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ドラマ「おっパン」最終回ネタバレ感想~同性婚ハピエンに違和感

昨夜ついに、ドラマ「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか」が最終回を迎えました。






このドラマは「不適切にもほどがある」との対比として、よくネット記事に書かれてましたね。

「昔は良かった」と「価値観をアップデートしよう」の対比のようにしていましたが、どちらも観ている身からすると、どちらもメッセージ自体は同じだろうと思います。

「周囲のマジョリティに合わせて、自分を押さえ込まなくて良い。けど、他人に自分の我儘を一方的に押し付けてはいけない、のバランスについて、視聴者も一緒に考える」という構図に今は見えます。

おっパンの最終回は、急遽現れた一見常識人で賢く肩書きも立派な大地の父親が、頑なに「息子を守るため」にマイノリティを認めず、そのため誰にでも優しい大地が円先輩との結婚や交際自体躊躇するようになったけれど、誠を筆頭にした沖田家の結束で背中を押し、無事彼らが仏前式を挙げたところで終了しました。

ある意味キレイにまとめたラストで、同人作家の沖田家長女、可愛いモノが好きなままメイクの道に進みたい長男、パート解雇が目前になったけど推し活や子供の学費のために正社員雇用を目指す母の前途を案じながら、それでもいざという時のために気合いを入れて筋トレも始める父の誠、という

「この先もまだ人生は続くけど、何が起きても大丈夫に、自分の『好き』を貫いていけるようにしよう」

という前向きな終わり方だったと思います。

その分、ちょっとした違和感は流した方が良いのかな?とは思うのですが…

結婚式が割と珍しい仏前式だったこと、円先輩の家族は同席していなかったこと、は何か理由があるのかな?

仏教は元々同性愛が普通だったから?

よくある同性婚は西洋式で新郎二人はタキシード、が実写版の定番だから、それと差別化しただけ?

円先輩は家族を説得し、院の試験が落ち着いてから大地を家族と会わせると急いで帰省して説得してきているのに、それを待てずに式を挙げたのは何故?

誠があくまでも「大地くんは大切な友達」という認識のまま、「余計なお世話はダメとされる時代だけど、でも大切な人には本音を言おう」とする流れは良かったなと思います。

他人に配慮し過ぎて何も言えない、強く主張されたら合わせないといけないのか?とか、お金の問題、将来の経済不安とどう向き合うか、はまだまだ残された課題ですね。

そこを丁寧に描いた、とも思いますが、何となく「円先輩と大地が無事に結婚式を出来たからハッピーエンド」な展開にも見えてしまう部分があり、そこだけ駆け足に感じました。

作者のインタビュー記事を先日読みましたが、原案と作画は同居している女性2人のようですね。

『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』の原作者が価値観

『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』の原作者が価値観"アップデート"をすすめるわけ。「おじさん自身にも幸せであってほしい」



お互いが日々感じていること、親や周囲に言われた実話などが盛り込まれている代わりに、LGBTQに関してはプロの監修に依頼していたそうです。

原田泰造も、沖田家の面々も、大地の母役の松下由樹好演していて、良い作品でした。

が、私は元々このドラマはFANTASTICSの中島颯太くんが出る、というのをキッカケに観ていたため、円先輩と大地の関係性がぎこちない演技なのに、周囲のセリフで「尊いカップル」とされていたのにはちょっと不満足かなぁ。

お互いのことが大好きだから、思いやり合って気遣い合っている

という設定なのは分かるのですが、本当にこんな言い方をしたらごめんなさい、なんだけど

「八木勇征なら、この時の感情を目の動きや表情、少しの動きで、視聴者に分かりやすく演技出来ただろうなぁ」

とは思ってしまいました。

中島颯太くんは、この先もっと演技を頑張っていくよりも、バラエティ番組で活躍していく方が合いそう、かな。

監督さんは中島颯太くんの演技を褒めているし、それを聞けるのはやはり嬉しいですけどね。



八木勇征はどんな役でもそれに合わせて自分の外見や表現を変えて、理論的に俯瞰して立ち回れる役者さんになってきていると思います。

でも中島颯太くんは「良い子」か「良い子に見えたサイコパス」とかしか、ハマるだろうなぁという想像が出来ないというか、振り幅が広いタイプの外見では無いのでは?

