ベン・プラット(Ben Platt)が12歳でゲイをカミングアウトした時の両親の対応が理想的
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歌がめちゃくちゃ上手いな、と思ったらミュージカル俳優さんでもあり、歌手でもあるんですね。
Sing To Me Instead
Twitterを見ると、リバー役のデヴィッド・コレンスウェットのことより、とにかくベン・プラット目的で観ているファンが多いことを知りました。
「ベンプラ可愛い~!」「ベンプラの歌サイコー!」
というツイートの中で目に止まったのは
「ベン・プラット、ゲイをカミングアウトしてたんだ」
というものでした。
それは気になる…
しかしベン・プラットは固定ファンはいるようですが、まだ日本ではそこまで浸透していないようで、日本語版ウィキペディアもありません。
英語版のを見て分かったプロフィールは、
Ben Platt(ベン・プラット)
1993年9月24日ロサンゼルス生まれのユダヤ人。
子供の頃から演劇を始め、コロンビア大学に合格したけれど、ブロードウェイミュージカル「The Book of Mormon」の出演のため6週間で退学。
2016年12月に出演したミュージカルでトニー賞など多くの賞を獲得。
映画やドラマにも多数出演し、歌手・作詞活動もしている。
「ザ・ポリティシャン」ではゴールデングローブ賞にノミネートされた。
アルバムの中でゲイをカミングアウトするようなPVを入れていた、というのも見かけたのでYouTubeを探したら、確かにこのPVは男性と同棲している設定になってました。

なるほど、「ザ・ポリティシャン」ではリバー役のデヴィッド君とキスしたりしていて、その時の表情とかめっちゃ可愛くてリアリティあるなと思っていたら、本当にそうだったのか…
しかしそれにしても歌が上手いなぁ、と思って、Netflixで公開されている彼のライブ映像も観てみました。
「ベン・プラット: ライブ・フロム・ラジオシティ(Ben Platt:Live from Radio City Music Hall)」という2019年9月29日に開催されたライブで、Netflixでは2020年5月20日から公開されている映像です。
このライブの中では、自身の歌以外にも、他の方の曲も歌っていました。
間にMCが何度かあるのですが、まず最初に話し始めたのが
「僕は6歳からステージに立って、色んな役をやってきたけど、ミュージシャンとしてステージに立つのは初めて。
僕はユダヤ系の音楽一家で育った。
今日姉弟も両親も来てくれているよ。(ここで家族が映し出される)
僕は12歳でカミングアウトした。
ゲイだと自覚してたけど、別に大したことじゃない。
学校の修学旅行でイスラエルに行った時、クラスメイトの1人がバスで
『ベンはゲイだからラッキーだよなー、女の子と遊べて』
と言ったんだ、見下すような感じじゃなかったよ。実際僕は女友達がたくさんいたし。
でも大人がそれを聞いてイジメと勘違いして『親に話さなきゃ』と言い出した。
それで僕は、先に初めて自分から親に話そうと思って、宿から時差も気にせず電話したんだ。
ママに話があるって言ったら
『それってセクシャルな話?』
といきなり言い出した。(爆笑するベン・プラットの家族が映し出される)
僕は『最後まで聞いて』って言った。
ママは続けたよ『別に驚かないわよ、スカートとか女の子の服ばっかり着たがってたし。何かそれに関する本を読んだりしたいの?他に必要なものある?』って。
僕は何だか変だなって思った。
そうしたら父が電話口から『そのままにしてろ』って、まだ12歳の僕に言ったんだ。
そんな感じだった。
だから僕は世界中の人に、こんな風に『別に大したことじゃない』って思って欲しい。
ニューヨークの皆んななら分かってくれるよね。
