アニメ「ツルネ」は、くらもちふさこ「花に染む」のオマージュ多過ぎ⁉︎
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ツルネ -風舞高校弓道部- 第一巻 [Blu-ray]
共通点は弓道のみ。
「花に染む」は放火事件で家族を失った神社の息子の圓城陽大(えんじょうはると)と、共に心に傷を負いながら彼を守ろうとする親友の曽我部花乃(そがべかの)の友情か恋か微妙な関係と、かつて陽大に恋して彼の兄を傷付けた従姉の雛、押しかけ彼女の水野、という恋愛も絡む、くらもちふさこの少女マンガ。
花に染む 1 (クイーンズコミックスDIGITAL) Kindle版
圓城陽大(くらもちふさこ「駅から5分」「花に染む」)再考察ネタバレ感想
私の中に定期的に「くらもちふさこ熱」がやってきます。彼女の漫画はほぼほぼ全て読んでいて(但し「ポケットにショパン」頃より古いのは読んでません)、単行本や文庫版で集めていましたが、引っ越しのタイミング等で捨ててしまい、その後改めて電子書籍で買い直していました。でも「駅から5分」と「花に染む」は読み終えてからあまり時間が経っていない感覚だったので、まだ電子書籍を買っていなかったんです。駅から5分 1【電子...
「ツルネ ―風舞高校弓道部―」は高校弓道部の京都アニメーションらしい青春アニメ。
と思っていましたが、観始めたらあまりに共通点が多くてビックリしました!
ちなみに「花に染む」が手塚治虫文化賞大賞受賞年2018年に「ツルネ」が放送されている上に、原作の小説も「花に染む」が完結した2016年に刊行されているため、先に世に出ているのは「花に染む」になります。
まず「花に染む」の陽大と花乃の地元は「倭舞(やまとまい)」。
「ツルネ」の高校の名前は「風舞(かぜまい)」。
主人公が早気に悩むところも、弽をお守り代わりに常に持ち歩いているのも同じ。
そして、ツルネの主人公の鳴宮 湊(なるみや みなと)が出会って憧れた上にコーチになる滝川 雅貴(たきがわ まさき)の外見が陽大にソックリ!
🍃TVアニメ『#ツルネ ―風舞高校弓道部―』
— 『ツルネ』公式🍃劇場版 8/19公開! (@tsurune_anime) June 30, 2022
🗒️第十三話 弓道きょうしつ!
湊たちが弓道についての「なぜ❓」にお答え☝️
今週は #滝川雅貴(#浅沼晋太郎)!
特別放送中にお届けしてまいりました #ツルネ 弓道教室、お楽しみいただけましたか?次は劇場でお会いしましょう📽️#劇場版ツルネは8月19日公開 pic.twitter.com/0WvlOOUaZT
マサさんはその後髪を切りますが、冒頭は陽大と同じく肩くらいの長髪を結んでました。
「#駅から5分」「#花に染む」圓城陽大は少年時代に不幸な事件に巻き込まれ、心神喪失状態に。育った町も過去もを捨てて生きることを選びます。
— 弥生美術館・竹久夢二美術館 (@yayoi_yumeji) May 27, 2022
弓道と向き合う姿からは底知れぬ精神力を感じさせ、振る舞いや言葉遣いも洗練されている、まさに“王子”#くらもちふさこ展 #kura50#くらもち男子 pic.twitter.com/6bJ4eku0VM
その上、マサさんも神社の神職!
アドバイスが「正解を待つ」なのも同じ。
もちろん、神社の人が弓道をやる、というのは「花よりも花の如く」と同じであり、神職だからこそ神=髪で神事前には切らないというのもそちらで知ってはいましたが、にしても被り設定が冒頭でこれだけあるということは、参考にしたとかオマージュな部分があるのかなと思いました。
が、Twitterを見てもそこを指摘している人がいない?
両方楽しんでいる人のツイートは数個ありましたが…
多分、根本的に読者層と視聴者層が違ってますね?
