言語交換アプリで知りました。
「Noと言えない日本人」なんて今はもういない…
むしろ欧米の人たちの方がホスピタリティ精神に満ちていて、優しいし、空気を読んで気を遣ってくれたりもします。(もちろん人によりますが)
と話が逸れましたが、このマンガの久慈と吾妻はあくまでも日本で暮らしている日本人で、カップルなはずだけど付き合っていない状態のまま何年も経っていて、そして吾妻の甥っ子は二人の関係に気付き始めているみたい。
カミングアウトし辛い空気感や、世間体や、どうにもならないことも起こるし、でも希望もあって笑えたりもする良いマンガだなと思いました。
きちんと翻訳家の方が監修に入っているのも良いですね!
とっくに人気作だろうことは分かっているのですが、私はあまり新しい作家さんを探さないまま大御所漫画家の作品ばかり読んでしまっていたため、今回は良い出会いが出来ました!
5巻発売も楽しみにしていますし、この機会に英語の勉強もBLも好きって方はチェックしてみてくださいませ!
小麦は「Wheat」と覚えていたのでビックリ!
イギリス人男性に聞いてみたところ、トウモロコシのことを言いたいときは「Sweet corn」か「Corn on the cob」と言うそうです。
ちなみに今ググったら「イギリス英語でトウモロコシはMaize」というのがトップに出てきましたが、それはリアルなイギリス人男性は言っていませんでした。
そして「Corn on the cob」の説明をしているブログやサイトは少なくて、ギャップを感じましたね。
さて「corn」にはもう一つ意味があり、足に出来たタコのこともcornと言うそうです。
ま、日本語では蛸も凧も足のタコも「たこ」ですもんね…
マンガで知ったことを更に直接イギリス人男性に確認出来たので、ますますこのマンガは役立つなぁと思いました。
私自身は翻訳家になんてなれるわけがないので、そこは目指していませんが、それでもNetflixなどを観ていると「字幕が間違ってるな」ということがたまにあります。
「a wet blanket(場を白けさせる人)」を「濡れた毛布」と訳してたことがありましたので…
字幕を信じ込み過ぎるのは危険だけど、微妙なニュアンスの違いが分からない、とか、英語の勉強は本当にキリがありません。
あと10年経ってもどこまで成長できるやら…
むしろ私はどんどん豆知識を増やしている気がしますが、それはそれで楽しいです!
海外のニュースも、日本では報道されていないモノが多いですしね。
たまーに、それをワザと誤訳してデマ拡散しているポストもXで見かけます。
鵜呑みにして更に拡散している人もいるけど、ちゃんと自分で英語が分かればそれがデマだと笑い飛ばせる。
そして「欧米ではこうなのに、日本は遅れている」という意見をよくSNSで見かけるけど、実際に現地の人と話してみると全然話が違うってことも多いです。
気をつけなきゃいけないのは、英語が得意な日本人って性格がキツイというより、独断と偏見の強い人が多いから、そういう人と関わらないようにしたり、自分もそうならないよう気をつけないといけないってことかな…
欧米人がドン引きするくらい、「〜すべき」とか「こうに決まってる」とか、他人を嘲笑うようなことを平気で言ったり書いたりする日本人ってすごく多いんだな、と言語交換アプリで知りました。
「Noと言えない日本人」なんて今はもういない…
むしろ欧米の人たちの方がホスピタリティ精神に満ちていて、優しいし、空気を読んで気を遣ってくれたりもします。(もちろん人によりますが)
と話が逸れましたが、このマンガの久慈と吾妻はあくまでも日本で暮らしている日本人で、カップルなはずだけど付き合っていない状態のまま何年も経っていて、そして吾妻の甥っ子は二人の関係に気付き始めているみたい。
カミングアウトし辛い空気感や、世間体や、どうにもならないことも起こるし、でも希望もあって笑えたりもする良いマンガだなと思いました。
きちんと翻訳家の方が監修に入っているのも良いですね!
とっくに人気作だろうことは分かっているのですが、私はあまり新しい作家さんを探さないまま大御所漫画家の作品ばかり読んでしまっていたため、今回は良い出会いが出来ました!
5巻発売も楽しみにしていますし、この機会に英語の勉強もBLも好きって方はチェックしてみてくださいませ!
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