「命を守る最善の行動」ニュースが連呼する違和感は「他人事」な説教臭いポエム?

2020年07月08日
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今年もまた「数十年に一度の災害」とニュースが連呼する大雨被害が出ています。

私自身は都内在住でも、親族の多くが九州在住のため、いつも他人事とは思えません。

何年か前には、山中の村に住む伯母の自宅が土砂災害の被害を受けました。

伯母は従姉妹の家に避難していて無事だったのですが、テレビニュースではずっと一番被害の大きい場所ばかり映し続けていて、でも今すぐ親族でも出来ることは無いのがもどかしかったです。

九州は本当に地震や大雨の災害が多く、以前は街中のマンションに住む従姉妹の車も水没したことがあります。

その後近くの川は強化工事され、以降は大丈夫になったとのことですが、それさえ今回の大雨に耐えうるのかどうか、はニュースを観ても分かりません。

伯母はここ数年は大雨のニュースが出る度に、従姉妹の家に早めに避難していました。

なので今回もそうしているだろう、と思いつつ一応従姉妹にLINEで聞いてみると

「昼頃に車で迎えに行こうか?って聞いたんだけど、今回はお友達の家に避難するから良いって言われた。

一人じゃないだけ安心だけど、でも川から離れていても山だから心配ではあるんだよね。

明日には実家が流されていたりして…」

と返ってきて、こちらとしては

「え?今までは街中に避難してたのに、何でこんなに『今まで経験したことのない大雨なので、命を守る最善の行動を!』とテレビで連呼されてるときには、まだ山の中にいるの?

とビックリ。

ただ、遠隔地にいる私が勝手に心配して

「お母さんがそんな風に言ってても、いいから今すぐ車で迎えに行きなよ!」

なんて上から目線で言えません。

自分自身は何もしないし、土地勘がそこまであるわけではない。

その時点では福岡のあちこちで水没のニュースが出ていて、今から車で従姉妹が無事に迎えに行けるかも分かりませんでした。

ニュースでは「久留米市が水没」と連日報道していますが、久留米も広いので、親戚の家や、そこを通ってさらに山に向かう道が無事なのかどうか分からない…

もう一軒の親族が久留米市在住なので、私も何度も久留米に行っているし、昨年末は親族に会いがてら菅田将暉の舞台を観に久留米に行ってます。

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今の所、親族に被害が出たという話は届いていませんが、熊本の被害も大きいし、福岡でも亡くなられた方がいるとのこと。

ふるさと納税で支援をしようとする動きも、Twitterでたくさん見かけました。


【ふるさと納税】【令和2年 九州(鹿児島)大雨災害支援緊急寄附受付】鹿児島県さつま町災害応援寄附金(返礼品はありません)


【ふるさと納税】【令和2年 九州大雨災害支援緊急寄附受付】福岡県広川町災害応援寄附金(返礼品はありません)

ニュースを見聞きして募金をしようと思う人が増えることは、良いことだと思います。

ただ、私がモヤモヤするのは…

テレビニュースの「命を守る最善の行動を!」というフレーズは、実際にその現地に住む人と、離れて暮らす親族をとても不安にするもの。


今回熊本では、子供・親・祖父母等3世帯全員がお亡くなりになったケースもありました。

ご高齢で避難のタイミングが遅れて亡くなった方もいます。

とても痛ましい、悲しいことなのですが、もし自分の親族がその被害者だった場合、どうような行動を取りますか?