18歳の時に隠れゲイの人と付き合ってて、苦労もあったけど、その時のことを何年も考えて歌詞を書いたのがこの曲『Honest man』」
そう言って彼は歌い始めました。
12歳の息子の初めてのカミングアウト。
この話はいくつかの要素が組み合わさっていて、彼本人は気にしていなかったけど、学校の大人は「ゲイ」と友達から指摘されるのは「イジメ」と思ってしまった。
でも息子からカミングアウトされる前からとっくに察していた親は、普通に受け入れるどころか、だから何?な感じだった。
これ、すごく理想的なお話だな~と思いました。
以降もベン・プラットは、過去に付き合った人たちのことを考えながら作った歌を披露していきます。
両親も姉弟もいる会場で。
出会い系アプリで相手を探そうとすると、自分の顔写真を出しても本人だと思ってもらえない、とか、SATCのシャーロットみたいに常に恋していたいタイプだってことも話してました。
デヴィッド・コレンスウェット君の父親がユダヤ系と知って、最近ちょっと調べ始めたのですが、日本人の私はユダヤ人のことを全然よく知らないんだってことが分かりました。
「ユダヤ人は第二次世界大戦の時にドイツで迫害された。代表格は「アドルフに告ぐ」と「アンネの日記」」
というイメージと
「SATCでシャーロットが結婚した相手がユダヤ教で、改宗したくなくて揉めたけど、結局彼のために改宗した」
というエピソードくらいしか、私にはユダヤ人の知識がありません。
というか、調べたら「ユダヤ人」という人種ではなく、「ユダヤ教を信仰している人」というカテゴリ分けだというい認識のケースもあるようですね。
「キリスト教」とか「プロテスタント」みたいな感じで「ユダヤ教」があるのだとか。
なんとなくイエス・キリストはユダヤ人だった説あるよな~とか、イスラエルの方っぽいよな~彫りの深いキレイな顔した人が多いよな~とか思っていたけど…
よく考えたら、たしかにユダヤ国って聞いたことありませんね。
アメリカ系ユダヤ人、という人達がたくさんいるそうで、ベン・プラットとかエズラ・ミラーは多分そちら。
デヴィッド君はお父さんがユダヤ人で、ショートコメディの中で「僕は半分ユダヤ人」と言うシーンがありましたが、日本のウィキペディアの説明では「ユダヤ人は人種じゃないからハーフやクォーターは無い」なんて書かれていたり、ちょっと軽く調べただけでは全然分からない…
だってウィキペディアには「ユダヤ人の多くは無神論者」って書いてあったから、それなら宗教集団ではなくない?
ヨーロッパで迫害されたり、黒人に襲われて暴動が起こった歴史があったり、トランプ大統領が反ユダヤ主義な発言をした、という記事があったり、日本人の私にはまだまだ知らないことがあるようです。
ただ、ベン・プラットは何度も何度も自分がユダヤ人だということを話していて
「典型的なユダヤ人と同じく、僕は心配性なんだ」
と話していました。
そんな風に、ユダヤ人であることをアイデンティティとしているアメリカ人がいるらしい、というのは、ハリウッド俳優のプロフィールを見て思うことがあります。
「ゲイ」や「ユダヤ人」だと話すことが「カミングアウト」や「カテゴリの提示」になる、というのは、どこまでがアリで、どこまでが無しか、分かりません。
ただ最近日本では「本人の同意が無いのに周囲にバラされた、アウティングされた」という被害者の訴え、それに伴う法改正の動きがありますね。
「アウティング」に関しては以前私も書いています。
2015年8月24日、一橋大学のロースクールに通う男子学生Aさん(25歳)が転落事故で亡くなり、遺族が大学を訴えていることが先日ニュースで報道されました。見出しは「ゲイをばらされて転落」というようなものが多かったため、私もすぐに見ました。Aさんは同級生の男子学生Zさんに2015年4月3日に「好きだ。付き合いたい。」と告白。Zさんは「付き合えないけど、これからも友達で」と振ったそうです。それから2ヶ月後の6月24日、LINE...
