くらもちふさこマンガ「asエリス」ネタバレ感想考察
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ものすごく今更なのですが、単行本を持っていた時には「イマイチよくわからん」と思っていた「asエリス」(アズ エリス)を読み返して、やっと理解出来たかなと思ったのでネタバレ感想と考察を書きます。


asエリス
そもそも単行本発売してすぐ買って、引っ越しの時に捨ててしまったので電子書籍で買い直しているのですが、「as」の意味を当時よくわかっていませんでした…
中高の授業で習う英語の中で、そんなにasって頻出していなかったというか、見かけた記憶が無いんです。
as=~として、だから「エリスとして」という意味ですね。
She plays the game as Ellis. 彼女はエリスとしてゲームをプレイしている。
TOEICに向けて英語の勉強を再開し、以降はasは頻繁に見かけるのですが、それ以前は英語の部分はすっとぱして受け取りがちだったと改めて気付きました…(多分学生時代も、asは出てきても重要じゃないと思ってスルーしていたんでしょう…)
さて今回読み直したのは「花に染む」の考察を延々と数週間し続けて、この作品が「花に染む」の3巻から4巻の間で掲載誌が変わることになり、その間に描かれた作品だと知ったからです。
当時はもう単行本派だったので、どこでいつ掲載されたか考えずに新刊が出ていたら買っていたんですよね。(昔は同居していた母がコーラスとか色んな漫画雑誌を買っていたので、そっちで読んでました)
今作品一覧を見直すと、当時雑誌で読んだり単行本で持っていた話がまだ電子化されていなかったりして悔やまれます…
以下の登場人物プロフィールは、私の独断と偏見による考察が混ざっています。
ので他のまとめサイト的なものには書かれていない部分が含まれているのでご容赦ください。
主人公:蒔田 すずこ(まきた すずこ)
ハピランドのハンドル名は「エリス」。(憧れの女生徒の名前「えり」+自分の名前すずこの「す」の組み合わせ)
中学までは黒髪おかっぱで、自分に自信が無く地味だと思っていたが、素敵な制服を着た女生徒(えり)を見かけて彼女に憧れで同じ秀星高等学校に入学する。

高校デビューをしようと入学式の日に周囲の人たちに笑顔で挨拶しまくるもうまくいかず、唯一反応してくれたネトオタ久保藤吉(くぼ とうきち)と仲良くなり、付き合っていると認識している。
藤吉からリンさんと呼ばれていて、その真似をした仁多からはリンちゃんと呼ばれている。
藤吉のプロデュースでイメチェンをしていたが、なんとなく気になっていたいつも笑顔のクラスメイト諏訪部 仁多(すわべ じんた)がイメチェン前の自分を可愛いと思っていたこと、頑張っても上手くいかなかったと思っていた自分の笑顔の挨拶を仁多が真似していたことを知り、元の地味な姿に戻す。
自分は藤吉と付き合っているし、仁多はえりと付き合っていると思っているが、仁多とえりのキスを見かけて衝撃を受けてしまう。
憧れのえりとも仲良くなってみたかったが、仁多の彼女と話すことに抵抗を感じている。
「タジンナベ」が仁多だろうとは思うが、本人だか自信が持てず、最初はすぐハピかのになったが解消する。
久保藤吉(くぼ とうきち)

ハピランドのハンドル名は「クボートーキチ」。
スマホ依存症で、常にバーチャル世界のハピコンに入り浸っている。