近くに住んでいたら、迎えに行くことも出来ます。

でも、ニュースが出ている時点ではもうすでに多くの被害が出ている時に、一人暮らし高齢者の親戚に

「今すぐ避難して!」

なんて言えません。

早めに避難するにしても、その準備を自治体がし終えているのか分からない。

市や町の名前をニュースで連呼している時点では、九州のどこからどこまでが、どんな状況なのか、がリアルタイムでは分かりません。

結局のところ、地元の自治体や近隣住民の方と協力しあって逃げてくれるか、安全な地域に住む親族に車などで迎えに行ってもらうことを祈ることしか出来ない、と私は思いました。

「余計なお世話」というと言い方が悪いですが、現地の状況が分からない人間が「命を守る最善の行動を」と呼びかけるのは、他人事だから言えること。

その具体策は地域や状況によって違い、どう判断すべきかは現地の人任せになってしまいます。
今はコロナのこともあり、今後親族の家で被害が出たとしても、東京から手助けにいくことは出来ません。

私に出来ることは、何かあったらお金や品物を郵送で送ることだけ。

なのに一昨日はテレビニュースで

「このニュースは九州では報道されていません!

お知り合いの方が九州にいる方は、連絡を取ってこの情報を伝えて下さい!」


と言っていました。

もし親族がこの大雨情報を全く知らずに自宅にいるとしたら、それはもう「自治体、なんとかしてよ…」と思ってしまいます。

相手が車の運転が出来、足腰が丈夫で若い人で、まだ安全な地域にいるのであれば、それはもう率先して連絡を取りますが、でもそれさえも「野次馬根性」と思われてしまう危険性があること。

そして、今被害を受けている真っ最中になってしまっていたとしたら、離れた親族に出来ることはその地域の自治体に電話などして救助をお願いすること、になります。

しかし、テレビニュースではそういう際の「救助の依頼先」の一覧リストを掲示してくれるわけではない…

今回は痴呆になった親族は入院中だと聞いているので、そちらは安全なはず、なのですが、それもまだ未確認となっています。

報道に福岡の病院被害ニュースが出ていないから大丈夫なんだろうけど…

同居している従兄弟の乗る路線も運休していました。

もし痴呆の伯母が家に一人だったら、この大雨の中どうやって逃げてもらえば良いの?

そういうハラハラした気持ちの時にテレビで「命を守る~」を連呼されると、正直イライラします。

「所詮他人事だから言えることなんだよ!」と。

最近選挙のことでイライラっとしていましたが、それで他の人の意見も読もうと検索していたら、小田嶋隆さんという方を知りました。

コラムニストで、私の好きなコピーライターの岡康道さんの元同級生、共著もしている方とのこと。

まだ全てのツイートを読んだわけでもなく、どんな方なのか調べきっていないため、ちょっと過激な方の可能性もあるな…と思いつつTwitterをフォローし始めたのですが、このツイートには大納得。


その「正義」があぶない。

他、選挙に関しても割と同意するツイートが多くて、ちょっとこれからチェックしたい方です。

小田嶋隆さんの上のツイートの意図と、私の今の気持ちがピッタリと同じかどうか分かりませんが、たしかに感じていたのは「説教臭さ」でした。

具体的じゃないんですよね…その言葉って。

もし停電していたら?携帯電話が水没していたら?避難経路が崩れていたら?

テレビを観ている人は「だから、早く避難してって報道してたのに…」と思うでしょう。

私にも、何故今回伯母が街中に避難しなかったのか分かりません。

断られて引き下がった従姉妹の気持ちも分かりません。

でもそれは家族間の話であり、親族でも口は出せないんです。

今後私に出来ることは、親族に直接被害が出ていたら金銭的に、物質的に援助をすること。

昨年は東京も台風被害が出て、親族から「大丈夫?」と連絡が来ました。

そうやって心配してくれる気持ちは嬉しいけれど、もし私が避難している真っ最中だったとしたら

「いや、だから今逃げてるんだって!」

と思うでしょう…

「助けて!」

と言っても、助けに来てもらえない遠隔地の人にはどうしてもらうこともできない。

敢えて言うなら、やはり自治体に協力を頼んでもらうことだけだけど、携帯が繋がる状況ならそれは自分でも出来ます。

今後の報道に望むことは、「命を守る~」で不安を煽ることではなく、具体的に現地の人、遠隔地の人が出来ることを提示してもらいたいかなぁ。

そして、「命を守る」という言葉が与える不安について、少し検討して欲しいと思います。
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