こういうアニメを観る人は少年マンガが好きそうな、イケメンキャラと青春を楽しみ、純愛少女マンガは興味無し、な印象があります。
一方、くらもちふさこの読者層は中高年以上で、京アニ系アニメはあまり興味無いイメージ。
まぁ単にSNSに書き込んでいない人が多いのかもしれませんが、両方楽しめる作品なのでは?という気がしますね。
陽大に関しては、マサさんだけでなく藤原 愁(ふじわら しゅう)も近いキャラな気がします。
陰で「貴公子」と思われたり呼ばれているのも同じだし。
すごいイケメンで冷静で集中力が並はずれていて、大人っぽいところとか。
湊が愁と一緒に弓を引きたがった過去とかも、まんま花乃と陽大!
ただ、陽大はもっと積極的で、他の人が触れば激怒する弓を初対面で花乃に触らせようとしたり、部の備品の弓を壊した花乃に自分のをニコニコしながら貸したり、「花乃は僕の親友」と一歳下なのに懐いて守って甘えて揶揄って、と恋愛と友情と微妙なエピソードいっぱいだったし、花乃は滅多に笑わない感情出さない子だったけど。
あと花乃が水野に「弓を打つ、じゃなく引くが正解だから」と言ったのと同じことを、湊は過去に愁から言われていました。
ちょいちょい設定が被ってる、というか、まぁ物語的に似る部分はそりゃあるにしても、「ツルネ」のベースに「花に染む」はあるんじゃないかなぁ。
それをパクリとは思いません。
たまたまかもしれないし、それにオマージュとして「花に染む」の良い部分を拾うのは普通にあることだと思うし。
私としては先に「花に染む」を読んでいるので、
「あー!早気はそんな簡単に治らないし、精神的なものが原因なのに、そんなすぐ『治ったか?』とか『治ってないのに来るな!』とか言うなよ!
陽大なら、花乃が進路変更を隠していたことを察してから『花乃の射を見たい』と言って体育館に連れて行き、早気で弓を落とした花乃にすぐに『ありがとう』とだけ言ったのに…!
それに花乃が弓を続けるのも止めるのも何も言わずにそのまま受け入れ、それが悔しくてやはり黙って花乃が進路変更し、仮想世界の始まりとして突然神社に志望校合格を告げに行ったら
『弓、続けてくれて嬉しいよ』
と言って喜ばせ、でも早気に関しては一切アドバイスも何もせずに見守ったのに。
ま…そのせいで美味しいところを雛に持っていかれたけどな⁉︎」
とモヤりましたが、これはもうテーマが違うから仕方ないですね。
マサさんは早気に悩んでいたけど、陽大はそんなことなく、早気に悩んだのはむしろ彼に振り回された雛と花乃だったし。
とは言え、大前・中・落、とか立ち順のこととか、最低限のルールは事前に知っている分「ツルネ」も楽しめますね!
根本的には「花に染む」はあまり細かく弓道ルールを描いていませんが、でも基本が押さえられていた分「ツルネ」には出てこない基礎の基礎が分かります。
どのくらい足を開くとか、射法八節とか、息合でお互いのことを黙っていても把握出来る、姿勢の美しさが強さを表すとかは「花に染む」で出ていたし。
「花に染む」でもそれはあったけど、和気藹々というよりは、あくまでも花乃と陽大の関係性がメインであり、他の部員は兄以外はただの仲間だったし。
あと先生の指導も、あくまでも「策を練る人」であって、細かい指導をされるのは中学時代のとこくらいだったから、「ツルネ」のようなお互い切磋琢磨はありませんでした。
陽大はもう最初から完璧だったし、花乃の他の部員仲間は技術というより心理面の話をすることが多かったし。
ただ、「花に染む」では「主要キャラが弓道やってるだけあってメンタルが安定していて、事件が起こってもジッと黙って我慢してしまう。特に主人公の花乃が動かなくて苦労した」とくらもちふさこは話してましたが、「ツルネ」は騒がしいキャラが多いですね。
敢えて言うなら「お菊先輩」が「誉め殺し」でかえって相手の精神を乱す、という意地悪が「花に染む」にはあったけど、「ツルネ」は喧嘩腰なキャラがチラホラいますが。
私は、己と花乃のことばっかり考えてる、ということが何度も繰り返し単行本読み返すまではミステリアス過ぎて謎だった陽大だったけど、「ツルネ」では成長してたらこうなったかも?とかライバルがいたらこうだったかも?という目線でも観ている気持ちになれて、妄想が捗ります!
