東村アキコのマンガを読む気が無くなった、嫌いになった理由は「黒歴史」
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とは思うのですが、モヤモヤしているので描きます。
先日アメリカ人の友人が「ひまわりっ」の1ページ朗読をして、日本語勉強をしていました。
大好きなマンガだったので、懐かしかったです。
当時は東村アキコのマンガは新作も過去作も全部買って読んでいたし、「東京タラレバ娘」もハマって新刊が出たらブログに書いていました。
その「東京タラレバ娘」の後半、ドラマ化しだした辺りでしょうか…
彼女のマンガを読んでも、全然面白く感じなくなったのは。
もちろん今描かれてるマンガも需要があり、楽しんでいる方がいるのは分かります。
新刊が出たら平積みになっていますし。
ただ私は、読むのを止めた辺りからは説教臭さにイライラしたり、脈絡の無いギャグシーンに疲れるようになり、途中から「雪花の虎」や女性向け漫画も買うのを止めました。

雪花の虎(1)【電子書籍】[ 東村アキコ ]
ちょうどその頃「東村アキコは2回目の離婚で揉めてるらしいよ」という噂を聞いて
「あー、前のハイテンションなギャグは1回目の旦那さんの影響もあったみたいだし、私生活が作風に影響する人なのかなぁ」
と思いました。
「きせかえユカちゃん」以外の短編少女マンガも好きだったなぁ。

きせかえユカちゃん 1【電子書籍】[ 東村アキコ ]
「かくかくしかじか」も泣きながら読みました。

かくかくしかじか 1【電子書籍】[ 東村アキコ ]
未婚の私にも「ママはテンパリスト」は面白かった!

ママはテンパリスト 1【電子書籍】[ 東村アキコ ]
独特の視点と、ザッと描いたようで的確な絵が魅力的だった。
作風が変わること自体は、漫画家さんが変わっていくのは生きてる人間なんだから当然のこと、だと思います。
が、「きせかえユカちゃん」の打ち切りが話題になったけど、「主に泣いてます」とか「東京タラレバ娘」や「海月姫」のラストは、あまりにご都合主義で驚き、「あまりストーリーモノに向いてない方なのかな?」と思いました。
まぁそれはそれで、ガーッと盛り上げて連載を途中で投げ出し続ける高河ゆんを見ていたので、ラストまで描き上げているだけマシ…とも思える…かな?
いやでも、終わればそれで良いってモノでもない。
未完でも前半が良ければ、何度も読み返したくなりますし。
「美食探偵」は前半まで面白かった。
やはり決定打になったのは「ハイパーミディ中島ハルコ」と「東京タラレバ娘」の続編でした。
東村アキコ×林真理子「ハイパーミディ中島ハルコ」ネタバレ感想~バブルは古臭い
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今度東村アキコ原作漫画「偽装不倫」が杏ちゃん主演でドラマ化される、というニュースを見たので、原作漫画を楽天koboで買えないかな?と思って検索してみたら…あの「東京タラレバ娘」の後日談が発売になっていたのを知りました。ちなみに「偽装不倫」はすでに3巻まで出ているけど、電子書籍版は販売されていませんでした。元々WEBコミックスで、LINEマンガでは読めるってことになってるみたいですね。ので今回は「東京タラレバ娘...
それまで胸に刺さっていた言葉が、上から目線の説教にしか見えなくなった。
そういう一般論はもうネットに溢れかえっていて、マンガを読む時には現実とは違う楽しさを味わいたいのに…
この辺りで東村アキコを読むのを止めた、というのは同僚とも意見が一致したことがあるため、こう感じたのは私だけでは無いかもしれません。
彼女に対してだけ、私は今まで感じたことの無い気持ちが湧き上がりました。
それまでは、途中で買うのを止めた漫画家さんの作品でも、過去の好きだったマンガは繰り返し読んでいたんです。
たまにSNSで「展開にムカついて、大好きだった既刊を全部捨てた」という言葉を見かけても意味不明と思っていたのに、その気持ちを知りました。
少しずつ、それまで持っていたマンガを捨て、それでもこれは…と思って取っておいたマンガもほとんど残っていません。
その理由を考えてみたのですが、私の他の好きな漫画家さんの作品と東村アキコの違いは
「キャラや絵に萌える」
という感覚の有無かと思います。
東村アキコも絵が上手いと思いますが、オタクが萌えるタイプでは無いのかも?
比較するのはなんですが、くらもちふさこの「花に染む」を読み続けていると、とにかく陽大のイケメンぷりにドキドキします!

