#犬王 舞台挨拶ネタバレ感想~つまらない「どろろ」のパクリだけど、PVとしてはキレイ

2022年05月28日
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今日は新宿バルト9に、犬王の舞台挨拶付き上映を観に行ってきました。







アニメ「平家物語」が物凄く良かったので、それとセットとして告知されていたから観ようと思ってたんです。

で、舞台挨拶付きどうせなら抽選申し込んでみるかーと思ったら当たったんですが、直前に津田健二郎の登壇が追加発表されてラッキー。

まぁ席は後方だったため、拡散用に写真撮影OKだった集合写真も、遠くて誰が誰やらですね。

予告動画を観た時点で「もしかしたら全然好みじゃない感じかもなぁ」と思っていたのですが…

つ…つまらなくて眠かった…!

映像はキレイだし、音楽もカッコイイとは思います。

だから曲のプロモーションビデオだったなら、物凄くハイクオリティ!

ただ、ストーリーがもう…

「父親が野望のために神仏と取引したせいで異形の姿で生まれ、一つずつ芸を覚えるごとに一つずつ普通の体を取り戻す」

という設定は、手塚治虫の「どろろ」そのまんまじゃないですか…



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ちょうど最近アニメ「どろろ」を観ていた分、あー、って感じ。

原作付きだから、それはもう古川日出男のせい?

Amazonレビューもそんなに良くないし…


平家物語 犬王の巻 (河出文庫)

冒頭こそ平家が壇ノ浦で海に沈めた三種の神器の一つを拾い上げ、中の剣を見たせいで父親は死に、息子の友魚(ともな)は盲目となる、という流れはドキドキしましたが、以降はただただ琵琶法師となった友魚と犬王がフェス状態で平家物語をパフォーマンスにして騒ぐだけ。

2人は成仏していない平家の鎮魂も目的としていて、正規の平家物語に無い部分も足したことで犬王は最後に顔を取り戻し、しかし以降のフェスを朝廷から禁止され、刃向かった友魚は処刑に。

それから600年の時を経た現代に、昔の異形の姿の犬王と、友魚が何故か再会して終了。


この「フェス」というのは舞台挨拶でアヴちゃんや森山未來が言っていた言葉です。

2人で曲を作ったり歌ったのがただただ印象的だっようですね。

津田健二郎が声をあてた犬王の父親は、結局望むままの素晴らしい舞を手に入れることが出来ず、謎の契約をしたお面に犬王の死を依頼したら逆に惨殺されてしまいました。

津田健二郎的には「映画としては悪役だけど、芸事をする身として気持ちが分からなくはない。何かを引き換えにしてでも素晴らしい力が欲しいものだ」と言っていましたが、うんまぁ、「どろろ」の原作に近い感じの終わりよね。

私は脚本家が乃木亜紀子なので期待していたんですが、湯浅政明監督とはかなり言い合いになりながら制作していたそうです。

アヴちゃんも「収録の時、バチバチしてた」と言ってました。

理由は分かりませんし、乃木亜紀子自身はTwitterで宣伝もしているから、不納得ではないのでしょう。

ただ、原作と比較していないから分からないけれど、こんな単にフェス映像を流すだけのアニメの脚本を彼女が手掛けた意義があったと思えませんでした。

すごく唐突に2人がいきなり組んで、ド派手に平家物語をロック化したりパフォーマンス盛り込んで、聴衆もノリノリで踊りまくることになるの、何とかならなかったのかなぁ。

最後に本来なら瓢箪で隠していなければ目の位置がおかしな異形の犬王が顔を取り戻す、その顔が能面のようで表情がない、というのがミソかもしれないのですが、それ以上触れられていないし、アッサリと犬王は朝廷の言いなりになるし、何が目的だったのかよく分かりません。

「どろろ」みたいに体を取り戻すことを目的にしていなかった、というか、犬王は異形の身を楽しんでいたのに…?
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舞台挨拶はカメラが入っていなかったのですが、だからこそ正直に面々が語ってくれていたかもしれません。

「このシーンの表情が良いんだよね」とか「音楽作るの楽しかったね」とか、あまり内容に触れていなかったもの。

森山未來がマイティ・ソーの映画のポスターを軽く茶化すような発言をしていて、アヴちゃんが笑いながらフォローをし、

「まぁ、今までなら普通に楽しめた盛り上がりってのを取り戻す段階なのかな」

というようなまとめ方にしていましたが、つまりコロナ禍でフェスも楽しめなかったけど、そろそろコロナ明けで「普通」「無難」なことも出来るようになるよね~的なこと?

正直、映画の内容自体を褒める発言は皆んなしていなかったと思います。

映画を作ること自体は大変手間がかかっているし、皆んなが拡散して観てくれたら良いな~って思っているのは伝わりました。

ああいう音楽が好きでノリで楽しみたい人には、良い映画だと思います。

私はもっとちゃんと「平家物語」のアニメのようにストーリーがあるものだったら良いなと思っていたため、フェスシーンだらけに飽きてしまいました。

あれだけの映像美が作り出せるのなら、ストーリーにもっと拘れば良かったのに。

史実に基づいていなくても、キャラクターそれぞれの感情が見えないと分かりません。

三種の神器は今も皇族さえ見ることは出来ない神聖なもの。

それを見てしまったが故に友魚の父は死に、友魚は盲目になった。

そして盲目が故に琵琶法師となり、平家物語を語り継ぐ。

ここまでの設定は分かる。

異形の身として生まれながらも、天性のセンスで新たな舞を披露する犬王も良い。

そのコラボレーションが唐突に始まり、延々と続き、突然朝廷から切られて終わる、だけ。

平家蟹とか出していたし、そういう平家の無念を語るのであれば、そこをもうちょっと軸にしてもらえないと単なるフェスで終わります…

あと個人的には私は松本大洋の絵がそんなに好きではないので、歯並びグチャグチャでツバ飛ばして琵琶振り回してってのも汚くしか見えなかったかなぁ。

それはそれで楽しめる人はいると思うけど、美しいアニメ「平家物語」の印象が良すぎたんですよね…

だからそれとセットで出す必要性は全然無かった。

だって共通点は「平家物語」でしかないどころか、「犬王」は平家物語を単なる小道具の1つとしか使っていないようなものだったから。

もったいない映画だったなぁと思います。

犬王の親はただただイライラしているだけだったし、各キャラの心情がほとんど描かれていないし、何をメッセージとして観客に伝えたいかも分からない。

「映像と音楽にノッて楽しんで~!」

でしか無い。

それを楽しめるサブカル好きっぽい人は、映画館でぜひ。

ストーリーのあるキチンとした作品が観たい人は、映画館に行くほどでは無いかな~、というのが正直な感想です。
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