標準語の演技が固いのと、可愛いポジティブ系なルックスなので、自分自身と役は完全に別物と切り替えて立ち回る八木勇征とどうしてもグループ内で比較されてしまうのは、難しいんじゃないかな。

これはもう顔の良し悪しの差じゃなくて、元々の個性の違いかと。

円先輩役の方も良かったけど、お互いを見る様子や言葉の発し方に、

「そもそも、お互いのどこをそんなに好きなの?」

というのがセリフで説明されないと伝わらない感がありました。


ちょっと怖い感じ、喜怒の強弱のみが強かったからかな。

グループと比較しなくても、翔役の城桧吏くんはキレイな顔をしているというだけでなく、オドオドした不安そうな目や話し方、でも言うべき時は言う、嬉しい時ははにかむ笑顔で、セリフを言わなくてもキャラが伝わる演技をしていたなと思います。



女の子になりたいわけじゃない、同性愛者かどうかもまだ自分では分からない、そもそも定義付けされるのが苦しいけど、「可愛いモノが好き」ということや、性別関係なく「この人のここが好き」と思って口に出来る子、という難しい設定を、上手く演じていたなー。

少し各面々の悩みを詰め込み過ぎたかな、という印象もありましたが、世間に伝えたいメッセージが沢山詰まっていて、でも笑える部分、ホッコリ部分もあり、

「世の中、こんなに良い人だらけなら理想的だよね」

と思わせてくれるドラマでした。

大地の父親は、最後まで分かり合えない存在として排除されてしまいましたけどね。

そういう存在を足すことで、「誰もが多様性を認める時代にはなっていない」というリアルさも出せていたと思います。

実際、大地の父親が言うように、ゲイカップルは世界中どこでも受け入れられるわけじゃない、むしろ捕まることもある。

これは宗教観の違いなどもあるので、一概に「古い因習に縛られるのを止めろ」と他国民が口を出せない問題。

日本はそこまでの法律は無いから、周囲の価値観次第で受け入れられることもあれば、まだまだ差別を受けることもある、という感じでしょうか。

ドラマなどでは同性カップルが人前で手を繋いでいると、周囲が聞こえるように揶揄するシーンが出てくることがありますが、東京だとそういうことはほぼ無い気がします。

チラッと見て、あぁそういうことかな?と思っても、ジロジロ見たり口出ししないのがマナーって感じ。

マナー違反をする人もまだまだいるんだろうとは思いますけどね。

ただ会社内で同性結婚する2人がいたら、まだその対応に周囲は困惑する気はします。

異性同士でも社内結婚した人がいると、結構気を遣いますからねぇ。

私は社会人2年目の時に、デキ婚した先輩2人の嫁の方の態度が酷くて、嫌味に言い返したら旦那から呼び出し食らったことがあります。

あと、深夜に奥さんから電話がかかってきて

「旦那が携帯に出ないので、会社にまだいますか?」

と言われたけど、旦那はとっくに退勤していたため、

「あー、飲みに行ったか、妻に言えない場所に行ってるのかな」

と思いながら対応したのも、気疲れしたな…

こういう経験は皆んなそれぞれあって、周囲はこうするのが正解、はケースバイケース過ぎるから、それに更に他の多様性も含まれていくのはキツイ、とマジョリティとされている側が思うのも分かります。

「他人は所詮他人」とどこか冷めた目で見て、身近な大切な人の居心地の良さだけ守ろうとするのが精一杯。

だから大地の父親のように、「大切な息子だからこそ、周囲に無駄に辛くあたられないようにしたい」と思う気持ちは、子無し未婚の私でも想像はつきます。

「何があっても、自分は味方だから」

と強い信念を貫けるよう育てていきたいお母さんの気持ちも分かる。

お母さんは動物病院を開業していて、経済的余裕があるからこそ、というのはありますけど。

円先輩も大地も勉強が出来る、手に職をつけられる人達の設定だから、経済的不安を同性結婚で害される可能性は低い。

何だかんだ言っても、「好きを貫くのには、心とお金の余裕が無いと出来ない」というのが現実。

ただこれはマイノリティだけでなく、マジョリティだって同じこと。

そこを補ったのが、沖田家の長女や母だったのかな、と思います。

彼女たちには、頑張り屋でそれなりに出来ることがある、という利点があるから、今後明るい未来が待っていそうだと思えました。

世の中には皆んなそれぞれ不満があって、最近はそれを煽る話題が盛り上がる傾向に成っていますが、物語の中くらいは幸せであって欲しいですね。

個人的には同性婚でも何でも、本人達がキチンと社会生活を送れていたら良くない?

というのが私の意見ですが、同性婚は悪用の可能性も考慮した上で進める話だろうとも思っています。

扶養控除とか、国籍とか、私が金銭的に困っていたら悪用しようとするかもしれないので。

「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか」は、優しい理想的な人々が出て来るドラマでした。

それはそれで、土曜日の夜に観るには良かったと思います。

「自分らしさ」と「我儘」は紙一重だし、その境界線は時と共に変わっていくから、誠だけでなく皆んなのアップデートは続いていくことでしょう。

まぁそもそも私には「大事にしたい人」自体がほぼいないので、そこも課題なのですが…

他人との付き合いを面倒だとか、疲れるとか、嫌な人の対応で病むとか、そういうことが無い世界になるのは難しいと思うけど、でもその可能性も信じて前向きになる方法を考えて生きていけたら良いな、とこのドラマを観て思いました。

配信系ではまだほぼ全話観られない状況だけど、いつか改めて見逃した方々もNetflixやアマプラで観られるようになると良いですね。
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