「クイーン・シャーロット ~ブリジャートン家外伝~」ネタバレ感想~良いポリコレ?

2023年05月15日
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ブリジャートン家のシーズン1にハマっていたので、その後の2も観ているし、今回公開された『クイーン・シャーロット ~ブリジャートン家外伝~』も観てみました。


Netflixドラマ「 #Bridgerton (ブリジャートン家)」ネタバレ感想~黒人イケメン公爵Regé-Jean Page がセクシー!

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#Bridgerton  #ブリジャートン家  シーズン2ネタバレ感想~1よりつまらない、有色人種が多すぎる

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今回の外伝は、現在のクイーンと、キングとの結婚前後の過去を混ぜた構成。

実際にかつて英国王ジョージ3世(1738~1820年)の妻シャーロット王妃は白人と黒人のハーフだったという説があり、ブリジャートン家の物語はそれにフィクションを混ぜ合わせたストーリー。

なので、「ポリコレか」と短絡的に批判するのは違うかなと思いますが、そう捉えている視聴者もいるようですね。

しかも今回の外伝では、ゲイカップルも出てきます。

国王ジョージの従者(高身長で細身でハンサムな白人イケメン)と、女王シャーロットの従者(背の低いフツメン)が付き合っていて、でも徐々に国王の秘密のため2人の仲も険悪になったりしていました。

個人的にはBLもの全然アリなので、このカップリングに関してはイケメン同士じゃない、というところがポイントかなと思っています。

そもそも同性同士、というのに引っかかる人にはLGBTQ配慮?と思われるかもしれないけど、それならイケメン同士を出した気がするんですよね。

つまり「恋愛は同性愛ものでも美男美女がするもの」というステレオタイプから逸脱しようとしているのでは?


過去作での女王は、とにかく高圧的で意地悪な怖い存在。

人前では夫の国王の死を望むような物言いをしているけれど、実際には痴呆のような状態の夫に優しく接するシーンがありました。

が、外伝を観ると、元々国王には精神病の症状があり、それを隠して結婚したことが分かります。

いきなり兄が決めたためにイギリスの女王になることになったシャーロットは、結婚式直前までは逃げ出そうとしていたけれど、壁を登ろうとした時に声をかけてきた男性が国王だと分かり、良い人そうなので喜んでいました。

結婚式は順調だったのに、いきなり夜に「君へのプレゼントがある」と言われ、宮殿に着いたら「ここが君の家。じゃ、僕は自分の宮殿に帰るから」と別居を言い渡され、困惑して憤るシャーロット。

周囲からは「次の国王を産め」とプレッシャーをかけられまくり、でも夫はベッドを共にしないどころか別居状態。

また、この時点ではまだまだ黒人差別意識を持つ人がいて、教養があり身分の高い人達でも、黒人ということでサロンに入れてもらえない、爵位を子供に引き継がせる前列が無い、という価値観の中で、シャーロットはシーズン1でダフネと結婚したサイモンの母の友人ダンベリー夫人と親しくなります。

ダンベリー夫人は高齢の黒人の夫の妻なのですが、夫のことが内心は大嫌いで、行為の後は速攻でお風呂に入って侍女に愚痴を言う生活。

美しくて賢い彼女は、シャーロットから悩みを聞いたりしていてもそれを他人には話さず、また自身の悩みもシャーロットに頼めば解決出来ると分かっていても、頼み込むようなことはしません。

シャーロットはハネムーン期間に1人で過ごさなければならない生活に痺れを切らし、天文台にいるジョージの元に乗り込み、一度は愛を確かめ合ってやっとベッドを共にするのですが…

その後、国王の母に対して「ちゃんと国王として、責務のために寝た」というようなことを話しているのを立ち聞きしてしまって大ショック。

以降は「偶数日は子作りの日」というルールを決めます。

愛し合っているようで、いがみ合う国王と女王の関係の原因は、国王がコッソリと精神病を治すための新たな治療法を試しているせいでした。

それは、「国王という最高位の立場ではなく、水責めにされたり叩かれたりと痛めつけられる弱い立場を味合わされる」と言うもの。

この過去のストーリーと共に、2人の間の子供達15人がそれぞれ皆んなまともに後継者を産めていない、という話も出てきます。

なので、そうは言ってもこの夫婦はその後たくさん子供を作る、というのは分かった状態で全6話を観ることになるのですが、まぁとにかく女性達が凛々しくて強くて賢い!

敢えて言うなら、ブリジャートン家の母親バイオレットは世間知らずな感じかな。

実は彼女がまだ少女だった頃、彼女の父親は一時未亡人になったばかりのダンベリー夫人と不倫関係になっていた、ということが後半に分かります。

そうと知らず、亡き夫への愛を語ったり、でも高齢になった今も「新たな男性とやっぱり関係を持ってみたい」と疼く気持ちをダンベリー夫人に打ち明け、後押しされるバイオレット。

後にダンベリー夫人と実父の関係に気付きますが、彼女はそれをハッキリと問い掛けたりはしません。

ブリジャートン家の娘達も高潔なタイプだけど、女王やダンベリー夫人のように親が決めた結婚相手と一緒になったとはいえ、バイオレットは幸せな結婚生活を送って愛のある暮らしが出来、なおかつ子供をたくさん産めた幸せな女性、という認識。

