呪術廻戦・小説版2冊の全話リストネタバレ感想~七海と五条悟が北海道のバーに行く!

2021年03月07日
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普段はアニメや漫画の二次創作的な小説版を読まないタイプですが、中村倫也が読んだとツイートしていたため、15巻とファンブックと一緒に小説版2冊を買いました。

感想サイトなどを見ても「原作ファンも満足する内容」という褒め言葉が多かったので期待していましたが…

んー、エピソードはかなり良い部分があるけれども、文才がオタクの二次創作レベルって感じかなぁ。

本編の時系列の間に起こった高専関係者の日常プラス、真人のエピソードが入っています。

中村倫也も褒めていた真人と浮浪者の老人のエピソードは、かなり詩的で本編とは違うけど良かったですね。

個人的にはナナミンと五条悟が北海道のバーに行く、五条と家入さんと伊地知さんが飲み屋に行く、というエピソードで、ノンアルコールなのにハイテンションな五条悟の様子が知られて良かったです。

とりあえず各エピソードのネタバレ感想を書きます。

1冊目「呪術廻戦 逝く夏と還る秋」


呪術廻戦 逝く夏と還る秋 (ジャンプジェイブックスDIGITAL)

第1話「休日廻戦」

日曜日にに都心に出た虎杖・伏黒・釘崎。

釘崎はアメ横に行くと言うが、虎杖は秋葉原に行きたいというので、伏黒は興味ないけど一応虎杖の保護者代わりに秋葉原に着いていくことに。

道中で五条悟を見かけて追跡。

ゲーム台を見たり、レコードショップ等に入る意外な五条悟の休日の過ごし方を追う内に、そのままメイド喫茶に入ることになってしまった…

それなりに楽しむ虎杖を尻目に、困惑してウンザリする伏黒。

結局コレは、五条悟がメイド喫茶の隣のビルにいる呪霊を勉強代わりに祓わせるために仕掛けをしていた最中だった、というオチで、ラストはそのまま3人で祓いに向かわされる。

ポケットから落ちた、伏黒とメイドさんのチェキを見て笑う五条悟。

〈感想〉

1話目からいきなりオタク感満載だったので、正直引きました…

こういうの好きな人いるのかもしれないけど、伏黒がメイド喫茶に狼狽えるのとか、なんかテンプレ過ぎて微妙かなぁ。

オタクが考えた二次創作あるあるな感じで、私はぴんと来ませんでしたね。

とりあえず、日曜日に五条悟が寮にも高専でも見かけなかった、と伏黒が思ったということは、やはり五条悟はあの寮に基本住んでる設定ってことで良いですか?

東京の郊外、あの風景から考えると高尾山〜奥多摩の方だと思うんですが、そこから休日に秋葉原に行くってめっっっっっっちゃくちゃ遠いよね?

