Netflix映画「The Prom(ザ・プロム)」ネタバレ感想〜レズビアン少女の最強オシャレなミュージカル

2020年12月11日
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今年はライアン・マーフィーの作品を立て続けに観ていますが、本日Netflixで公開になった映画「The Prom」最高に良かったです!



最初にお断りしておくと、私はミュージカルはほぼ興味ありません。

が、最近はそういうミュージカルに抵抗感にある人でも、ワーッとテンションが上がる面白い作品が増えてますね。

ミュージカルって途中に歌が入ってくるから、何が言いたいのか分からないとか、感情の変化が唐突だとか、ご都合主義な印象がありました。

その点この作品が入り込みやすいのは、テーマがとても明快で、そしてシンプルに見えて悲しい現実を前向きに表現しているところ。

田舎のインディアナ州に住む女子高生エマ(Jo Ellen Pellman)は、16歳の時両親にレズビアンだとカミングアウトして家を追い出された少女。



「プロムにガールフレンドと出席したい」と学校で公言したところ、PTAのママさん達から

「同性愛者を出席させられないから、今年のプロムは中止」

と言われていまいます。

そのような差別はアメリカ合衆国として認められない、と州からもプロム開催を指示されますが、PTAの代表ミセス・グリーン(Kerry Washington)は頑な。



この騒動がTwitterでバズっている、と知った落ち目のミュージカルスター達は、「古臭いナルシスト」という汚名を返上するために「良いことをして好感度を上げよう!」と決起し、ニューヨークからこの高校に乗り込むことにしました。

メインはトニー賞を3回獲ったスター兼バツイチのディーディー(メリル・ストリープ/Meryl Streep)。

強引で利己的な性格だけど、前夫が無名のコメディアンだった時に金銭面で支え続け、浮気をされ続けた結果「自分は愛されていない」と気付いて離婚を切り出した、という心の傷を抱えています。



ディーディーとミュージカルで共演して酷評されたゲイのバリー(James Corden)は、少年時代にプロムで好きな男の子が女の子と参加しているのを見たこと、両親がカミングアウトを受け入れてくれないまま絶縁状態になったことを内心気に病み続けていました。



2人のように有名ではない、主演を未だに夢見ているコーラス隊のアンジー(ニコール・キッドマン/Nicole Kidman)は、一緒に盛り上げるために参加。

キュートでコミカルでキャピっとしたノリながら、心優しい女性。



ジュリアード卒が自慢なのに、シットコムで評判になって以降は落ち目となり、今はバーテンダーのバイトをしているトレント(Andrew Rannells)も参加し、4人はプロデューサーやコーラス隊も連れてバスで田舎町に向かいました。



エマの高校の校長ホーキンズ(Keegan-Michael Key)は全面的に彼女の味方。



PTAを説得する会議を開いている最中に、このミュージカル俳優達が乗り込んできて歌とダンスを披露し始めました。

PTAはポカーン状態ですが、実はディーディーの大ファンだった校長は、戸惑いながらも彼女の登場を喜びました。

エマも困惑しつつも「あなたは一人じゃない!」と言ってくれる大人が現れたことを喜びます。

このミュージカルメンバーの登場は直接関係ないのですが、でもやはり州の指示によりプロムは開催されることになりました。

実はエマの恋人はPTA代表の娘アリーシャ(Ariana Debose)。

チアリーディングをしているリア充女子代表のような彼女ですが、実は父親が家を出ていって以来、母の期待に応えるため、必死になって勉強もチアも討論会などやっていただけ。

本当は自由になりたいと願っています。



エマとアリーシャが「ただあなたと踊りたいだけ」と歌って踊るシーンは素敵でした!
プロム当日にドキドキしながらエマが会場に向かうと、そこには誰もいませんでした。

実は皆んながエマには内緒で、会場を別の場所に変えていたのです。

アリーシャは母と会場に行ってそのことを知って驚きますが、でも電話越しに泣くエマの元に駆けつけることは出来ませんでした。

夢を打ち砕かれ、仲間はずれにされたエマは酷く落ち込みます。

その姿に共に泣き、怒るミュージカルメンバー。

なんとかエマを説得し、このことを世間に訴えるべきだと鼓舞します。

最初は誰の言葉にも耳を傾ける気持ちになれなかったエマでしたが、アンジーが連日側に寄り添ってくれ、そして心の中の勇気を引き出す魔法を教えられたことにより、世間に顔出しすること、再度プロムを開催することを決めました。

校長はディーディーが売名のために高校に来たことを知って怒りましたが、実はディーディーは彼に恋をし始めていて、そして彼を説得するためにも「良いことを無心でする」と、別れた前夫の人気番組にエマを出演させる約束を取り付けます。

その見返りとして、ディーディーは前夫に別荘を渡さなければいけなくなるのですが…

また、トレントはエマの同級生達の前で持論を披露し

「君たちは本当に良い子なのか?聖書に書かれてることを本当に全て守ってるか?