典型的な草食系で高慢なオタクタイプだが、女性に対して苦手意識は一切なく、すずこに手を握られても普通に受け入れる。
すずこは付き合っているつもりだったが、藤吉はまだ友達だと思っていて、仁多がすずこを好きだと知って告白を決意。
諏訪部 仁多(すわべ じんた)
ハピランドのハンドル名は「タジンナベ」。

入学式の時にすずこに一目惚れしたけれど、受付案内をしていた3年生のえりと話している間にすずこは藤吉と仲良くなってしまったため、すずこと付き合えるまではえりが契約彼女となる。
えりとハピランドをやっていたが、ランド内で藤吉を見つけられたら「ハピとも」に、すずこを見つけられたら「ハピかの」になって、とお互いを探すゲームを持ちかける。
速攻ですずこのアバター「エリス」に気付く。
えり
ハピランドのハンドル名は「エリス」。(自分の名前「えり」+諏訪部の「す」の組み合わせ)
仁多の彼女の3年生で、校内でキスしたり自宅に呼ぶ仲だけれど、まだ仁多がすずこのことか好きだと泣く時がある、とハピランド内でクボートーキチに話す。
仁多のスマホからハピランドにログインしてタジンナベになりすまし、すずこの「エリス」に接近して「ハピかの」になる。
友達が上手く作れないと悩むすずこに「まだ仲良くなれる人と出会えていないだけ」と言って励ましたり、本来自身のアバターではやらない「chu」をせがんだりする。
このストーリーの厄介さは「えり」の存在ですね。
えりがタジンナベのなりすましをしている、ということに気付き、なおかつどこからどこまでがなりすましか見分けられないと混乱します。
ここはでもよく読めば、仁多が仄めかしてはいるんですけどね。
友達に関する悩み相談とchuに関しては、なりすましがやっていて、誰だか見当はついていると言ってます。
藤吉はえり(エリス)に気付いていました。
もどかしいのは、すずこは冒頭で水に濡らされた時に仁多からジャージを貸されて、それを着た時に背中からハグされているイメージを持ったり、色々と意識はしていても恋愛感情と思っていないところ。
これがまぁ、くらもち作品の醍醐味です。
「駅から5分」辺りから、男女共にストレートな告白をしない!
セリフではなく絵(表情やシーン、背景や小物の描き方)で解釈させようとしてくるため、繰り返し読んでパズルのピースを組み合わせたり、インタビュー記事を読んだり、他の人の考察を読まないと、自分の解釈に自信が持てなくなりますね…
別に自分なりに納得出来れば良いのですが、そこまで頭を働かせないと
「結局、何が言いたかったの?」
となってしまいます。
ただ、仁多のすずこへの気持ちはかなりストレートで、まだ親しくない内にジャージも貸すし、イメチェン前のすずこを褒めるし、ハピランドでお互いを探すゲームも持ちかけ、積極的に近付いてはきます。
えりがなりすましをしてタジンナベとなり、すずこと自身のアバターが「ハピかの」になっているのに気付いた翌朝、すずこから「ハピこん」と挨拶をされた後一旦無視して通り過ぎ、その後複雑な顔をした後に笑いながら
「今日もあなたに幸せが訪れますように」
とリアルですずこに説明した「ハピこん」の意味を言いました。
この時点で、まだすずこがなりすましに気付かないまま自分のアバターとハピかのになっているということで、えりに対する罪悪感と、彼氏のいるすずこに対するもどかしさがあったのかな?
