#劇場版輪るピングドラム [前編]ネタバレ感想~ほぼ総集編、初見には不向き、でも後編絶対観たくなる!

2022年05月04日
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今日は楽しみにしていた「RE:cycle of the PENGUINDRUM[前編]君の列車は生存戦略」を観に行って来ました。



来ていたのは大きいお友達って感じの男女と、ウッカリ下調べせずに迷い込んでしまった感じの若いカップル。

このカップルは案の定終わった時「なんかよく分からない」「ねー」と言ってましたが、そりゃそうだ!

私はアニメ版は放送後かなり経ってから、友人達が共通言語のように内容を話していて、エスメラルダをアイコンにしたりしていたため、まとめて観ました。

最初は普通にちょいファンタジーの女児向け?と思っていたけど、音楽やデザイン性の高い作画がオシャレで、へー、と思っていたら中盤から渡瀬 眞悧(わたせ さねとし)のビジュアルにハマり、そこから一気にストーリーがダークになるわ、設定がよく分からなくなるわで混乱!


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最後まで観ても説明されていない部分がかなり多いため、これは「少女革命ウテナ」を通っていない、コンテンポラリー系やアングラ系の舞台を観ていない上に、「物語とは起承転結がキチンとあって、全て説明してもらえるもの」と口をポカーンと開けているタイプには不向きです。


少女革命ウテナ AfterTheRevolution

あれもねー同性愛なのか近親相姦なのかファンタジーなのか、なんかもう色々混ざっていてすごかった…

ピンドラも絵が可愛いから勘違いしがちだけど、オタクが好きなインモラルな部分もありますし、子供向けアニメでは無いというか、寓話的というか哲学的というか…な作品。

それでも前半パートはまだ分かりやすいというか、「謎は匂わせ」という感じで散りばめられつつも、ストーリー自体は平和なもの。

それをギュッと総集編にしつつ、オリジナルパートを少し挟み込んだ構成としているため、初見では本当に全然分からないと思いますね。

オリジナルパートは冠葉と晶馬が子供の姿で出てきますし。

アニメ版の冒頭、水族館に三兄弟がいるのをちびっ子の冠葉と晶馬が覗き見て、「?」としているというだけでも謎。

その2人が小さな可愛い赤ちゃんペンギンを追いかけて行くうちに図書館に入り込み、そこで本を探す中でプリンセス・オブ・ザ・クリスタルの格好をした桃果に会います。

桃果から「お前は間違えた」と言われる冠葉。

アニメの総集編はこのチビ兄弟が観せられているお話のため、合間にオリジナルが差し込まれる構成なのは、ある意味分かりやすくしようとしている、と思いますが、初見なら絶対分からない!

だって2人がチビ兄弟になっているのは、アニメのラストで兄弟がいない世界となっていて、でもそれを覚えていないはずなのに何故か苹果の前で涙を流す陽毬と、家の外を走っていく冠葉と晶馬らしき少年達が描かれていた、というのに繋がっているのですから。

私もちゃんと把握出来ていないけど、アレは運命の乗り換え後の世界であり、そことアニメ本編が交錯するということは…

後編どうやって終わらせるの⁉︎

しかも前編ラストは眞悧登場で終わるという、もう私的には後編こそ楽しみな状況でした!

いやぁ、特典の絵もエロさがあって良いですよね…



前編のラスト、陽毬にキスする冠葉とか、上半身の前を開いている冠葉の体内に服を着ていないプリンセスが手を伸ばすあたりは、セクシーでした。

一度手を引きかけたプリンセスの腕を掴み、背中というかお尻に腕を伸ばして抱き寄せる冠葉…!
一応後編が楽しみなので褒めますが、でも総集編パートはやはり退屈と言えば退屈でした。

世間の感想を見てみても、ほぼ総集編なことにがっかりしつつ、まぁ後編の終わらせ方を楽しみにしているって感じの方が多いようですね。

あとはあの絵と音楽と演出を大画面で楽しめるのが良かったって感じ。

私が行った映画館では狭めの部屋になっていたし、上映回数も多くないし、もうコアなファンしか狙っていないだろうなぁって感じはします。

今からアニメを観てハマろうとするには、若者には10年前の作品じゃ古い印象みたいですし。

私は好きですけどね〜何年前のものだろうと面白いものは良いから。

オリジナルパートでは「いっそアニメ絵で写真みたいにするくらいないなら、実写の映像使っちゃえって感じにしていて、でももうそういうリアルなアニメ絵に慣れてるから違和感無かった」的な感想も見かけましたが、それ自体はそこまで新しい演出ではありません。