そこは黒人女性と白人女性の対比、という構図として使われていたのかなと思います。

苦労しながら戦って己の幸せを模索している黒人女性と、のほほんと幸せを享受出来た白人女性、みたいな感じで。

若き日のシャーロットは、夫が精神病だということが分かり、酷い治療法を受けていると分かった後、乗り込んで夫を奪還。

とにかく根気強く、愛を持って夫に接し、妊娠中もダンベリー夫人に支えられながら無事次期国王を出産。

時々発作状態を起こすジョージも、治療の一環として「農民ジョージ」として過ごしていた時の知識で、逆子の子供を産むための方法を初めて王室に取り入れようとしたりしていました。

「こんな不完全な自分は、美しい女王のシャーロットに相応しく無い」

と思い悩むジョージを女王は支え続け、過去パートのラストでは第二子の妊娠が分かります。

現在パートのラストでは、心神喪失状態の国王ジョージの元に訪れた女王が、若き日の頃のように共にベッドの陰に隠れながら優しく話しかけ、

「私たちの子供が結婚して、孫が生まれることになった。2人の血は後継していくのよ」

と教えて喜ばせるのですが、この女王の性格というのは本当に、一言では語れませんね。

本人は「妻として、母として完璧にやり遂げてきた」と思っているけど、子供達は「女王という存在なだけで、母としてはダメな人」と思っているし。

でも「ポリコレとして、敢えて黒人を完璧な人間という役にする」というのも違うなぁと思うから、難しい。

男女平等とか、人種差別とか、精神病者とか、そういうのを語る時に、弱者とされている側をとにかく賛美するのは、やはり私も「ポリコレにも程がある」と思う派。

なので、このシリーズは「あくまでも人として、誰かを愛することの幸せと困難さ」をポリコレとされがちな設定を使いながら表現しているなぁ、と思います。
もう少し知りたかった部分があるとしたら、女王の側近は今も独身であり、「添い遂げる相手はいなかった」と女王に話していたこと。

彼氏と別れた原因が、ジョージの病気のために女王と離れて暮らすようになったせいか、恋愛関係として破局したのかは明言されていませんでした。

若い頃はラブラブで、でも2人はあくまでも自分の仕事をプライベートより優先していたため、国王と女王の関係性は2人にも影響を及ぼしていた…ということは、視聴者にしか分かりません。

でも何かこう、人の性格とか関係性って一筋縄にはいかないし、過去と未来が一貫していなかったりするものだ、とも思うから、このシリーズの登場人物達はある意味とてもファンタジーっぽく、かつリアルだなとも思えますね。

シャーロットは完全に善人で公平な優しい性格ではない、という軸がブレてしまうと、シーズン1と2で変わってしまい過ぎになるし。

それでも、国民のために、国のために結婚し、子供をたくさん産み続けただけでなく、夫を愛していたのは良かった。

そして、どれだけ子供をたくさん産んでも、孫がなかなか産まれずに焦ってキレる横暴さには、やはりイラッとします。

これもラストに子供達の代表として現れた娘から

「私たちが何度も流産していることを、お母様はご存知ない」

と言われ、それを知らなかったことに驚いていましたが…どこまでピンと来ていたかは分かりません。

結局、女王は「夫のジョージと自分の血脈を残す」ということを生き甲斐として生きていった人、なんですよね。

だから妻としては高潔で賢くて良い部分もあったけど、人として完璧では無い。

ダンベリー夫人はまだマシ?

でも彼女も育児は乳母に丸投げで、サイモンに対するほどの愛情を実子に向けてはいませんでした。

国王の母親も嫌な人だったけど、ダンベリー夫人との和解シーンは良かったなぁ。

泣いているダンベリー夫人に

「あなたのことを嫌い」

とハッキリ言いながらも、言い合いが出来る好敵手と認めているからこそ、そんな風に涙を見せないで、と言っていたし。

こういう勧善懲悪ではない女同士のやり取りは、私は結構好きです。

基本的にブリジャートン家シリーズの女性達は皆んな、自立心が強いんですよね。

これをポリコレか?と言うと、日本だって紫式部と和泉式部とか、御所内でバチバチな関係がありながら働く女性達は昔からいました。

最近気になるポリコレは、女性が強く、男は弱音を吐いても良い、が行きすぎているケース。

もちろんそういう関係性があっても良いけど、偏りすぎもそれはそれで平等では無いし。

だからこそ、この外伝では「2人で補い合えば良い」という結論に達したジョージとシャーロットは素敵だなと思いました。

それでも、結局最後までジョージの病が治ることは無かったし、女王は子供がたくさんいても孤独感を抱えたまま過ごすことになるのですが…

「王子様とお姫様は結婚しました。めでたし、めでたし」

で済ませない、というのが、今回のテーマなのでしょう。


その点、シーズン1と2は「最初はケンカしていた男女が結ばれました」で終わってましたからね。

シーズン1の場合は、「結婚しても子供は作りたくない」というサイモンとダフネが大揉めしたけど、その後何人か子供出来て幸せそうにしていたし。

ストーリーだけでなく、華やかなドレスやダンスや音楽を堪能出来るのも、このシリーズの良いところ。

シーズン2は「インド人のイメージがステレオタイプ過ぎる」と批判が出たそうですが、あくまでもファンタジーだし、なかなか難しいところだなと思います。

でも、差別問題を完全に無視するわけではなく、どちらか一方に肩入れし過ぎず、の範囲で、美男美女の黒人の方々が高貴な役をするのは、目の保養だなぁと私は思っています。

女王役の人が特別美人じゃない分、若き日のシャーロットも可愛いけど鼻が丸い愛嬌のある顔立ちで、でもダンスシーンとか立ち居振る舞いは堂々としていながらも優雅でキレイでした!

個人的にはやはりシーズン1が今のところ1番好きですが、これはこれで観て良かったかなと思います。
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