「マンガ好きは国語力が高い」を覆した、読解力の無い #呪術廻戦 の考察厨

2021年06月15日
マンガ 1

PR
よしながふみの「フラワー・オブ・ライフ」に出てくる真島は、萌え系マンガ好きで学校の成績は最悪、という設定でした。

小学生までは本好きのため知識量があり、成績優秀だったけれど、中学生の時に萌え系にどハマり。

何とか中学の授業までは小学生時代の知識の貯金で乗り越えられたけれど、高校になったらそれは尽きてしまった。

ので、漫画に頻出する漢字は書けるけど、そうじゃない漢字は書けない。


フラワー・オブ・ライフ 3 (白泉社文庫)

最終的には「漫画を読んでも成績は落ちないけど、漫画を描くと確実に成績は落ちる」というエピソードがオチだったのですが、自身の周囲を思い返すと、漫画好きな子はとりあえず国語の成績がめちゃくちゃ良かった記憶があります。

数学や英語は赤点なのに、現国の偏差値は全国模試で65とか取ってる子がいたし、基本的に偏差値60以下を国語教科で取る子はいなかったかなぁ。

私もまぁ国語の成績は良い方でした。

古文と漢文は苦手で、古文は「あさきゆめみし」を読んだお陰でストーリーを把握し、それだけで高得点取ったくらい…

話を「フラワー・オブ・ライフ」に戻すと、白血病から復活した主人公が、高校で友達と漫画を描き始めたり、引きこもりの姉と喧嘩したり、教師同士が不倫をしたり、生徒と教師が恋愛したり…と色々ありつつも、ほのぼの笑える日常系な漫画で、私は名作だと思っています。

真島は典型的なオタクの設定で、一方的に漫画やアニメの設定をツラツラと語ったり、同人誌を買うことに全精力を注ぐ変わり者、だけど実は空気が読める部分もあるし、筋肉質なイケメン。

最初は主人公の春太郎は真島を嫌っていたけれど、お互いに良い距離感で接するようになっていきます。

よしながふみの漫画は「あ~東京の子ってこんな感じ」というクールさと、さり気ない気遣いのし合いが参考になりますね。

そんな真島のことを思い出したのは、最近「呪術廻戦」の考察をネットで見ていて、「ん?」と思うことが多くて疲れてきたからです…


呪術廻戦 16 (ジャンプコミックスDIGITAL)

昔だと「考察厨」というのは「キモオタ」に分類されるケースが多かったのでは?

仲間と芸術作品を熱く考察し合うような、研究的な楽しみ方は昔からあるものですが、コレには「知識」と「価値観」と「読解力」の最低限の共通ラインを持った上で無いと出来ないこと。

その上で解釈違いで喧嘩をする、貶し合う、共感し合う、というのはオタクの楽しみ方の1つではあるけれど、最近はSNSの普及により、匿名で誰でも考察を書き、読むことが出来るようになりました。

となると、中にはビックリするくらい読解力の無い人が混ざってきます。

「解釈は人それぞれ、読者のお好きにどうぞ」

で済む部分もたくさんあり、そのように芥見下々さんも語っていますが、それ以前の問題だなぁと思うことが多いんです。

これ、Twitterで素人がツイートしてるだけならともかく、ねとらぼ系の記事とか、芸能人のYouTubeでも起こってる現象みたい。


私は全てちゃんと読解出来ている、頭が良い、なんて言うつもりは全く無いし、

「あー、そういう考えもあるよね」

と思うものも数%くらいあるにはある。

のですが、私が気になるのは

「深読みし過ぎというより、物語を全体的に俯瞰で見ず、パーツパーツの印象だけで思い込んでる人が多い」

ということ。

そういう方々は、前のシーンで描かれていたことをスッカリ忘れ、辻褄の合わない脳内オリジナルストーリーに囚われ、それを

「コレってこういう意味だよね‼︎」

と語りがち。

そしてそれを否定されたら、怒る。

特に気になるのは

●伏黒甚爾は息子想いの素敵なパパ

●禪院真希、真依の母は子供想い

●最後の戦いは誰と誰で、誰が生き残るか⁉︎


とかです。

あと絵の見間違いとか、設定の記憶違いとか、いやいや読み直そうよ?という部分もあるけど…

伏黒甚爾はネグレクトしてたじゃん?