昔から写真とマンガ絵のコラージュとかはあったし。

ピンドラの魅力はプリンセス登場時の音楽と機械的な空想世界とロボット的なモノたちの演出だから、もうアニメとはこういうもの、という固定概念に捕われていない、かな?

元々のファンとしては、これを踏まえてご馳走の後編が待っている!という展開なので、その出来栄え次第で評価が割れることでしょう。

それでも、冒頭の音楽や久々に触れるピンドラのキャラクター達には、胸が詰まるような、泣きそうな気持ちになりました。

あ〜やっぱり好きだな〜。

魅力が爆増するのは、このあとの各キャラのインモラルっぷり、サイコパスっぷりがどんどん暴かれていくところなので、後編は2回くらい観てしまうかも…

「子供ブロイラー」とか未だによく存在意義が私、分かっていないんですよね…

「運命の果実を一緒に食べよう」が魔法の言葉、なんです…よね?

この運命の果実と命というのがリンクしていて…そして、冠葉と晶馬はカンパネルラとジョバンニという「銀河鉄道の夜」とリンクしていて…

で、銀河鉄道の夜が電車の話なのもあり、かつサリン事件と当日の地下鉄がこの物語の中でも事件のあった日とされている。

そういう色んなものが絡み合っているけど、「コレがそうです」という答えをポンとくれるわけではなく、かといって「考察してね〜」という最近の考察厨煽りともまた違う…ような。

そう、謎は各々が別に深く考えず、それをそのまま受け取る、それにより残る違和感が魅力になる、という時代の作品だったと思っています。

最近それを許さない、筋を通そうとしようとするSNS民が多い気がするけど、気のせいかな。

きっと昔なら掲示板でだけワーワー言われていたのが、今はTwitterやそのまとめサイトやブログでも煽るようになってるだけなのかしら。

さて一番気になっていた「今の木村昴に冠葉の声が出せるのか!?」ですが、正直私としては「ただでさえ声が低くなっているのに、更に子供の頃の冠葉の声を出させるのは無茶!」という気持ちです。

木村昴自体は好きですけど、彼はやはり声が低くて、元々アニメの時点でも「ジャイアン以外の声を出せるように」と練習させられていた人。

それでも高校生だから若々しいイケメンの声が出せていたけど、そこから10年も経つと声は変化していますよね。

中村悠一は「男は声変わり以降そんなに声質は変わらない、声は老けない。でも若い頃の方がキレイな声が出る」と言っていましたが、とにかく声帯を使うお仕事の以上負担もあるし、本来の声質もある。

そういう部分ではアニメの冠葉の声は、まだ高校生だったからこそ木村昴が出せた声。

彼なりに子供時代ではなく回想シーンの冠葉の声は過去のものにかなり近付けていましたが、幼児の声は苦しかったかな。

あそこだけ別の子供の声が出せる声優さんに変えるか、押し切るかの検討はあって、それでもという選択だったのでしょうけど。

さぁ、後編の公開は7月末です!



あ〜楽しみ!

もう冠葉はね…可哀相なくらい影で頑張って、頑張って、子供の頃から耐えていて、そして自分だけでは大好きな、妹ではなくもう女として好きな陽毬を救おうと必死になっていて、可哀相なんだ…

何故か実の双子の妹からキスされたりしてるけど。

そういう時にただただ普通に苹果と関わりながらもブレずに過ごしていた晶馬が、実はこの兄弟たちのキーパーソンだった。

そもそも人類の生存のキーパーソンも、苹果の姉である桃果であり、彼女は友人たちの心も救っていた、というのが胸熱ですね。

後編の前にもう一度アニメを観直したいけど、サブスクはAmazonだと追加料金が必要、NetflixやHuluには無いので迷います…

dTVに期間決めて入って観直すべきかしら…

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