若い子には気にならない距離なのかしら…


第2話「反魂人形」

北海道へ出張することになった七海に、何故か五条悟が着いてくることに。

ナナミンは五条に翻弄されながらじゃがバターを食べたり、アイスを食べ、そして本命の「死んだ子供を生き返らせる呪詛師」に子供を提供した親子、呪詛師本人と対面します。

倒した後に2人でバーに入り、甘いノンアルコールのドリンクを飲みながら五条悟は

「虎杖悠二の面倒を見て欲しい」

と頼み、その後あの映画館での呪霊・真人との対決に繋がっていくのでした。

〈感想〉

五条悟がとにかくマイペース、勝手、甘党、でも真剣な時はガラリと変わる、というのを書きたかったんだろうなって感じ。

元々「飲み屋では五条悟はどう過ごすんだろ?バーとか行くのかな?」と思っていたので、そこは描写されててスッキリしました。

絵面としては、ナナミンと五条悟がバーにいる姿って、想像すると素敵~

しかし五条悟の下戸は、体質の問題で頭が痛くなるのか、美味しくないのか、毒のように体内に入れること自体受け付けないのか、ちょっと気になるところです。

14巻の原作の状況を知っているだけに、このエピソードはちょっと切ないですね…


第3話「闇中寓話」

真人が高架下をアジトにしようと入り込むと、そこには眼球が焼けただれて無いホームレスの老人が座り込んでいました。

目が見えないはずなのに、真人の存在を察知する老人。

老人の魂はまるで「石」のようで、感情に動きが無いことに関心を持つ真人。

共に過ごす内に、老人は博識であり、妻と部下に裏切られて全てを奪われたこと、そしてそれを特に恨んでも悔いてもいないことが分かります。

カフカの「変身」について語ったり、「ストレスの無い会話」を楽しんでいたのですが、調子に乗った荒くれ者に老人は蹴り殺されてしまいました。

今際の際に真人が話しかけると

「看取ってくれる人がいるなんて思わなかった、ありがとう…」

と言って笑顔で事切れ、その最後に初めて見せた心の動きに真人はなんとも言えない気持ちになりました。

荒くれ者2人を小さな改造人間にした真人。

その後ふらりと真人が向かったのは、あの吉野順平と出会う映画館でした。

〈感想〉

真人が積極的に本を読んだり映画を観て、人間の感情を知ろうとしていることが分かります。

順平に対して「君との会話はストレスが無くて助かる」と言ったのに繋がっていますね。

あぁ真人にもこんな時間があったのかな、と思うと興味深いし、エピソードの題材は良かったと思います。


第4話「働く伊地知さん」

虎杖が一旦死に、復活して学校に再度現れるまでの間のお話。

五条悟が過ごし長めの出張に出ることになり、その間虎杖は伊地知の自宅で過ごすことになりました。

全然趣味も合わない伊地知に戸惑う虎杖でしたが、彼が大量に書類を作成して役所に提出し、呪術師のフォローをし、五条悟の無理難題を聞き入れていることを知り、彼に感謝します。

しかし伊地知は、本当はずっと虎杖を一度死なせてしまったこと、これからも生死を賭けた場に送り届けることへの申し訳無さを感じていました。

お互いそれぞれ役割は違う、でも、呪術師は伊地知さんがいるから仕事が出来る。

地味な仕事だけど、大事なことをやってくれていてありがとう、という虎杖の言葉に、伊地知は涙を流すのでした。

〈感想〉

これはシンプルに良い設定ですよね。

伊地知さんの心境はアニメではあまり語られることがないから、こういう気持ちは抱えてそうだなと思ってました。

彼の場合は学生時代に先輩が五条悟だったりしたので、もう自分程度の能力では呪術師になれない、と早々に分かったんだろうなぁ。

伏黒にも「いても役に立たない」と言われちゃったりしてたし、ストレス多そう…

そんな彼が裏でシッカリと働いている姿を虎杖のような若者が見られたのは、良い話だったなと思います。


第5話「守鬼幻視行」

虎杖が高専に復帰する直前のお話。

高専関係者には見つからなそうな住宅街を散歩して気晴らしをしてた虎杖は、夜21時過ぎに公園でブランコに座る少年に出会います。

気になって声をかけると、彼は「家の前に鬼がいる」と言い、それを退治しに行くことに。

しかし何度倒しても鬼は現れ、五条悟に話してアドバイスをもらったことにより、虎杖は

「あの鬼を作り出しているのは、少年本人の恐れだ」

と気付くのでした。

実は少年は祖母を亡くした後に近所の夫婦宅の養子になっており、その申し訳ない気持ちで自身を責め、鬼を作り出していたのでした。

それが分かり、無事に虎杖が鬼を退治して終了。

〈感想〉

これはまぁ、五条悟は生徒には的確に大人なアドバイスをするシーンが入れたかったのかな、というエピソードかな。

祖父を亡くした虎杖には、感情移入出来る部分があったのかなぁと思います。

ただ…やたらと大福を食べたりとか、五条悟の甘党アピールが1冊の中で多いよなぁ…胃もたれ…

ヘラヘラしてるけど頼りになる、のが五条悟の魅力というのは分かりますが、私の中の五条像とちょっと違うかなぁ。

生徒思いの良い先生なのは確かなのですが、でもそれは自身の夢を叶えるための手段であるし…
2冊目「呪術廻戦 夜明けのいばら道 」


呪術廻戦 夜明けのいばら道 (ジャンプジェイブックスDIGITAL)