真希さん達の母親は、多分DVで思考停止したみたいな状態だったけど、最後に洗脳が解けたみたいな感じであり、それまでの言動全てが子供のためにしていたことだと思えないけど?

最後の戦いは、コレは私も予想は出来ません。

が、現時点で見えてきている話だと、そもそもこの漫画の終着点には

「九十九由基が目指す平和的な全人類の呪力のコントロールと、羂索が目指す呪術全盛の時代の再建の対立」


になるのでは?

オリジナルの世界観や単語があるので理解するのが難しいけど、「呪力」に関しては「霊能力」と同一視すると、割と分かりやすくなる気がします。

永久保貴一の漫画の中で、「幽霊と言われるものの多くは、念」と言う霊能者が出てきたのを読んだことがあります。

出てくる幽霊自身に思考は無く、思い残した念が形になって、それが寄り集まったりして悪霊になったりする、らしい。

多分呪術廻戦の中の「呪霊」は、この「人の念」が悪霊化したようなものなのでは?

あと人の悪意が災害を引き起こし、ハッピーな感情が天に届くと平和になる、という説もありますね。

この漫画の世界では幽霊は出てきませんが、鬼滅の刃の鬼と違い、人間と呪霊は別物として登場していると思います。

宿儺は元人間なので別物ですが、彼は「天災みたいなもの」と言われているため、生き神様のようなものなのかな?

神様も良い神様と祟り神がいますしね…

七海が1年生のときに灰原と赴いた地にいたのは産土神だったため、それで灰原は亡くなってしまっていました。

人間の呪いではなく、神の呪いだったので学生では対抗できない相手だったのでしょう。

そういう人間への被害を食い止めるために、呪術師は国と手を組み、呪いを祓っている。

しかし呪いを生業にする呪詛師もいて、次々と敵は出てくるし、天元様が日本を結界で守ることが世界を守ることになる、という設定もちょっとまだよく分からない。

御三家とか、各キャラの能力もまだ全部出てないし、更に各キャラが魅力的だし、もうホント面白くてハマります!

勧善懲悪の、主人公がとにかく強くなるヒーロー物、じゃないところも良いですね。

まだ虎杖の出自も明らかになっていないけど、羂索により「器」として作られているっぽいし。

何にせよ呪術師がラスト以降もまだ戦わなくてはいけない世界になるか、ならないか、が気になるかな。

その為の犠牲になる呪術師は、これからも出るだろうけど…
最近色んな漫画やアニメを観ていると、やたらと「毒親」が出てくるなぁと思います。

これを人に話したら

「今の子供は恵まれているから、敵扱い出来るのが親くらいしかないんじゃない?」

と言われたのですが、どうでしょうか?

毒親はエッセイとかでも一時期から人気になってはいますね。

ヒステリックにキレる人に絶対読んで欲しい!「キレる私をやめたい」ネタバレ感想

私はかなりキレやすい性格です。それは自分でも分かっていて、やめたいし、やめる努力をしようと色々してきました。元彼に振られた理由も、キレると怖いから、と言われたからでしたし…色々調べていった時に、私がキレやすいのは、母親や父親とそっくりだからだ、と気付きました。そして、両親共に、自分たちがキレることを反省していないことにも気付き、今は両親と距離を置いています。今日、ネットサーフィンをしていたら、バナ...



芥見下々さんはファンブックを読んでいても「色んなジャンルの漫画を読んでいて、女性向けのものも読んでいて、若いのに知識の幅が広いなぁ」と感心しています。

それゆえにオマージュとして扱ったものをパクリと言われたりしていますが、ハンターハンターとかは私は読んでいないから何とも言えず。

色んな漫画の面白いものを詰め込んでいる、とご本人も言っているけど、それを面白く作品化するなんて誰にでも出来ることではないし、これだけ魅力的にお話も絵も描けるのはすごいなぁと思います。

