出版120周年ピーターラビット展@世田谷美術館の感想~家系図のお父さんがウサギパイ…

2022年03月27日
美術・デザイン 0

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今日は友人と娘ちゃんと一緒に、世田谷美術館で昨日から開催中の「出版120周年ピーターラビット展」を見に行ってきました。

昨日急遽決めたのですが、土日は事前にチケットを購入しておかないといけないルールになっています。

が、チケットぴあやローチケでは前日では予定枚数終了となってしまっていました。

でも公式サイトからは買えたので、直前なら公式サイトで買った方が良いのかもしれません。

当日券もあるので、混雑していなければそれでも入れるようでした。

ちなみにピーターラビットの絵は子供の頃から大好きだったけど、絵本は読んだ記憶がありません。

なので今回初めて1冊目の絵本の内容と、作者のビアトリクス・ポターについて知ることが出来ました。

入り口ではピーターラビットの絵と、絵本の内容を動画で紹介してくれています。



大きなパネルも可愛い!



館内では4箇所撮影OKの場所がありました。

さて、今回のこの展示で私達が一番ビックリして衝撃を受け、その後何度も思い出しては動揺した内容は…

ピーターラビットの家系図で、お父さんがうさぎパイになってしまっているところ!



英語の原文と日本語の翻訳の両方をチェックしましたが、ピーターのお母さんが

「お父さんはアクシデントが起こって、その後人間のマグレガーさんにパイにされた」

と説明していました。

「だから、お母さんが買い物に行っている間にマグレガーさんの家の敷地に行ってはダメよ」

とお母さんが忠告をしたにも関わらず、ピーターラビットはマグレガーさんの畑に入って勝手に野菜を食べ、見つかって追いかけ回され、逃げて逃げて泣きながらなんとか家に着いたら病気になってしまい、お利口にしていた妹たちがご飯を食べている間にお母さんが用意したお薬のお茶を飲んで眠る…というのが1冊目のストーリーでした。


ザピーターラビットシリーズ1 THE TALE OF PETER RABBIT

なので「アクシデント」が何なのかは分かりません。

人間に捕まってしまったことがアクシデントなのか、アクシデントで倒れているところを人間に持っていかれてパイにされたのか…

まぁ、こんなピーターラビットのお父さんということは、きっと勝手に畑に入ってしまって捕まり、パイにされてしまったのでしょう…

このお父さんのうさぎパイの挿絵は、途中の改訂からは削除されていたそうです。

でも今回の展示会ではそういう削除された絵も復活させていたので、そういう意味でも貴重な展示会でした。

ちなみにこの話を他の友人にしたら「ディズニーの三匹のこぶたでも、室内に飾られているお父さんの絵がソーセージや豚肉」という話を聞きました。



マグレガーさんに追いかけられるピーターラビットとイギリスの地図。

一見可愛いけど、捕まったらパイにされる、と思うと怖いですね…
他の撮影スポットでは、お尻を出した可愛いウサギのぬいぐるみ再現もありました。



立体のお母さんにお洋服を着せられているピーターラビットも可愛いですねぇ。



他にもう一つ撮影スポットがあったのですが、混んでいたので撮影しませんでした。

最後は120周年の記念のケーキ!



撮影不可なのは当時の原画、本などです。

この原画やスケッチが、もう本当にどれも可愛い!

実際に作者が飼っていたウサギをスケッチしていたそうですが、もふもふのフカフカで、撫でたいくらい可愛かったです!

ビアトリクス・ポターがイギリスのお金持ちの娘さんだったことも、今回初めて知りました。

元家庭教師の息子が病気になった時、絵手紙で物語を描いて送ってあげたのが始まりだそうです。

その後元家庭教師に勧められて出版社に持ち込んだけどうまくいかず、自費出版をしたら人気になったので追加生産し、その後改めて出版社を通しての販売になったのだとか。

当時のイギリスの状況がどうだったかあまり詳しくありませんが、自費出版をしたら制作費以上稼げたとのことでしたし、かなりやり手の女性だったようですね。

絵本が売れる前もポストカードの原画を描いて売り込みをしたり、活動的だったんだなと思いました。

キャラクターの版権を初めて取得したのもこの方なのだとか。

また、ディズニーから制作の依頼を受けたけれど断った、というのも書かれていました。

直筆の絵本は英語が筆記体なので部分部分しか読めなかったのですが、出版社とのやり取りに「Miss」と書かれていたので、「生涯独身だったのかな?」というのが気になりました。

最後に年表を見たら、30代半ばに一度編集者からプロポーズされて親の反対を押し切って婚約したら、その一ヶ月後に相手が白血病で亡くなってしまったこと、47歳の時に42歳の弁護士と結婚したことが分かりました。

この当時にしてはかなり珍しい経歴の方だったのではないでしょうか?

お嬢様だったのだし、随分と自由に過ごせたんだな、と逆に意外な気持ちになります。

亡くなった後の遺産は、夫の死後に団体に寄付をされたそうです。

本当に可愛い絵がたくさん見られて大満足の展示会でした、が、何よりももうお父さんのパイの絵が忘れられない…!

どうして?どうして家系図のお父さんを空欄にせず、パイの絵を入れたの??

もうそればかりが強く印象に残り、それはそれでめちゃくちゃ楽しい日を過ごすことが出来ました。

せっかく買った英語版の絵本2冊を読むのも楽しみです!

ちなみに120周年の装丁の絵本は既に売り切れになっていました。

昨日が初日なのに、私が見る少し前に終わってしまったようでした…

友人の娘ちゃんはピーターラビットを知らなかったので、また子供向けに色々展開したら良いのになぁ。
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