ランチの時に同僚に一橋大学アウティング事件の話をしたら、彼女はこの事件自体を知りませんでした。先日また●一橋大学のゲイ暴露転落事件には、報道の偏りがある気がしますにコメントを頂き、ちょうどその返信を書いている時に、NHKでアウティング事件の裁判のことが放送されていました。遺族は大学のことを訴え続けているそうで、ニュースを観て私は思わず「遺族は、誰かのせいにしないと、気が済まなくなっているのかな?それと...
綺麗事を言うようだけど、ペンプラのように
「大したことじゃ無い」
と笑って言って欲しいし、言われた方も普通に受け止めたい。
実際に私はカミングアウトされたことが3回以上ありますが、初めての時は中学生だったので怖いと思ってしまったけど、でもあれは思い返すと彼女のカミングアウトが「協力して」という脅迫も兼ねた強引なものだったからなのが大きかったかも。
上京してすぐに、あっけらかんとカミングアウトされた時には
「お、おう、やっぱり普通にいるもんなんだな」
と思ったけど、以降は相手が
「…内緒にして欲しいけど、打ち明けます!」
的な意気込みでカミングアウトしてこない限りは、全然気にしません。
もちろん、男性で同性愛者を差別するような人も何度か見たことありました。
「俺には無理、無理~」
とか半笑いで言われるとイラッとします。
お前らみたいなのがいるから、あっけらかんとカミングアウト出来る人もいれば、アウティング被害で鬱になったと裁判を起こす人も出てきちゃうのに。
日本は基本的には、アメリカより同性愛者には寛容。
同性婚の法整備はまだ整っていませんが、平安時代は政治的な意味で同性愛者のお相手してた男性もいるし、陰間茶屋もあったし、江戸川乱歩や谷崎潤一郎も同性愛がテーマの小説を書いてる。
差別された経験がある、と言うけれども、でも美輪明宏は若い頃からモテモテでもあった。
BL好きと、真の同性愛者に理解がある人は別物で、私はまだその中間地点かもしれません。
やっぱりキレイなBLものの創作物は好きだけど、ゲイはBLが嫌いという説もあるし…
それでも、ペンプラの教師は同性愛者を特殊なもの、と思ったけど、彼の両親はそんなこと思わなかった、というお話はとても良かった!
人種差別問題に関して最近色々考えていますが、アメリカやヨーロッパの差別の歴史に関しては、ウィキペディアを何ページめくってもなかなか把握しきれません。
日本人は今、SNSだけかもしれないけど、人種差別問題に嫌悪感を抱いていたり、余計な権利を求めようとする奴ら、と差別を抱いてしまう人もいるみたいで、そういうのを変える方法を知りたいなと思います。
黒人の人種差別問題ニュースを見てから、色々とこの件について考えているのですが、考え出すとキリが無いような、自分には何も言う権利は無いような気持ちになり、なかなか文章にすることが出来ずにいます。SNSを見ていると、多くの日本人が黒人の人種差別問題を他人事と捉えるだけでなく、「そんな風だから差別されるんだろ」と却って黒人を責める書き込みをしていて、本当に呆れてしまいました。「そもそも、日本には黒人差別は...
そのためには「勉強する」という程肩肘張らずに、ただ興味を持ったから調べる、好きになった人のために知る、という行為をしていき、分かったことがあったらアウトプットしていきたいと思いました。
ということで、とにかくこのベン・プラットのカミングアウトのお話はすごく素敵だと思うから、まずは広めたい!
ベン・プラットのカミングアウトを、素敵な話だな〜と好意的に受け止める人は、たくさんいる。
アウティングについて悩む人がいたら、その人の側にベンプラのご両親のような人がいたら良いなと思うし、そういう人がいない方の気持ちが軽くなる何か、を皆んなで考えたり、紹介していけるように増々なると良いかな、と思いました。
ゲイかどうかはどもかくとして、ベン・プラットの歌は本当に素敵なので、皆様ぜひぜひ聴いて見てくださいませ!
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