高橋一生の低視聴率ドラマ「僕らは奇跡でできている」が感動的だった!ネタバレ感想

2020年01月05日
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放送当時、電車内の車額広告は見ていたけど、放送は見逃していたドラマ「僕らは奇跡でできている」を、今更ながらにAmazonプライムビデオで観ました。


1 常識破りマイペース講師

同じく高橋一生の主演ドラマ「東京独身男子」も低視聴率で悪い意味で話題となっていましたが、そちらはいざ観たらとても面白かったので、こちらも良いのかも?と思ったのです。

高橋一生が大コケ低視聴率ドラマと言われた「東京独身男子」がめちゃくちゃ面白い!

Huluで国内ドラマ欄を見ていたら「東京独身男子」があったので観てみました。東京独身男子 Blu-ray-BOXこのドラマ、リアタイで1度ながら見したけど、放送時間がイマイチ私のライフスタイルと合っていなかったんですよね。好きな俳優さん多く出てるから面白いかも?と薄っすら期待もしてたんですが…なんとなく、高橋一生と高橋メアリージュンが話すシーンを観て「女性婚活ドラマの男性版ってだけかな?なんかご都合主義な展開にイラ...



結果としては、こちらもめちゃくちゃ面白かった!

高橋一生の役・相河一樹は、ハッキリ明言されてはいませんが、たぶん発達障害があり「他人が普通に出来ることが、出来ない」青年です。



割と最近こういう設定のドラマが多いため、視聴者は興醒めてしまったのかな?

普通のことは出来ない、でも、好きなもののことだと夢中になる。

理科が大好きで、動物行動学の大学講師となった一樹。

彼がマイペースに笑顔で過ごす中で、周囲の人達の気持ちが変わっていく、と書くと「同期のサクラ」のようですが、全く別物でした。

説教臭くなく、穏やかで優しくて、ユーモラス。

一樹の祖父で陶芸家役の田中泯が、もう最高に素敵な爺ちゃんでねぇ。




ストーリー全体のポイントは

●大学講師になって半年、生徒は授業中退屈そうにして、イマイチ一樹は慣れずにいたけれど、屋外授業に皆んなを連れ出したことで、生徒たちが自然と動物に関心を抱き、一樹の授業が大人気になる。

生徒達は一樹のように「自分がやりたいことは何だろう」と考え、自らを見つめ直していく。

●歯医者で出会った少年・虹一と友達になる。

虹一も周囲と同じような行動が出来ず、興味を持ったことに夢中になって周囲を忘れるタイプ。

絵を描くのが好きで、一樹とはウマが合うが、母親は一樹を大警戒。

教科書を読むと頭痛がする、という虹一を「やる気が無いから」と叱り続ける母親だったが、一樹から

「虹一君は文字を読むとき、瞬きが増える。

絵を描いている時には、そうならない」

と言われ、眼科に連れて行ったところ光過敏の障害があったことに気付く。

それまでは「悪目立ちしないように」と否定してばかりだった母親は、以降小さなことでも褒める、優しい穏やかな母親に変わった。

●父の歯科医院を継ぎ、他の審美歯科の病院でも勤務し、努力を重ねてきた歯科医の育実(榮倉奈々)。



一樹と虹一に振り回されたり、未練のある恋人と別れたり、身勝手な助手に苛立ったりしていたが、一樹と幼少期の話などしていくにつれ

「私が頑張らなきゃ、と思っているのは、自分に自信がないからだ」

と気付く。

「やらなくちゃいけない」ではなく「やりたい」と思うことを考えるようになり、「一人で頑張る」から「周囲の人に助けてもらう」という方法があることに気付いたことで、新たな分野にも挑戦する。

●一樹が15歳の頃からいる住み込みの家政婦・山田さん(戸田恵子)。



一樹とは丁寧な敬語でコミカルに会話し、いつも明るく元気で料理上手。

一樹と育実をくっつけようと盛り上がるが、会話の流れで一樹から

「僕を産んだのは山田さんですよね」

と言われる。

一樹が3歳の頃に夫と死別。

「普通のことが出来ない」一樹の育児に疲れ果て、4歳の一樹が「丸ごとのタコを食べたい」と行った時に義父から2万円渡されて、タコを買うと言いながら旅館で息抜きしたまま失踪していた。

一樹の運動会を覗きに行った時に義父と再会し、義母が亡くなったことを知らされると共に

「帰って来ないか?」

と言われ、それでも母親と名乗ることは出来ずに、家政婦として一樹と暮らすことにしていた。

一樹は大学生の頃、海外でフィールドワークをするためにパスポートを取得し、その時戸籍謄本を見て山田さんが実母だと気付いていた。

●マイペースにフィールドワークを楽しむ一樹に苛立っていたり、他人とコミュニケーションを取るのが苦手だった同僚達は、それぞれが「自分の好きな研究」「やりたいこと」を改めて考えていくようになる。