キャラの感情の変化とか、やっぱり感性が若いなって感じること多いですね。

ゆとり世代で括って良いか分からないけど、よしながふみの漫画のように、

「友達でも家族でも、どんなに仲が良くても他人であり、気遣いをする線引がある」

というののバランスの取り方が上手いな~と思います。

お節介おばさん・おじさん、みたいな人がいないんですよねぇ。

五条悟も生徒思いだけど、戦いを楽しんだり、救えない命はアッサリと見切りをつける冷酷さがある。

口が悪い、態度が悪い時のある女性キャラも、仲間思いで情に厚い部分もあり、私はそこがテンプレ化していなくて良いなと思いますが、一部の読者の中にはもう口の悪さとかだけでアウトになっちゃう人もいるみたい…

まぁそれこそリアルな生活でもそういうことってあるし、そこがまた令和の漫画として面白い部分だと思うけど。

あ、でも思い返すと吉田秋生とか萩尾望都とかも昔からそういう、勧善懲悪ではない柔らかい心の境目を掬い上げるお話色々描いてるか。


私なんかよりプロの漫画評論家の方がシッカリと漫画の歴史を踏まえて良い記事を書いているだろう、と思うのですが、現時点ではネット記事ライターの主観による、単に流行りに乗っかっただけの呪術廻戦記事が多く、読んでガッカリすることが多いです。

読者のツイートも、前後の脈絡関係なかったり、重箱の隅をつついてるつもりで見当違いなこと考えていたりとか…

ということが何故起こるのかな?と思ってツラツラと最近ずっと考えていたのですが、これそもそも

「読解力や言葉選びの知識が偏っている、学校教育に変化が起きている」

とか関係していたり、します?

リアルに生活をしていても、こちらの意図していない汲み取り方をしていきなり怒る人、一度思い込んだらどんなに説明をしても聞き入れない人は、たくさんいる。

頭の良い人は、馬鹿にも分かるように話すし、馬鹿の言いたいことも汲み取れる。

でも馬鹿同士だと意思疎通が成り立たない…

年齢関係なくこれは起こり、私自身にも問題があるんだな、どうしたら良いのかな、と社会人としてもブロガーとして考える日々なのですが、いやもうホント、感想とか言葉にするのは難しいですね。

先日の観劇感想ブログなんて、コメント欄にも賛否両論来て驚きました。

#フェイクスピア パンフレット読後ネタバレ感想~「コトバの一群」を「不謹慎」と言うのはダメなのか?

昨夜観た舞台「フェイクスピア」のパンフレットを読みました。が、そこには私が知りたいことは書かれていませんでした。私が知りたかった、あの日航機墜落事故を題材にした理由というのは、この「コメント」に書かれていたようです。このコメントに近いことはパンフレット内でも少し言及されていましたが、それ以外に掲載されていた内村光良との対談等を読み、個人的には「あぁ、野田秀樹にとって、あの事故は『他人事』なのだな」...



思ったのは「0か100、善悪で相手の言葉を分類出来ると思ってる人多いのかな~」ってことです。

そう思われないように言葉を選んだつもりでも、私が上手く出来なかったんでしょう。

漫画家さんは1コマのセリフの1文字でも悩むことがある、と言われていますが、どの言い方がキャラに合い、読者に伝わるのか考えるのは大変だろうなとつくづく思います。

それでも、「これがベスト!」と思った言葉を誤解する人がいたら気の毒ですよね。

9割の人が理解できても、1割の人が理解できず、誤解したまま世界に向けてSNSで発信してしまう。

それを読んだ人がそのまま鵜呑みにしてしまうこともある。

陰謀論がSNSで湧き上がっているのを見ても、そういう人の感情ってめちゃくちゃ怖いし、でも面白くもあるな、と思うのですが、やはり「勉強は大事」という五条悟の言葉も思い出します。


言葉には色んな解釈があって、昔は小説家同士が他雑誌で互いを批判し合う、なんてこともありました。

今もTwitterでそういうやりとりはよく見かけます。

色んな価値観があって、言葉選びがあって、それで喧嘩したり共感し合うのは楽しい。

そのくらいの気持ちで私も、他の人の考察や感想を読むのは楽しい。

けど、たまに「は??」というのがあると、ウザいババアとして怒りが湧いてしまうんです…

そのストレスを回避するためには、信頼できるアカウントやライターの記事だけ読むとか、公式の出してるものだけ読んで友達と語る程度にするのが良いのでしょう。

そんな風に色んな考察で話題になるくらい、「呪術廻戦」が人気なのは良いこと!