ホラ、都合の良い部分だけ聖書に合わせて、都合の悪いところは見てみぬふりしてるだろ?

それなら聖書の中の一番大事なこと『隣人を愛せ』だけ守れば良い」


と歌って踊って説得し、彼らも

「確かに…エマが同性愛者だって分かる前は、彼女のこと嫌いじゃなかった」

と気付いて協力的になってくれました。


さぁ、エマをテレビに出演させるぞ!となったその時、エマはアリーシャと話します。

「一緒に皆んなの前に出ない?」

というエマに

「そうしたいけど…」

と言葉を濁すアリーシャ。

「そうしたいけど、じゃなく、私のことを好きなら一緒に出るはず。

もう私達はおしまいね」


とエマは別れを告げました。

そしてプロムに悲しい思い出があると語っていたバリーに、一緒にプロムに参加して欲しいと頼みます。

念願だったあのプロムに、今更ながら参加できるなんて!と喜んだバリーは、ディーディーから指摘された両親との確執を乗り越えたいと思いますが、でもやはり勇気が出ず…

結局エマは自分の意志をテレビで話すのではなく、自分の作った歌をYou Tubeにアップする、という表現で世界中にメッセージを発信することを選びました。

それに賛同した人全て、誰でも参加できるプロムを開催することとなり、資金はディーディー達がなけなしのお金を出し合います。

プロムの準備中にPTAが乗り込んできてまた大反対を始めましたが、ついにアリーシャは母親に

「人はゲイになるんじゃなく、生まれながらにゲイなのよ。私は知ってる」

とカミングアウト。

プロム当日にはディーディーから連絡を受けたディーディーの母親が現れて感動の再会&アリーシャの母親が「生まれた時からずっとあなたのことを好きな気持ちは変わらない」とレズビアンであることを受け入れました。

ディーディーは校長と見事カップルになり、大団円!


とストーリーを書くと本当にシンプルなのですが、出演者がとにかくゴージャスだし、歌もダンスもカッコいいし、映像も素敵だし、やっぱりレズビアンであることに差別を受けても気にしないフリをするエマの姿には涙が出ました。

まぁもうメリル・ストリープとニコール・キッドマンが歌って踊ってるだけでも、年配層はグッときますね。

二人共高校生に負けないくらい、可愛くて魅力的!

「プロム」ってアメリカのお話には本当によく出てきますが、「最高の恋人との思い出」というリア充派と、「相手がいなくて孤独で辛い日だった」という陰キャ派と、真っ二つに分かれる印象があります。

私は日本の高校だった上に女子校だったので、ある意味そんな残酷な判定基準が無くて良かった…のか??

アメリカは50州もある上に、州によってかなり環境が違うっぽいことも最近知りました。

やはりロサンゼルスやニューヨークならLGBTQをカミングアウトしやすいけど、田舎の方だとまだまだ厳しいみたいですね。

日本もそうだろ?と思う部分もあるけど、でもあちらはやはり宗教上の理由で禁止という概念があるため、偏見や差別の歴史も日本では考えられないくらい陰湿な面があります。

ライアン・マーフィーはそういう状況を変えたい、という気持ちを持って、でもLGBTQ以外の人も楽しめる作品をいっぱい作ってるところ、すごいなぁ。

ちなみにトレントが自慢しているジュリアード卒、は、私の推しデヴィッド・コレンスウェットも同じなのよね…

David Corenswet(デヴィッド・コレンスウェット)は、高学歴&家族と犬猫大好きの超絶イケメン俳優

ここ3日David Corenswet(デヴィッド・コレンスウェット)の出演作を観つつ、彼のことを調べていました。 この投稿をInstagramで見る So I’m told it’s standard NOT to receive a free dog in these circumstances, so all we’ve got are these rad pictures of me THINKING about a free dog. Thanks @Vmagazine, it’s a Vcool spread in the Fall issue (and I’m totally cool with the dog thing). Wonderfu...


ライアン・マーフィーのドラマに立て続けに2本出たので

「お、これはお気に入りになったのかな?

別の作品にも出てくれないかな〜」

とずっとチェックし続けているのですが、未だに新情報が出ず…

うーん、マット・ボマーと共演してくれたら、口を閉じる暇を忘れるくらい画面に没頭するんだけどなぁ。

さてこのNetflix映画、映画館でも上映中とのことで、あの音楽と映像を最高に楽しむのであれば映画館に行った方が良さげです。

Netflixに未加入の方も、映画館に行けるのであればぜひぜひ!

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