【本日は休館日です】寒さがしみるこんな日は試し読みがおすすめ。そして……ハグは正義です(花)#花に染む #くらもちふさこ展 #Kura50
— くらもちふさこ50th情報局 (@kuramochi_ten) February 7, 2022
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「花に染む」もアニメ化して欲しいけど、「解釈は読者におまかせ」、「絵で表現しました」が多いため、「ツルネ」みたいに分かりやすい会話が無いので難しいだろうなぁ…
監督の解釈が作者や読者とブレる可能性高いですしね。
あくまでもあちらは「純愛和弓ストーリー」であって、弓と部活がメインの「ツルネ」とは違うし。
それでも「陽大の流鏑馬を見た時の衝撃と憧れ」と「弦音への衝撃と憧れ」という共通点があるので、どちらも味わうと感情移入しやすくなるなと思いました。
いいですよねー、自分のメンタルと闘いながら、お互いを言葉だけでなく音や息で把握出来る関係性。
夏にはツルネの劇場版もあるようなので、そちらもタイミング合えば観に行ってみようかと思います。
『#劇場版ツルネ -はじまりの一射-』
— 『ツルネ』公式🍃劇場版 8/19公開! (@tsurune_anime) June 24, 2022
本予告解禁‼️
主題歌は、#ラックライフ が歌う『Hand』に決定 !
『門脇未来描き下ろし「みんなで応援!」お守り風ステッカー』7月1日発売!
▼YouTubehttps://t.co/ECDjyrD8cF
▼公式サイトhttps://t.co/jcuejYk3e3#ツルネ #劇場版ツルネは8月19日公開 🍃 pic.twitter.com/yqaCox0PPU
どうしても、多分検索したら「ツルネ」だとBL的な二次創作がいっぱい出てきそうな気がします…
キャラグッズも色々出ているし。
男同士の友情間でも張り合いみたいなこと起こってるものね~。
でも「花に染む」は少女マンガなだけあって、二次創作が全然見つからないんですよ。
そもそも陽大と花乃はライバルではないし、一緒に弓を引けるだけで鳥肌が立つくらい感動する同志。
違う高校で闘う青春ものの方がカップリング的な楽しみ方が出てくるのも分かります…!
が、どちらも同時にSNSに書いてる人がいないので、良かったらこのタイミングで「花に染む」を読んでみて理解を双方で深め合うのも良いかなっと思いました!
ちなみに「半分、青い」でも「花に染むのオマージュだね」というのはいっぱいあったんですけどね。
くらもちふさこ作品と朝ドラ #半分、青い。 の引用部分と良さを再認識
リアタイでそれなりに楽しんで観ていた割に、SNSの評判がめちゃくちゃ悪かった朝ドラ「半分、青い。」が、Netflixで観られると分かって一気観しました。「半分、青い。」Netflix初配信を記念して、撮影最終日の写真を。なんか、みんなちょっと若い? pic.twitter.com/A7CqWqooNZ— 北川悦吏子 (@halu1224) October 12, 2021 このドラマで中村倫也の存在を知ったので、以前彼の出演シーンだけNHKオンデマンドで観返したりもし...
の割にTwitterではあまり「花に染む」の話をしている方が少なくて寂しいです…
ちなみに「ツルネ」観終わりましたが、さすがに13話のこの日数経過でこの成長はさすがに「花に染む」に比べて出来過ぎかなー、と思いました。
落だけが全体を見ている、というのも、また関係性が違いましたね。
だけに、大前の花乃を中の陽大がジッと見つめ、その呼吸に平常心を守られていた2人の関係性が一気にすごいことに思えたので、両方堪能して良かったです!
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