すずこが藤吉と手を繋いでいるのに気付いた時も、一瞬暗い顔をした後に、目が合ったら微笑んでいます。
藤吉がすずこに告白をした時には
「まだ付き合って無かったんだ⁉︎」
と気付いて焦っていたし、でも草食系らしく?後押しをしようとしていました。
皆んなと同じように「仁多くん」と呼んでいたのを、後半彼女のえりの影響でまた初期のように「諏訪部くん」と呼んでしまったのも引っかかっていたし、ラストはもう両思いと薄々分かりつつもまだえりと別れていないからか、ハッキリと気持ちはまだすずこに伝えていません。
ラストは「えり」の「エリス」が、「すずこ」の「エリス」とハピランド内でハピともになり、有料の衣装をプレゼントしながら「あげるよ」と言ったのは「仁多をあげるよ」かもしれない。
それよりも、すずこがえりに「えりが好き」と伝えられたことが大事なのでしょう。
asエリス
そもそも単行本発売してすぐ買って、引っ越しの時に捨ててしまったので電子書籍で買い直しているのですが、「as」の意味を当時よくわかっていませんでした…
中高の授業で習う英語の中で、そんなにasって頻出していなかったというか、見かけた記憶が無いんです。
as=~として、だから「エリスとして」という意味ですね。
She plays the game as Ellis. 彼女はエリスとしてゲームをプレイしている。
TOEICに向けて英語の勉強を再開し、以降はasは頻繁に見かけるのですが、それ以前は英語の部分はすっとぱして受け取りがちだったと改めて気付きました…(多分学生時代も、asは出てきても重要じゃないと思ってスルーしていたんでしょう…)
さて今回読み直したのは「花に染む」の考察を延々と数週間し続けて、この作品が「花に染む」の3巻から4巻の間で掲載誌が変わることになり、その間に描かれた作品だと知ったからです。
当時はもう単行本派だったので、どこでいつ掲載されたか考えずに新刊が出ていたら買っていたんですよね。(昔は同居していた母がコーラスとか色んな漫画雑誌を買っていたので、そっちで読んでました)
今作品一覧を見直すと、当時雑誌で読んだり単行本で持っていた話がまだ電子化されていなかったりして悔やまれます…
以下の登場人物プロフィールは、私の独断と偏見による考察が混ざっています。
ので他のまとめサイト的なものには書かれていない部分が含まれているのでご容赦ください。
主人公:蒔田 すずこ(まきた すずこ)
ハピランドのハンドル名は「エリス」。(憧れの女生徒の名前「えり」+自分の名前すずこの「す」の組み合わせ)
中学までは黒髪おかっぱで、自分に自信が無く地味だと思っていたが、素敵な制服を着た女生徒(えり)を見かけて彼女に憧れで同じ秀星高等学校に入学する。

高校デビューをしようと入学式の日に周囲の人たちに笑顔で挨拶しまくるもうまくいかず、唯一反応してくれたネトオタ久保藤吉(くぼ とうきち)と仲良くなり、付き合っていると認識している。
藤吉からリンさんと呼ばれていて、その真似をした仁多からはリンちゃんと呼ばれている。
藤吉のプロデュースでイメチェンをしていたが、なんとなく気になっていたいつも笑顔のクラスメイト諏訪部 仁多(すわべ じんた)がイメチェン前の自分を可愛いと思っていたこと、頑張っても上手くいかなかったと思っていた自分の笑顔の挨拶を仁多が真似していたことを知り、元の地味な姿に戻す。
自分は藤吉と付き合っているし、仁多はえりと付き合っていると思っているが、仁多とえりのキスを見かけて衝撃を受けてしまう。
憧れのえりとも仲良くなってみたかったが、仁多の彼女と話すことに抵抗を感じている。
「タジンナベ」が仁多だろうとは思うが、本人だか自信が持てず、最初はすぐハピかのになったが解消する。
久保藤吉(くぼ とうきち)

ハピランドのハンドル名は「クボートーキチ」。
スマホ依存症で、常にバーチャル世界のハピコンに入り浸っている。