花に染む 1【電子書籍】[ くらもちふさこ ]
雁須磨子の絵も萌えは感じないけど、「うわー、この名前のない感情を描いてる!」感がある。

あした死ぬには、 1【電子書籍】[ 雁須磨子 ]
おかざき真里のマンガも説教臭かったり、各キャラが悩みもがきながらも努力家で能力があり、たまに読むのが辛い時はありますが…
でも人の心の弱さに寄り添う言葉、展開、イケメンキャラが魅力的。

かしましめし(1)【電子書籍】[ おかざき真里 ]
結局私は、イケメンキャラが魅力的なマンガが好きなんですねー俗物なので。
それは目がキラキラしてるとか、スタイルが良いとかだけじゃない。
「よつばと!」のとーちゃんはイケメンキャラというわけではないけど、価値観や言葉にトキメキますし。

よつばと!(15) (電撃コミックス) [ あずま きよひこ ]
東村アキコの魅力はギャグセンスだった。
あ、「東京タラレバ娘」も最初は等身大の女性達の焦りがリアルで良かった。
今はもう自分がその対象年齢では無くなり、リアルに感じられなくなってしまったんですね。
「萌え」というタイプでないと、等身大のリアルさで刺さる言葉や展開に何も感じなくなるどころか、イライラするのかも?
だからと言って、過去の何度も爆笑したギャグシーンまで楽しめなくなるなんて、残念なことです。
ハマっていた当時に好きだった部分が響かなくなってしまった。
逆に、「花に染む」の凄さはリアタイ時に全然分からなかったのに、今は繰り返し何度も読んでは「すごい!」と新たな発見がある。
くらもち作品でも、好きなのと、そうでもないのはあります。
ただ根本的にある軸の少女マンガの魅力が良い。
いくえみ綾も、それに近い感覚で読んでいます。
読者の私は、何歳になってもキュンとする心は残るんだけど、リアルな説教は響かなくなる。
特にリアルで苦しんでいた時の心を描いたものは、黒歴史みたいに感じてしまいます。
そして、そういうストーリー以外の作品に対しては、特に萌える部分が私には無い。
私の雑学は全てマンガ由来ですが、そういう面で残る部分が私が読むのを止めた頃の東村アキコ作品にはありませんでした。
別にそれはそれで、アリなはずなんですけどね。
単純に「面白くない」と思ったのではなく、「裏切られた」という気持ちになったのは、やはり「説教臭さ」です。
そこにイライラして、過去作も読み返したく無くなりました。
それは「過去の痛いところを突かれたく無い」という逃げもあるのでしょう。
私が人生に充足していたら、こんなにイライラせず、ただ「コレは面白かったけど、最近つまんないから買うの止めよう」だけで済んだ話です。
そんな風に、昔は好きだったけど新作は買っていない、という漫画家さんは何人かいます。
日渡早紀のぼく地球も、次世代編は途中で買うの止めちゃったし。
ただぼく地球はストーリーモノだから、あれはあれでまた青春として読み返したくなります。
東村アキコと同じ感覚で読み返さなくなったのは、伊藤理佐です。
やはりリアルな言葉とギャグが大好きだっけど、親バカ全開エッセイになってから読み返したくなくなりました。
その辺の塩梅は、「ママはテンパリスト」はよく計算されていましたね。
オリジナルの創作物としてマンガを描く人と、リアルさを笑いで描く人の違いは、こんな風に読者の環境にも左右されるのかなぁ。
東村アキコに対して「もっとこうすれば良かったのに」とかいう不満は、無くはないけど、それはもうブログに書くのは違うかなーと思います。
ご本人なりに色々考えて、売れて、私の好みと合わない作風に変化された、というだけのこと。
それが世間の流行りなら、私が時代に合っていないということ。
そんな風に思うのも、目を背けたくなった理由かもしれません。
色々不満が溜まって、過去作も読み返したくなくなることってあるんですね。
そこまで一作家さんに思うことは無かったので、とても私の中では珍しいケースでした。
いつかまた時間が経てば、読み返したくなるかもなぁ、と思います。
マンガってそんな風に、今は電子書籍で何十年前のものでも気軽に読める時代だし。
色々マンガを読んできたけど、こんな風に大好きで集めていたマンガの背表紙を見て、イライラして処分するようになったのは本当に初めての体験でした。
それだけ、彼女のマンガを繰り返し何度も何度も、何年もずっと読んでいたんです。
大好きだったから、もう嫌いになってしまう、なんてことあるんですね。
それでもまた、私の気持ちがまた変わった時に、一周も二周もまわって読み返したくなると良いなぁ。
すごく頑張ってて、美人で、魅力がいっぱい過ぎて、同世代として活躍を見るのが辛くなってしまったのかもしれません。
そういう意味では本当にこれは、単なる僻みのブログです。
ご本人の目に触れることは無いと思いますが、出版系の方がもし目にしたときに、私のような読者を切り捨てる判断をするのか、作者さんの意向と売上のバランスでどんな風に采配していくのかなぁ…と、ドラマ「半分、青い。」を再視聴していて思いました。
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