第1話「野薔薇と棘」

「おにぎりの具しか話さない狗巻棘って、どんな人なんだろう?」

そう交流会前に思っていた野薔薇。

それは八中八橋の後にもまだ納得がいっていないままでした。

そんな折、休日に渋谷で買い物をしていたら棘と偶然会います。

別れて買い物を続けようとする野薔薇を引き留めようとする棘、意図が伝わらないまま離れてしまう野薔薇。

その後スカウトマンのフリをした呪詛師に野薔薇は囚われ、狗巻が助けに入ったことにより、野薔薇は棘の優しさを実感。

以降、おにぎりの具のみでも棘と野薔薇は会話が出来るようになったのでした。

〈感想〉

狗巻は0巻を読んでいると、「最初は誤解されやすい人」という認識になりますね。

私はアニメだけ観ていたときには、何か可愛い顔した男の子、くらいにしか思ってませんでした。

交流戦の時の活躍を見て、あ〜狗巻良いじゃん!強いじゃん!となり、その後原作を読んでなお好きになりましたが、まさか町中で知らない人にもおにぎりの具しか話さないとは…

野薔薇と棘は話すシーンが今まで無かった分、新鮮に感じました。

ストーリーとしてはベタベタでしたけどね…


第2話「此処に在らずとも」

与幸吉(メカ丸)が交流会の後に京都で任務にあたるストーリーです。

内通者になってしまっていることに罪悪感を抱いたり、所詮ロボットの身体を卑下したり。

でも仲間たちが自分を気にかけていることを感じ、任務で危険な状態でも女性陣にもらったキーホルダーを守り抜いたメカ丸。

無事に敵の呪術師も倒して一件落着。

〈感想〉

これはもう、単行本でメカ丸のその後を知っている身には切ないです…

まぁ原作で想像がつくレベルの内容ではあるんですが、ちょうど野球回を観た直後なので楽しく感じました。

ってか、あのピッチングマシーンはやっぱりメカ丸じゃなかったのね…

メカ丸、三輪のことが好きだったんだろうに…

ちゃんと身体が治ったら、皆んなと肉体で戦い、そして三輪に気持ちを伝えたかっただろうになぁ。

そう言えば加茂と東堂はこのエピソードにしか出てきてませんね。

東京校も京都校も、生徒人数が少ないのもあるんだろうけど仲良しで良いな〜。


第4話「浅草橋哀歌」

急に仕事が暇になり、時間と気持ちを持て余す伊地知。

そう言えば疲れが溜まっているのか、最近胃が痛むな、と憧れの硝子に診察してもらった流れで、夜に浅草橋のお店で飲もうと誘われます。

2人きりだと思って浮かれていたけれど、そこには既に五条悟の姿も…

硝子オススメのお店で美味しい食事をし、お酒を飲み、そして

「実は五条が、今日は伊地知に飲ませようって提案をした。

ずっと虎杖の件で責任を感じていたんだろう。

もう虎杖のことは心配しなくても良い。

疲れが溜まっているんだし、今日はこのまま帰って寝て、明日は休んで良いよ」


と言われ、涙ぐむ伊地知。

しかし休み明けに出勤すると、五条悟からの大量の仕事依頼がドッサリと机に置かれていたのでした…

〈感想〉

ナナミンに続き、伊地知と硝子と飲み屋にいる五条悟が描かれていました。

メロンソーダにアイスクリームを乗っけたり、本当に甘党なの…ね…?

後輩の伊地知のことを気にかけているってことなんだろうな〜。

しかし、伊地知は硝子とはもう10年近い付き合いになるのだし、いつまでも片思いしているなんてことあるのかしら?

硝子と五条が2軒目に向かって終わってましたが、私はこの2人がカラダだけの関係ってのもアリなんじゃない?とコッソリ思っている派です。

本命にはぜっっっっっったいにお互いしないだろうけど。

しかし何故浅草橋だったんだろう…高専から遠いし、平日の18時前に店に向かうのって無理じゃない?


第4話「幽往舞進」

交流会後に京都に戻った禪院真依・西宮・三輪のお話。

お茶をしながら思い出話をし、姉の真希の活躍を目の当たりに落ち込む真依。

同じくボロ負けだった西宮・三輪がフォローしている所に、真依を慕う「窓」の少女が現れます。

彼女が呪霊を追っていることを聞き、何かあれば助けてください、と笑顔で言いながら別れた直後に彼女は姿を消しました。

所詮一般人の窓。

しかも勝手に二級呪霊を追っていたこともあり、高専側は真依達どころか誰も救助に向かわせない予定でした。

それでも真依は口約束で「助ける」と言った自分を嘘付きにしないため、勝手に呪霊を追うことに。

察していた西宮・三輪も同行し、無事に3人で何とか呪霊を祓い、少女も救出。

真依は西宮と空を飛びながら、もっと高みを目指す気持ちになりました。

〈感想〉

…どうして女性陣だけで何とかしようとしたんだろ?

