劇場版 輪るピングドラム後編ネタバレ感想~エヴァっぽいラスト

2022年07月27日
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劇場版輪るピングドラムの後編を観て、入場者特典ももらってきました。



感想「エヴァンゲリオンの『おめでとう』が『愛してる』に置き換わった。以上。」

と言ってしまいそうになりますが、いや、それだけでは、ない!

前編のネタバレ感想はこちらに書いています。

#劇場版輪るピングドラム [前編]ネタバレ感想~ほぼ総集編、初見には不向き、でも後編絶対観たくなる!

今日は楽しみにしていた「RE:cycle of the PENGUINDRUM[前編]君の列車は生存戦略」を観に行って来ました。来ていたのは大きいお友達って感じの男女と、ウッカリ下調べせずに迷い込んでしまった感じの若いカップル。このカップルは案の定終わった時「なんかよく分からない」「ねー」と言ってましたが、そりゃそうだ!私はアニメ版は放送後かなり経ってから、友人達が共通言語のように内容を話していて、エスメラルダをアイコンに...



後編にあたる部分のテレビ版を観たのはだいぶ前で、その時点でも「ん?設定よく分からないぞ?」という部分があったのですが、そこは劇場版でも謎なままでした。(冠葉と晶馬が出会った時、何故2人共檻の中に入れられていたのか、分かりません…晶馬の両親は実子に愛情を注いでいたので、あんな檻の中に入れられていたら躍起になって探しそうなのに?)

でも、映画開始の時点で、ちょっともう泣きそうになっちゃいましたね。

ちなみに映画オリキャラの赤ちゃんペンギンは、渡瀬眞悧が乗り移った存在でした。(ラストに桃果から霊魂?だけ弾き飛ばされますが)

なので、子供の冠葉と晶馬を図書館に誘導し、運命の乗り換え前の世界を見せていたのは眞悧だった、ということ。

眞悧、イケメンだから好き…だけど、思ったより登場シーンは少なかったかな。

その代わり冠葉、めちゃくちゃカッコ良かったです!

オリジナルとして足されている部分がどこからどこまで…というのは文章にしづらいのですが、基本的には「誰か1人でも愛してくれる人がいるって良いよね」という軸が分かりやすくなるようにされている、かな?

運命の乗り換え後の世界では、子供になった冠葉と晶馬が

「どこに行く?」
「どこに行きたい?」

と言い合い、陽毬が迷子になって泣いていた海に行ったり、水族館に行ったり、と楽しそうに走り回っていました。

そもそも輪るピングドラムは、世界観が独特で分かりづらいお話。

何が正義で何が悪か、という線引がハッキリしていないというか、そもそも「こどもブロイラー」がある世界が「普通」という時点で普通じゃない!

毒親オンパレードで、親から「いらない子」とされた子どもたちが「透明な存在」にされる世界って平和ではないし。

眞悧は「ある朝突然、この世界が嫌いって気付いた。だから無くす」と思ってテロを起こそうとしていましたが、晶馬の両親の意図は分かりません。

桃果に関しては、劇場版だとギュッと要約されている分存在感がクリアになっていたかと思います。

多蕗とゆりを幼少期に救った少女であり、そして運命の乗り換えを出来るけれど、その代償として炎をその身に受ける存在。

何故彼女がここまで聖女的に優しい子なのかは分かりませんが…

テレビ版と映画版では「きっと何者にもなれない」から「きっと何者かになれる」にメッセージが変わっていて、前後編を通して観ると「親から愛されなくても、手を差し伸べてくれる人と出会えれば幸せ」というのがよりハッキリしている、のかなぁ。

ただ、それはメインキャラクター達のみのお話であって、そういう相手に出会えなかった子たちはこどもブロイラーで透明な存在にされ続けているのか何なのか…?

桃果は今も悪あがきをする眞悧をやっつけている、というような終わり方でしたが、テロが起きなかった世界が良かったのかどうかが分かりません。

いや、普通なら起きない方が良いのだけど、そうなるとこどもブロイラーが謎過ぎて…

まぁ個人間で特別な存在を見つけ、「運命の果実を一緒に食べよう」と言って分け合えることが理想の世界、ということです、ね?

多蕗とゆりは、二人共ずっと桃果のことだけを一番大切に想っていたけれど、彼女のいない世界を受け入れてお互いを必要とし合う、というのも、そういうことなのでしょう。
冠葉と晶馬と陽毬の三人の関係性は、未だに私の中では分かるような、分からないような…な状態です。

冠葉が晶馬に運命の果実を分け与え、晶馬が陽毬に愛情を与えて家族とした。

冠葉は陽毬を、晶馬は苹果を一人の女性として愛している。

でも冠葉と晶馬はそれ以上に「お兄ちゃん」として陽毬を守ることを優先した。

だから運命の乗り換えをした後は、冠葉と晶馬は2人だけ別の世界線で子供になっている。


が…それはそうなんだけど、冠葉なりに実の双子の妹の真砂子も大切に想っている部分があるのにね。

血の繋がりよりも、運命の相手の方が大事ということなのでしょうが。

なんて理屈を考える作品ではない!

考えるな、感じろ!

というアニメなので、ハマる人はハマるし、合わない人には全然合わない作品なわけですが…興行収入どうなんでしょうか?

実は行った映画館ではかなり狭いシアターが割り当てられていました。

平日の夕方で観客は20人未満だったので、それでも十分な状況だったとは思います。

SNS上で告知はしているけど、宣伝をバンバン打ってるわけではないから公開していることに気付いていない人もいそう〜。

輪るピングドラム Amazonプライム・ビデオ

で今はテレビ版が観られますが、配信系も期間限定なことが多いし、未視聴の人にはオススメしづらい作品なのよねぇ。

私も絵が好みじゃなかったらこんなにハマってなかったかな、という気はします。

あの絵と、グラフィックの遊びがカッコよくて、そして微妙にインモラルなテイストがクセになる作品、ですし。

よくわからない。

でも、お兄ちゃん2人が本気で妹のことを大事にしていて、そのために自身を犠牲にしても運命を変えようと必死になるお話なので、兄弟ものに弱い私はやっぱりこの作品が好きです!

謎がいっぱいあって、それを読み解くためにはインタビューとか色々読んだら分かることがあるかもしれないけど、そこはもう分からないままにしておいても良いかなぁ。

そういうあたりもエヴァンゲリオンっぽさがありますね。

あれもまた、親から愛情を受けられなかった子供たちがメインのお話だし。

ちょっとタイミング的に、安倍元総理の事件があったばかりということもあり、「毒親が変な団体に入って子供が困る話」という受け取り方をする人もいたようです。

うーん、確かにそうとも言えるのだけど…

ただこの兄妹達は協力し合っているし、完全に不幸ではないところが救いかな。

以前はそこまで冠葉の魅力が響いていなかったのですが、今改めて観るとカッコイイ!となりました。

出来ることなら、もう少しこう…恋愛的な部分を観たかったなぁとも思います。

陽毬はあくまでも妹という立ち位置でしか兄達を見ていないのか、真砂子→冠葉→陽毬→晶馬→苹果という線になっているのか、もうちょっと知りたい…

が、これ以上はもう続きが出ることは無いのでしょうね。

今更ながら劇場版が出来ると思っていなかったので嬉しかったです!

テレビ版も劇場版も、また見直そうと思います!
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