「花よりも花の如く」22巻ネタバレ感想~シスコン芳年さん、憲人と葉月を不穏に…
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花よりも花の如く 22
が、思っていたより発売が早かった?
知人から「まだ新刊出てないの?」と聞かれ、まだだろうと思いつつ調べたら、今月出ていたのを知りました。
慌てて購入して読みましたが…前巻から大きな進展はありません。
いや、憲人がコッソリと千代鷺さんと会っていることを芳年さんが葉月さんに伝えてしまい、しかも待ち合わせ場所まで教えたため、確認に来た葉月さんにバレてしまいはしました。
また、千代鷺さんの祖父は大じいじではなく、誰でも名前を言えば分かる財界の大物の長男のようです。
そして大じいじは子供の養父母探しを手伝ってあげていたみたい。
今回のテーマは「嘘をつかないか、信じられる人かどうか」と「別れ」。
憲人は芳年さんに真実を話しましたが、芳年さんから見て憲人が千代鷺さんを「特別」と思っているのは察せていて、その上で葉月さんに憲人達のことを告げ口して良かったのかどうかは珍しく悩んでいたようです。
だから、芳年さんは憲人の話を聞く間に、ワンカップのお酒を5杯も公園で呑んでいました。
憲人がもっと早く、ちゃんと話していたら…!
という気持ちと
芳年さん、シスコン過ぎ!
という気持ちになりますが、でもこれ、普通の男女の恋愛よりも簡単じゃないのかもしれませんね。
両家間は仕事上の長い付き合いがあり、今後もそれは続いていく。
最終的には(道成寺の後に連載終了予定と書かれているので、そのタイミングかと)2人は結婚するだろうなと思いますが(既に憲人は「この人と結婚出来る」と思ってますし)、2人の恋愛事情を家族以外の人たちが知っていて、更に親や祖父や曽祖父より前世代からの繋がりある家同士の結婚って、重みもあるんでしょうね。
この巻では、西門が本格的に青森に帰ってしまったことと、隆生先生が亡くなったことも、大きなポイントでした。
引きこもりだった涼太はスッカリ普通に出歩けるようになっていて、こちらも東京の家を引き払うことに。
そんな別れが立て続けに起こった後、保護猫を引き取ろうと母と妹の彩紀と出掛けるところで、22巻は終わりました。
隆生先生が亡くなる直前に、憲人に取らせようとしていた物は何だったのか?は今後分かるんでしょうね。
「花よりも花の如く」は、今までずっと1人でコツコツと読み続けていたのですが、周囲の人に貸したら立て続けにどハマりしています!
二度ほど能舞台も見に行ってみましたが、基礎知識をこのマンガで得ていたお陰で流れが分かりやすかったです。

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あれ?マンガのイメージと違うな?という部分もありましたが…
鼓の音ってものすごく大きく響くので耳が痛くなりそうだったり、憲人やガクちゃんみたいに若い人ってほとんどいなかったり。
私は能より狂言の方が分かりやすく笑えて好きです。
「良い能ほど、α波が出て眠くなる」という説を聞きましたが、確かにあの謡は眠気を誘う…
そして、高齢のシテの方の動きは美しい!
あの動きを身に付けるために、憲人達のような練習をずーっと続けてきてる方々なんだなぁと思うと、感慨深かったです。
伝統文化だから、何歳になってからでも、いつからでも、観たいと思ったら観に行ける、はず。
演目も多いし、流派も色々あるから、このマンガの中の人たちみたいに「この演者さんだとこの解釈」とか分かるようになり、好みが自分で把握出来るようになれたら、もっと楽しいんでしょうね。
私はまだまだ、このマンガに出ていない演目だと、解説の方の話を聞かないと歴史背景も分からないことばかりです。
憲人だけでなく、西門も彩紀もこういうのが分かるんだから、すごい!
そういう理解ある人と共に過ごすのが当然な環境の中で、憲人は葉月さんという美人と付き合えているなんて…連載当初のボンヤリした眼鏡くんだった時には想像出来なかったよ?
