清水玲子原画展の感想~アナログの緻密で美麗な絵を堪能!

2023年11月27日
マンガ 0
池袋で開催中の「清水玲子原画展」に行って来ました!



清水玲子のマンガは、最初に読んだのが何だったか…

多分、マンガ系のバイト先で「月の子」の話題が出て、チェルノブイリ原発のエピソードを聞いたのが始まりだったと思います。




原発と恋、清水玲子「月の子」ネタバレ感想

原発と恋、清水玲子「月の子」ネタバレ感想

最近また電子書籍で買い直して、清水玲子の「月の子」を読んでいます。名作なのでご存知の方も多いと思いますが、古い作品ではあるので、知らない方もいるかも?とご紹介してみます。あらすじ童話「人魚姫」のモデルは、実在する美しい人魚「セイラ」だった。人魚達は10年に一度の産卵期に地球で卵を産み、孵化した子供達は宇宙に渡って育ち、そしてまた地球に戻ってくる。しかしセイラは人間の王子に恋をしてしまい、婚約者のポン...



その時点で「輝夜姫」は連載中で、新刊が出ると買いながら過去作も読み、「秘密」は初期から追ってました。

絵がめちゃくちゃ少女マンガ的で美しいのに、ストーリーはSFや猟奇的なグロさや残酷さがあり、同性愛キャラは出てくるけど肉体というより精神的な結び付きだったり、両思いになればハッピーエンドにはならない切なさもあり…と、絶賛するには言葉が足りないのですが、本当に素晴らしい漫画家さんですよね!

漫画家の原画展は、たまたま機会があれば行く、という感じだったのですが、昨年くらもちふさこ展に行き、その後Xで調べたら色んな人が原画展をやっているタイミングがあると知り、その流れで清水玲子原画展の公式アカウントを見つけました。

くらもちふさこ展(弥生美術館)感想~「花に染む」デジタル着色前の原画に感動!

くらもちふさこ展(弥生美術館)感想~「花に染む」デジタル着色前の原画に感動!

今日は初めて文京区にある根津美術館に、「くらもちふさこ展」を見に行ってきました。私の中で急にくらもちふさこ熱が上がり、調べたらちょうど今月末の5/29までが会期と分かったのでラッキーでした!会期が4回に分かれていて、今やっているのは最終のものになります。展示内容は作品保護のためカラーだけ交換されているということでしたが、調べる前は「時代順に作品を展示しているの?「花に染む」の陽大の絵が無かったらどうし...



「くらもちふさこ展」をオススメした年上女性に伝えたら、

「チェック済みで行くつもりだけど、じっくりゆっくり見るタイプだから、一緒に行くより、後で感想会をしましょう」

と言われていて、彼女は公開2日目に行ったそうです。

私も平日行こうかな、どのくらい混むのかな?と思っていたのですが、昨日はあまり天気が良くなくて寒かったから、混むと言われる展望台エレベーターはそこまでじゃないのでは?と思い、午後に行ってみました。

予感は当たり、エレベーターはすぐに乗れたし、原画展はそれなりに盛況で人は多かったけど、でも他の絵を見てる間に空いたスペースで次の絵を見る、という感じで、ゆっくりジックリ見られて良かったです。

いやーもう、やはり原画は印刷で見るのと違いますね!

「清水玲子先生!そんな細かい筆使いや線や色味のバランスや描き込み、印刷に出ませんよ⁉︎」

というくらい、妄執的に緻密!

キャラの絵が素敵なのはもちろん、花や宝石や建造物や柄の細かさには目を見張りました。









だってパール系の入った絵の具で細いラインを引いているのとか、スキャニングや印刷じゃうまく伝わらないのでは?

展示数は初期と作品別に分かれて、かなりの量でした。

敢えて言うなら、上下に設置されている絵の上の方のは位置が高過ぎて、身長160cmの私では上段の絵の下の方しか間近で見られなかったことです。

でも、上に完成絵、下に下書きを並べているのは興味深かったですね。





撮影可の作品数も多いけど、基本的には撮影不可。

なので、展示の無かった絵もあったので、帰りには作品集も買いました!

私はとにかく「輝夜姫」の由と晶とミラーが見たかったので、大満足です。




清水玲子「輝夜姫」ネタバレ感想~若い頃に読んだ漫画は、時間が経つと感想が変わるかも

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若い頃に清水玲子のマンガは一通り集めていました。「輝夜姫」は単行本をリアタイで集め、最終回は本誌立ち読みし、単行本でラストが加筆修正されたことに驚いたことを覚えています。この加筆修正部分は、いきなりミラーが高齢になっていて晶が由に連れ去られて泣き崩れる前後だけかな、と思っていましたが、他ブログでまとめられていました。由が碧に連れて行かれる描写なども足されていたんですね。確かにその加筆修正が無いと、...



清水玲子の漫勉回も観ていましたが、その中の紙を何度も反転させてデッサンの狂いを無くす部分が上映されていて、またデビュー前のクロッキーも展示されていましたが、いやーこういうアナログならではの拘り、今のデジタル絵師には「?」なのかも。
というのも、私の近くに女の子2人がいたのですが、大興奮しながら

「これデジタルでこんな風にする方法は分かるけど、白い紙にどうやって失敗しないで描けるの?

頭の中に全ての完成図が見えてるってこと?

背景と人物は、先に背景から描いてマスキングしてるのかな?」


とか話していたんですが、そもそも画材や使い方をよく分かっていなそうだったんです。

そりゃ、次々と画材が廃番になっていってるのも仕方ないのかな…

スプレーとか、スパッタリングとか、色鉛筆やカラーインクの使い分けや、それをボカしたり擦ったり滲ませたり…というのは、デジタルツールを使って似た表現は出来ると思うけど、その場の勢いで生まれる偶発的なものや、描き手のクセから生まれる線の強弱やラインって、私はやはりデジタルとアナログでは違う物だと思っています。

先日若い子に「デジタルでもアナログでも、印刷すれば同じですよね?」と言われてしまいましたが、いやーデジタルはあくまでも画材の一つな気がするけどなぁ。

その若い子達は、緻密な絵柄も「解像度高い!」と表現していて、「いやそれ、解像度の意味違う、けど言いたいことは分かる…」とモヤりました。

先日ホリエモンが「日本のマンガは進化が遅れてる」みたいなことを言ってるというネット記事をチラッと見かけましたが、そもそものベースで画力とストーリーの独自性をハイレベルで保ち続けている私の好きな漫画家さんは、清水玲子のような大御所の方ばかりですね。

ネット配信のものは、雑な絵のものが多いなぁとか、オリジナリティ無いストーリーが多いなぁと思うことが多いかな。

スマホで縦にスクロールして読めるマンガは新しいから良い、とも思いませんしね。

見開きとか、ページを捲ることで出来る表現の良さはあるし。

アニメでもCG使った写実的な背景を「作画すごい」みたいに言う人多いけど、キャラは平面的で背景は立体的なのは、私は違和感すごいなと思ってしまいます。

流行もあるし、好みは人それぞれだけど、こんな風に世界に一枚の美しい原画を描ける漫画家さんは、これからも生まれて欲しいなぁ。

色んな画材の表現を組み合わせて、こんな素敵な絵を描き続けられる清水玲子の40年って、すごいですよねぇ。

全然古く感じないし、若い子も驚嘆しているレベルの原画展だったので、多くの人にこの良さがずっと伝わっていくと良いなぁと改めて思いました。

「秘密」の新作も楽しみ!




12/10までなので、行ける方はぜひぜひ!
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