典型的な草食系で高慢なオタクタイプだが、女性に対して苦手意識は一切なく、すずこに手を握られても普通に受け入れる。
すずこは付き合っているつもりだったが、藤吉はまだ友達だと思っていて、仁多がすずこを好きだと知って告白を決意。
諏訪部 仁多(すわべ じんた)
ハピランドのハンドル名は「タジンナベ」。

入学式の時にすずこに一目惚れしたけれど、受付案内をしていた3年生のえりと話している間にすずこは藤吉と仲良くなってしまったため、すずこと付き合えるまではえりが契約彼女となる。
えりとハピランドをやっていたが、ランド内で藤吉を見つけられたら「ハピとも」に、すずこを見つけられたら「ハピかの」になって、とお互いを探すゲームを持ちかける。
速攻ですずこのアバター「エリス」に気付く。
えり
ハピランドのハンドル名は「エリス」。(自分の名前「えり」+諏訪部の「す」の組み合わせ)
仁多の彼女の3年生で、校内でキスしたり自宅に呼ぶ仲だけれど、まだ仁多がすずこのことか好きだと泣く時がある、とハピランド内でクボートーキチに話す。
仁多のスマホからハピランドにログインしてタジンナベになりすまし、すずこの「エリス」に接近して「ハピかの」になる。
友達が上手く作れないと悩むすずこに「まだ仲良くなれる人と出会えていないだけ」と言って励ましたり、本来自身のアバターではやらない「chu」をせがんだりする。
このストーリーの厄介さは「えり」の存在ですね。
えりがタジンナベのなりすましをしている、ということに気付き、なおかつどこからどこまでがなりすましか見分けられないと混乱します。
ここはでもよく読めば、仁多が仄めかしてはいるんですけどね。
友達に関する悩み相談とchuに関しては、なりすましがやっていて、誰だか見当はついていると言ってます。
藤吉はえり(エリス)に気付いていました。
もどかしいのは、すずこは冒頭で水に濡らされた時に仁多からジャージを貸されて、それを着た時に背中からハグされているイメージを持ったり、色々と意識はしていても恋愛感情と思っていないところ。
ハッシュタグ #くらもちふさこ展 をつけてツイートしてくださった方の中から抽選で、ココハナ編集部特製ポストカードをプレゼント! 期間中はスタッフの推しシーンをお届けします。「as エリス」の試し読みはこちらから https://t.co/W3I0fUIudB pic.twitter.com/AlslyCXK89
— くらもちふさこ50th情報局 (@kuramochi_ten) December 30, 2021
これがまぁ、くらもち作品の醍醐味です。
「駅から5分」辺りから、男女共にストレートな告白をしない!
セリフではなく絵(表情やシーン、背景や小物の描き方)で解釈させようとしてくるため、繰り返し読んでパズルのピースを組み合わせたり、インタビュー記事を読んだり、他の人の考察を読まないと、自分の解釈に自信が持てなくなりますね…
別に自分なりに納得出来れば良いのですが、そこまで頭を働かせないと
「結局、何が言いたかったの?」
となってしまいます。
ただ、仁多のすずこへの気持ちはかなりストレートで、まだ親しくない内にジャージも貸すし、イメチェン前のすずこを褒めるし、ハピランドでお互いを探すゲームも持ちかけ、積極的に近付いてはきます。
えりがなりすましをしてタジンナベとなり、すずこと自身のアバターが「ハピかの」になっているのに気付いた翌朝、すずこから「ハピこん」と挨拶をされた後一旦無視して通り過ぎ、その後複雑な顔をした後に笑いながら
「今日もあなたに幸せが訪れますように」
とリアルですずこに説明した「ハピこん」の意味を言いました。
この時点で、まだすずこがなりすましに気付かないまま自分のアバターとハピかのになっているということで、えりに対する罪悪感と、彼氏のいるすずこに対するもどかしさがあったのかな?