「じゅじゅトーク」で諏訪部順一さんが、「原作を読んで自分が解釈していたことと、アニメの監督さんの解釈が違うことがある」とも話していたし、プロでも解釈違いが起こるのは面白いですね。



と、何とか穏便にこのブログを〆ようと思いましたが…

いつもジャンプが発売になってすぐに「#呪術本誌」がトレンド入りし、開くとトップの方に必ず出てくる某アカウントの方、あまりに考察違いが多すぎてミュートしちゃいました…

ご本人なりに言葉の意味とか、描かれてた花の花言葉とか調べて発信するのを楽しんでいるのは分かるんです。

が、もうそれ物語の主題からズレていってるよ!?と思うことも多くて、

あ~今回のこのお話、震えたなぁ…他の人はどう思ったかなぁ…

とワクワクしながらTwitterを開いたら、トンチンカンなことで騒いでる人がいて目障り…という、とても身勝手な気持ちになってしまう私がいるんです…

もちろん、私が書くことに対してそう思う人もいるでしょう。

ブログはそっ閉じ出来ますが、Twitterは文字数少ない分目に飛び込んで来ちゃうため、ミュートするしかありませんでした。

私の解釈が間違っているのかもしれない、いやまぁ誰が合ってても間違ってても楽しめれば良い。

とも思うけど、最低限の線引、読解力の中央ラインは必要なのかも?

ドラマって公式サイトが1話ずつあらすじを書いていますよね。

漫画でもそういう、1話のあらすじとか、設定の説明がもう少し公式からあると良いのかな、という気がしてきました。

作者さんや編集部がインタビューで回答することもあるけど。

あ、それがまとまってるのがファンブックなのか。


呪術廻戦 公式ファンブック (ジャンプコミックスDIGITAL)

さすがに呪術廻戦のファンブック第2弾が出るのは当分先だと思いますが、アニメ2期くらいには出るのかな?

その時までに五条悟、出てきてるかしら…

あぁ…結局私もキモオタとして、自己流の批判だの考察だのを書いてしまいました。

オタクはこうやって語りたがりなのよね…

その指針となる何か軸を公式に求めるのも、やっぱり筋違いなのかな。

芥見下々さん、ただでさえお疲れなのだし…

ただあまり変な考察が湧くと、「自分の描き方は間違ってるのかな?読者に伝わっていないのかな??」と思わせてしまう気がします。

以前Twitterで話題になったこのpixivの漫画を読むと、より漫画家さんのことが心配になりますね…



勝手なことばかり言って、期待して、ごめんなさい…

漫画家にも読者にも必要以上に何かを求めず、楽しさだけ満喫できるオタクでいたい…

それでも、どうしても国語力・読解力が気になる!

これは最近の観劇でも感じたことなので、この辺をテーマにマスコミや政府がちょっと動きを出さないかな~と最近思っています。

もちろん漫画とか小説のネタとかで過去にもなってることなんだけど。

呪術廻戦の読者は老若男女いるので、それぞれの価値観の違い、解釈違いとかもデータ化で見られたら参考になりそうだなぁ。

という、考察厨に喧嘩を売るオタクの戯言でした。

あー書いてちょっとスッキリした!

こうやって言葉として吐き出したいだけなのよね、きっと皆んな。
関連記事
※当ブログ記事内には、実際に購入・使用した感想に基づく商品プロモーションを含んでいます。
PR

シャオツ  

お察し申し上げます

観劇感想からたどり着きましたが、お考えをあれだけ詳細におっしゃっている感想に明後日からのとんちんかんなコメントも有り勝手ながらお気の毒に思っておりました。
まさかこちらの項目で言及なさるとは思いませんでしたが大いに溜飲が下がりました。
人の話は聞こうね、視野は広めようね、を集約すると「勉強は大事」の一言になるのでしょう。
ご本人には届きませんでしょうがこのくらいは言ってもよいかと。

あの芝居に対する感想は人それぞれでも貴女のあの感想を正確に読み取れないとは情けない。
ましてや讃えてる人を攻撃してるように見えるとは。
賛否は有りましょうがとりあえずちゃんと読み解いてからの話ですね。

それなりのお覚悟を持って文章を書かれているようにお見受けいたしました。これからも楽しみに拝読させて頂きますね。

2021年07月09日 (金) 03:31