一樹が樫野木に「どうして離婚したんですか?」「どうして再婚しないんですか?」と無邪気に言ったり、ワザと嫌味っぽく言ったりし、それに沼袋がポソっと「グッジョブ」とつぶやくお決まりのやり取りに笑いました。

このように周囲に小さいようで大きな変化を与えた一樹は、最後新しい夢にチャレンジし、宇宙飛行士となって笑顔で手を振って終わります。



このラストのザ・合成の宇宙映像が当時は賛否両論だったようですが、一気見した身としては良い終わり方だったと思います。

ありがちな恋愛を絡めたストーリー展開を匂わせたりもしてましたが、育実とくっつかなくて良かったんじゃないかなぁ。
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キョトンとした顔で小首を傾げる高橋一生の演技が「あざとい」等と言われたりもしていたようですが、その表情も全体を通すと感情を細やかに表現していて、

やっぱり高橋一生の演技はすごいな!

と震えました。

一見空気を読まないようなことを言い放った後の笑顔は、

「こ…このーっ!怒りたいのに、怒れないじゃん!」

と思わされるので、あざといと言えばあざといですが。

「小さい頃、僕は僕のことが嫌いで、いつも泣いていました」

嫌いだった人と大人になったら仲良くなれた、と育実に語るシーンで、その嫌いだった人は自分自身だったと言う一樹には、グッときました。

いつもマイペースで笑顔で、黒いことなど考えなそうな一樹ですが、育実には

「小さい頃、教師や同級生から嫌われて怒られてばかりいたけど、中学生の時に理科研究部の発表で褒められ、そこから

『僕を苛めた奴らを見返してやろう』

と思うようになったら、楽しかったはずのことが楽しくなくなった


という本音も語ります。

そういう一樹をずっと笑顔で、ありのまま受け止めていた祖父の存在は大きい!

「同期のサクラ」の爺ちゃんのように、格言のようなアドバイスはせず、ただありのままの一樹を受け止める。

ありきたりな一般論を言うより、そうやって見守る方がずっと、揺るがない真の強さを与えてあげられるんだなと思いました。


このドラマがリアルタイムで視聴率悪かったのは、この穏やかな優しい空気があまりに「普通」の日常とはかけ離れていたからかもしれません。

実際には、発達障害がある人は皆んな秀でた才能があるわけじゃない。

一樹のように、好きなことをして食べていける人はかなり恵まれています。

祖父は明言されていないけど、有名な陶芸家なのかな?

じゃないと、なかなかあんな風に、孫に自由な教育を与えてあげられなそう…

そういう一樹の恵まれた部分にイライラした視聴者もいたのかもしれません。

ただ、一樹の「すごいところを100個挙げられます」と言いながら、普通の人でも出来る些細なことも全部褒めるところは、そういうイライラした人もハッとさせられる生活の知恵が詰まってました。

「何か目標を持たなきゃいけない」

そういう強迫観念も、このドラマは優しく

「無理しないことも、頑張ったことの一つ」

として数えてくれます。

そのため、育実は入会したけど一度も行けなかった料理教室の退会を

「逃げたのではなく、辞めると決められた」

という捉え方に変えさせ、笑顔にする。

他人と不平不満愚痴を言い合うことだらけの現実の中では

「何で、そんな風に思うの?」

と素直に真っ直ぐ言える生活は、理想的に見えました。

そんなに難しいことじゃないはずなのに。


このドラマを観るまでは、

「動物や自然ってすごい!みんな奇跡で出来てる!」

という、自然賛美な内容なのかな?と勝手に思い込んでいました。

確かにリスや鳥、亀や蟻などたくさん出てきます。

働き蟻はメス、というのも、一樹の授業のシーンで知りました。

そういう知識としても、面白い収穫のあるドラマでしたね。

そして「楽しいことだけしてれば良いわけじゃない」という一般論を、キチンと言葉にして説明し、謎を投げかけ、解明してくれる。

かつて「普通じゃない息子」の育児から逃げ出した山田さんが、虹一の母親に優しく声を掛けるシーンも、後になってみると

「あぁ、山田さんは他人だから客観的に見てフォローしてたわけじゃなく、実体験があったからなんだ」と分かると、より温かく感じました。

オンデマンド配信が観られる世の中になったお陰で、低視聴率と言われていたドラマを後から観て、面白かったと自分で確認出来るようになって良かったです!

ちなみにネットでドラマの感想を読んでたら

「高橋一生の演技が上手いのは分かってるけど、彼は主役じゃなく脇役で観たいタイプ」

と書いている評論家がいました。

私、それって脚本の内容次第であって、脇役タイプの人が主役なのが良いドラマもいっぱいあると思うんですが?

派手な顔した美男美女しか主役として映えないなんて思わないし。

私はこのドラマ、新年最初に観て良かったなと思います。

まだ未視聴の方は、疲れている時、ちょっと誰かに励まして欲しい時、是非観て観て下さいませ!
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