すずこが藤吉と手を繋いでいるのに気付いた時も、一瞬暗い顔をした後に、目が合ったら微笑んでいます。
藤吉がすずこに告白をした時には
「まだ付き合って無かったんだ⁉︎」
と気付いて焦っていたし、でも草食系らしく?後押しをしようとしていました。
皆んなと同じように「仁多くん」と呼んでいたのを、後半彼女のえりの影響でまた初期のように「諏訪部くん」と呼んでしまったのも引っかかっていたし、ラストはもう両思いと薄々分かりつつもまだえりと別れていないからか、ハッキリと気持ちはまだすずこに伝えていません。
ラストは「えり」の「エリス」が、「すずこ」の「エリス」とハピランド内でハピともになり、有料の衣装をプレゼントしながら「あげるよ」と言ったのは「仁多をあげるよ」かもしれない。
それよりも、すずこがえりに「えりが好き」と伝えられたことが大事なのでしょう。
1番リアルなのは、「友達が出来た」と思っても、相手には自分以外に仲の良い人がいると分かった時のガッカリ感と、それで自分に自信が持てなくなるところ。
コレはほんとよく分かるし、若い頃それで何度も嫌な気持ちになったため、今の私はかなり警戒して他人と関わってしまいます。
昔からの友達なら安心、でもないんですけどね。
それでも若い頃だと、新たに出会った子は地元の友達が優先だったりするし、毎日連絡取ってたのに突然これまで気付かなかった積み重ねで断絶したりしちゃう…
私はあまり自身のキャラを最初しか作らない方ですが、「いつも明るくてニコニコしてる天然系」と思っていた子達が
「実は当時は、他人から嫌われないように、ずっと気を張り巡らせてて大変だった」
と言うのを聞いて驚いたことが何度かありました。
私は、自分に興味関心無い人のことは「存在しないもの」としか思わないから、そういう人にまで気を配るのは大変そう…
この辺の感覚は、「東京出身者」は地方出身者よりもバランス感覚が良い人が多い気がしますね。
くらもちふさことよしながふみは、その辺りが東京っぽいなー、と思う作品多いかな。
更にくらもちふさこの世代で「リアルとネット」という境目を描いているのが良い!
ただ「駅から5分」よりも難解な「花に染む」の間の作品だけあって、この「絵解き」がねぇ…すごく良いんだけど、もどかしい!
多分、仁多は陽大に近い(常に笑顔だし優しいけど本心が分からない)し、えりは雛(他人からは憧れられる存在であるけれど、それ故に孤独感もある)、藤吉は入谷に見た目とオタク設定が近い。
「月のパルス」のようなスピリチュアルな感覚で、ジャージを着たらハグされてる気持ちになったり、アバター越しに泣いている仁多の顔が浮かんだりもします。
すずこと藤吉が仲良くなっていても、そのまますぐに仁多もすずこに声をかければ良かったのに…そこが出来ない奥手?と思いきや、速攻でえりと付き合ったり、キスしたり、というのも陽大と楼良を思い出させます。
いや、まぁ関係性は全然違うのですが。
そう言えばくらもちふさこのファンサイトでインタビューがまとめられていて、「花に染む」では恋愛の決着はラストの三人立ちのシーンで絵で表現した、というのを読みました。
これもまたいくつか解釈が割れそうなのですが、私が気になるポイントは
1.ラストの三人立ちは、花乃が陽大の息合いで平常心を保てていることに陽大が気付いていて、それを楼良を使って再現してあげることで「ずっと見守っている」というのを伝えたかった。
花乃は「雛のために水野に稽古をしていた」とか「水野のことをやっぱり好きなんだ」と思い込んでいて、自分は陽大の親友であり同志であっても一番の存在では無いと思いこんでいたのが勘違いだと気付いた。
2.三人立ちの中で、的の中心(星)を射抜いているのは花乃だけ。雛は星の外側ギリギリを射ていて、楼良は星の外と的の外を射ている。
という部分ですが、2に関しては星を射た後にその下の部分を射てるんですよね…