ドラマ出演以降、一気に憲人はイケメンキャラになりましたもんね。
「Natural」も踏まえると、やはり私は西門がイチオシですが。

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道成寺の時にはじいさま達とまた東京に来るだろうけど、憲人が西門に千代鷺さんのことを相談出来ていたら、また違ったのかもなぁと思ってしまいます。
憧れの女性ソックリの孫で、もしかしたら血縁関係かもしれない千代鷺さんのことを、今まで憲人が誰にも言わなかった気持ちも分からなくないけど…
葉月さんって、成田美名子の描くヒロインにしては、ずいぶんと面倒くさいタイプだなぁと思います。
気が強い時もあれば、怖くて震えたり、気遣いしたり、礼儀正しかったり、素敵なところも色々あるのだけど、ちょっと卑屈なところもあったり。
すぐ「大嫌い」って言って、それを今回は憲人が「好き」と受け取ったけど、そういう態度に対して今までのヒロインならすぐに素直な可愛いところを見せたり、誰かに相談してる描写がありそう。
この作品だと、葉月さんが1人で色々考えてる描写がほとんど無いんですよね。
そこがミステリアスに見せているのかもしれませんが。
芳年さんがめちゃくちゃ可愛がっている妹さん、というのは高ポイントなんですけどね。
何考えてるのか分からないような人なのに、妹の肌の露出に注意したり、ストーカー被害の時も心配していたり、お父さん共々甘やかしがち。
憲人のことも芳年さんは可愛がってきている分、他の女性を特別視している姿を見てしまい、芳年さんもショックだったのでしょう。
…でも…真相を憲人に確認する前に葉月さんに話すなんて、やっぱりちょっと大人げない?のでは?
憲人の家族って、そういうところ勝手に踏み込まない遠慮がある気がします。
仲は良いしフザケ合うけど、お互いの意志を尊重し合っている感じ。
憲人は弟妹と喧嘩もしないし、お母さんも妹もおっとりしていてワガママをぶつけるタイプじゃない。
葉月さんのところは両親の不仲とか色々理由があるのかもしれないけど、「女が舞台に上がるな」というのがトラウマ状態になっていたり、ピアノだけでは食べていけないから女優もして、とか、モヤモヤくすぶっているものがある感じがしていて、それを憲人が良い感じに中和する存在になれているのか、まだ私にはよく分かりません。
共通点は、コレは大事にしたいと思うものを貫く意志を、お互い持っているところ、かな?
隆生先生のお葬式の時に、葉月さんと憲人がきちんと話を出来なかったのは残念でした。
最後の瞬間に憲人が側にいたこと、道成寺の指導を受けていたことなどは、関係者筋を通して葉月さんも知っていたはず。
一緒に親しくしていたのだから、どれだけ憲人がショックを受けているかは想像出来たでしょう。
それでも…バレンタインデーに車の上に憲人が花束を置いたことにも、何も言えないまま…
ま、そういう親族にはいないタイプの葉月さんだからこそ、憲人は役者として気付かされる感情があるのかもしれませんが。
どんな人生経験も舞台の糧になる、役者さんですもんね。
憲人がライバル視している役者さんのエピソードも次巻あたりに出てくるかな?
先が気になる!というお話ではあるけれど、この22巻までの間に本当に色んなエピソードが詰まっていて、新たに知ることがたくさんありました。
短く収められる話じゃないから、実写化やアニメ化は難しいかもしれないけど…
でもどこかの部分を切り取って、でも、なにか別媒体で、成田美名子を知らない世代の人も触れる作品となっていかないかなぁと思っています。
芳年さんのことも、もっと知りたい!
千代鷺さんのことは、キチンと憲人が話せば葉月さんは分かってくれるはず。
その前に芳年さんからも説明が入るようですし、その後葉月さんなりに「嘘をつかれたこと、嫉妬心に駆られてしまった自分への羞恥心、などに対する諸々の怒り」を心の中で整理していくんでしょうね。
憲人はもう道成寺の稽古大詰めなのが分かっているから、自分のタイミングで連絡しづらい、と遠慮もしそうですし。
その気持ちがまたお互いにとってプラスになるというハッピーエンドになるのは分かっていますが、23巻も楽しみです!
成田美名子の描く世界は、色んなトラブルが起こってもやっぱりそれぞれ良い面も持っている、という、人に対して希望がある作品が本当に多いですね。
キレイゴトかもしれないけど、でもそういうのが今の時代にはマッチしている気もします。
うーん、また能が見に行きたくなりました!
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