一般人の窓って、そんなテキトーな扱いなの?

東堂と加茂とメカ丸以外はどうしても弱い印象のある京都の女性3人ですが、何かこう、それはそれでホッコリしますね。

心意気はあるので、これから強くなっていくのか期待!


第5話「散歩道の後に」

交流会後の秋、2年生も任務で不在の日に暇を持て余した虎杖・伏黒・野薔薇。

コンビニに行った後、フラッとアミューズメント施設に行くことにし、そこでセグウェイに乗ったりたこ焼きを食べながら楽しみます。

そうやって一緒に過ごしつつも「こいつは一度死んだんだ」ということを考えてしまう伏黒。

そして野薔薇は口に出さないまま、でも今日は虎杖のしたいことを優先してやっていることに気付きました。

これには実は虎杖も気付いていて、その後2人がやりたいことを、と言った虎杖の気持ちを汲み、3人はモノマネ罰ゲームを賭けてバッティングセンターで対戦。

虎杖圧勝、伏黒が次点、野薔薇が罰ゲームとなり、ケンドーコバヤシのモノマネをして皆んなで笑うのでした。

〈感想〉

あぁ…この直後に渋谷事変があると思うと辛い…

虎杖と野薔薇は気が合ってるけど、自分はその中に溶け込めてないなぁ、とぼんやりと思う伏黒、かぁ。

私の中の伏黒像は、ちょっとそういうタイプではないため、この小説の中では彼のキャラクターに納得がいってません。

1冊目の1話もだけど、振り回されてイヤイヤ付き合うってのは五条悟に対してであって、同級生のマイペースさには「ま、いっか」くらいでふらっと接してるイメージなんですけどね。

諦観の境地にいる伏黒が、こんな風に感じることもあるのかもしれないけど…

どうも作者さんの印象の伏黒は、優しすぎるというか、オタクが好きな2番手キャラ感が強い気がするかな。


総評

ふー、2冊は1日で読み終えましたが、なかなかホッコリして良かったです。

1番最初のメイド喫茶のエピソードは、ホント要らないと思うんだけど…

基本的にはキチンと本編と時間軸を合わせて、裏話的な感じにしているため、補完になる部分はありました。

野薔薇が「こちとら投げ飛ばされ慣れてんだよ」と交流戦で言ってたのは、パンダ先輩に投げられてたからか!と今更気付けたし。

野薔薇と棘は本編ではほぼ会話が無いため、そこを補完してたのも良かったな。

敢えて言うならやはり文章力が気になるところ。

漫画が元なのを意識しているのでしょうが、「○○は、こう思った」「○○はこう思いながらこんな表情をした」的な説明が多くて、そこが2次創作感を出しちゃってます。

所々、ここはオリジナル小説な気持ちで筆を走らせたのかな?と思う部分は良かったかと。

合間に芥見先生のイラスト付きだったのも良かった!

絶対読むべき!とまでは言いませんが、高専メンバーへの愛着が湧いたので、読んで良かったと思います。

ただなぁ、五条悟の性格が、私の中のイメージとちょい違うのがなぁ…

この小説だと、優しすぎるんですよね。

生徒思いに見えて、己の欲に忠実な部分も見たかったかも。

あと、おちゃらけてるのはアニメだと笑ってられるけど、小説だとしつこいかなぁ。

さて私の脳内では2パターン、妄想で作った五条悟の家族との関係、女性関係のストーリーが湧いているのですが、こんな風に妄想力を掻き立てられている方も多いのでは?

今年のコミケ、呪術廻戦の本いっぱい出るんだろうなぁ。

ただ、Twitterであまりにもカップリングツイートしてる方が多くて、これは男性ファンが引いてない?と勝手に心配はしています…

あくまで原作漫画ありき、の世界ですが、でも二次創作したくなる人の気持ちも分かるし、難しいですね。

その点この本は芥見先生が連名な分、男性は手に取りやすいだろうと思いました。
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