最後に陽大の心を射抜いたのが花乃、であれば、最後の一射で星、というのが分かりやすいはずなんだけど、曲線状に射て最後に星の外を射ているため、花乃が陽大とのことを乗り越えたようにも受け取れます。
技術的な面での違いもあるだろうけど…ただインハイ個人優勝レベルの雛も陽大もほぼ星を過去に射ていません。
「キャラクターの性格上、陽大と花乃はキスシーンで終わるタイプではないから、ハグのシーンでは陽大の指先まで神経を使って集中して描きあげた」というし、そうなるとやはり花乃の髪を柔らかく掴む陽大の愛情いっぱいの表現で気持ちが伝わる、とも思いますが。
大体あの2人は観客席で、射終えた後泣きながら駆け寄ってハグをしているため、周囲の人からしたら
「え…あの2人、人前でどうしたの?恋人同士?」
とは思われただろうし、あそこでキスしていたら周囲は「いや、場をわきまえようぜ?」となりますからね。
中学生の時は大きな大会では無かったから控えの間でハグしただけだけど、最終回の陽大は観客席前方の柱にいたし。
あれで噂にもならず、翌年の陽大の流鏑馬を見に行って楼良を意識して顔を隠す新保さん、鈍感すぎる…
セリフというか内面の言葉の「負けたと思った」にどうしても着目してしまうため、そこを読んで「花乃は楼良に恋愛で負けたと思っているのでは」という解釈をする方もいるのですが、言葉の中に答えが無く、そして「恋愛面の決着」があれでついているのであれば、「陽大と花乃は親友以上の恋愛関係」に進んだのかなーと受け取れもします。
それまでの間に花乃は「くやしい」という感情は「醜い」と思っていたから、陽大に面と向かってハッキリと泣き言を言ったことも無いし、楼良との関係もモヤモヤしていても言葉にはしていませんでした。
でも陽大はそれを察して、花乃がモヤモヤしている時には言葉で説明したり、花乃の側にいたり、ちゃんと「花乃の方が大事」というアピールをしているしなぁ。
「asエリス」も「花に染む」も、そういう「恋愛感情を面と向かってハッキリと言わない」というのと、「恋愛以外にも人生には色々大切なものがある」というのが混ざっていて、そういう柔らかい感覚を表現したマンガなのかなと思います。
藤吉の告白をハッキリとすずこが断らず、「けど」という2文字だけで藤吉は察して倒れ、最後まで言わせなかったことに「傷付けさせないようにしてくれて、ありがとう」というかのようにすずこがお礼を言うあたりは、今時なのかなという気がします。
ただSNSでもアバターとかはちょっともう古い感じがするから、今だとまた違う表現になりそうですね。
身近な人とSNSでも繋がるか、分けるか、の感覚は今もありますが。
何にせよ、仁多くんはイケメンすぎる…
くらもちふさこの作品、50周年で今色々とキャンペーンをまだまだすると思うので、この機会にまだ読んだこと無い方はぜひぜひ!
コレはほんとよく分かるし、若い頃それで何度も嫌な気持ちになったため、今の私はかなり警戒して他人と関わってしまいます。
昔からの友達なら安心、でもないんですけどね。
それでも若い頃だと、新たに出会った子は地元の友達が優先だったりするし、毎日連絡取ってたのに突然これまで気付かなかった積み重ねで断絶したりしちゃう…
私はあまり自身のキャラを最初しか作らない方ですが、「いつも明るくてニコニコしてる天然系」と思っていた子達が
「実は当時は、他人から嫌われないように、ずっと気を張り巡らせてて大変だった」
と言うのを聞いて驚いたことが何度かありました。
私は、自分に興味関心無い人のことは「存在しないもの」としか思わないから、そういう人にまで気を配るのは大変そう…
この辺の感覚は、「東京出身者」は地方出身者よりもバランス感覚が良い人が多い気がしますね。
くらもちふさことよしながふみは、その辺りが東京っぽいなー、と思う作品多いかな。
更にくらもちふさこの世代で「リアルとネット」という境目を描いているのが良い!
ただ「駅から5分」よりも難解な「花に染む」の間の作品だけあって、この「絵解き」がねぇ…すごく良いんだけど、もどかしい!
多分、仁多は陽大に近い(常に笑顔だし優しいけど本心が分からない)し、えりは雛(他人からは憧れられる存在であるけれど、それ故に孤独感もある)、藤吉は入谷に見た目とオタク設定が近い。
「月のパルス」のようなスピリチュアルな感覚で、ジャージを着たらハグされてる気持ちになったり、アバター越しに泣いている仁多の顔が浮かんだりもします。
すずこと藤吉が仲良くなっていても、そのまますぐに仁多もすずこに声をかければ良かったのに…そこが出来ない奥手?と思いきや、速攻でえりと付き合ったり、キスしたり、というのも陽大と楼良を思い出させます。
いや、まぁ関係性は全然違うのですが。
そう言えばくらもちふさこのファンサイトでインタビューがまとめられていて、「花に染む」では恋愛の決着はラストの三人立ちのシーンで絵で表現した、というのを読みました。
これもまたいくつか解釈が割れそうなのですが、私が気になるポイントは
1.ラストの三人立ちは、花乃が陽大の息合いで平常心を保てていることに陽大が気付いていて、それを楼良を使って再現してあげることで「ずっと見守っている」というのを伝えたかった。
花乃は「雛のために水野に稽古をしていた」とか「水野のことをやっぱり好きなんだ」と思い込んでいて、自分は陽大の親友であり同志であっても一番の存在では無いと思いこんでいたのが勘違いだと気付いた。
2.三人立ちの中で、的の中心(星)を射抜いているのは花乃だけ。雛は星の外側ギリギリを射ていて、楼良は星の外と的の外を射ている。
という部分ですが、2に関しては星を射た後にその下の部分を射てるんですよね…
最後に陽大の心を射抜いたのが花乃、であれば、最後の一射で星、というのが分かりやすいはずなんだけど、曲線状に射て最後に星の外を射ているため、花乃が陽大とのことを乗り越えたようにも受け取れます。
技術的な面での違いもあるだろうけど…ただインハイ個人優勝レベルの雛も陽大もほぼ星を過去に射ていません。
「キャラクターの性格上、陽大と花乃はキスシーンで終わるタイプではないから、ハグのシーンでは陽大の指先まで神経を使って集中して描きあげた」というし、そうなるとやはり花乃の髪を柔らかく掴む陽大の愛情いっぱいの表現で気持ちが伝わる、とも思いますが。
大体あの2人は観客席で、射終えた後泣きながら駆け寄ってハグをしているため、周囲の人からしたら
「え…あの2人、人前でどうしたの?恋人同士?」
とは思われただろうし、あそこでキスしていたら周囲は「いや、場をわきまえようぜ?」となりますからね。
中学生の時は大きな大会では無かったから控えの間でハグしただけだけど、最終回の陽大は観客席前方の柱にいたし。
あれで噂にもならず、翌年の陽大の流鏑馬を見に行って楼良を意識して顔を隠す新保さん、鈍感すぎる…
セリフというか内面の言葉の「負けたと思った」にどうしても着目してしまうため、そこを読んで「花乃は楼良に恋愛で負けたと思っているのでは」という解釈をする方もいるのですが、言葉の中に答えが無く、そして「恋愛面の決着」があれでついているのであれば、「陽大と花乃は親友以上の恋愛関係」に進んだのかなーと受け取れもします。
それまでの間に花乃は「くやしい」という感情は「醜い」と思っていたから、陽大に面と向かってハッキリと泣き言を言ったことも無いし、楼良との関係もモヤモヤしていても言葉にはしていませんでした。
でも陽大はそれを察して、花乃がモヤモヤしている時には言葉で説明したり、花乃の側にいたり、ちゃんと「花乃の方が大事」というアピールをしているしなぁ。
「asエリス」も「花に染む」も、そういう「恋愛感情を面と向かってハッキリと言わない」というのと、「恋愛以外にも人生には色々大切なものがある」というのが混ざっていて、そういう柔らかい感覚を表現したマンガなのかなと思います。
藤吉の告白をハッキリとすずこが断らず、「けど」という2文字だけで藤吉は察して倒れ、最後まで言わせなかったことに「傷付けさせないようにしてくれて、ありがとう」というかのようにすずこがお礼を言うあたりは、今時なのかなという気がします。
ただSNSでもアバターとかはちょっともう古い感じがするから、今だとまた違う表現になりそうですね。
身近な人とSNSでも繋がるか、分けるか、の感覚は今もありますが。
何にせよ、仁多くんはイケメンすぎる…
くらもちふさこの作品、50周年で今色々とキャンペーンをまだまだすると思うので、この機会にまだ読んだこと無い方はぜひぜひ!
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