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大奥16巻よしながふみ・ネタバレ感想〜和宮が替え玉だったのは母への愛だった

よしながふみの大奥、今まで冊子で買っていたのですが、予約していたと思ったら忘れている内に発売日を過ぎ、明日こそ帰りに買おうと思っては忘れる、を数日続けてしまい、ついに電子書籍で買いました…

ということで、発売からしばらく経ってしまっていますが、いまさらながらのネタバレ感想を書きます。


大奥 16 (ヤングアニマルコミックス)


15巻は「和宮が女だった!?」というところで終わっていましたが、16巻では

何故女の和宮が男のフリをして十四代徳川家茂の元に降嫁してきたのか?

という謎が描かれています。

端的に言えば、本当の和宮(男)の姉にあたる親子(ちかこ)が代わりに徳川にやってきていたのでした。

当初は「本当の和宮は、徳川に降嫁するのが嫌で直前に自害した」と家茂たちに語りますが、実際は違っています。

生まれたときから左手の先が無かった親子は、生まれてすぐに死んでしまった、と公式に発表されてしまっていたのです。

その理由は母親お観行院が「そのような子を生んだと宮中で分かれば、他の女官から何を言われるか分からないし、そんな忌まわしい子を帝に見せたくない」、と考えてのこと、という身勝手なものでした。

そのため親子はヒッソリと育てられ、母親に会えるのは10日に一度。


弟の和宮が生まれてからは、母の足は更に遠のきました。

しかし和宮が2歳になった頃に、右足が短くて引きずる身体だということが分かります。

親子は「弟も不完全な身体だと分かって、お母さんは私のところにまた来てくれるはず!」

と期待しますが、それでも母は親子の元にやってきませんでした。

親子が美しい娘に成長した頃、やっと母は親子の元にやってきました。

「そろそろ御髪も上げなければいけませんな」
(御髪を上げる=下ろしたままの髪を結い上げ、成人の姿にすること)

と声をかけるのですが、その直後に眠っている親子の部屋に有栖川宮がやってきて、そのまま二人は夫婦の関係となります。

それは、母が考えた結婚であり、母は親子の容姿を確認しに会いに来ていただけだったのです。

しかも親子は世間では生きていない存在となっているため、有栖川宮の側女扱い。

親子が有栖川宮の側女になる代わりに、橋本家(親子が暮らす母の兄の家)に援助が支払われました。


自分の身について親子が物思いに耽っているときに、和宮の悲鳴が聞こえてきました。

徳川の元にいきたくない和宮があまりにも取り乱し、見兼ねた母が男装して共に徳川に行こうとしていることを使用人から聞いた親子は、母と弟に

「私が変わりに男装をして徳川にいく。

そしてお母さんも男装して一緒に付いてきて欲しい。

その間に和宮は出家をしたら良い」

と提案し、その提案通りにことを進めることになったのでした。

親子はただただ、母を独り占めしたかったのです。
和宮が女性だと分かっても、家茂は怒ることなく、優しく丁寧に和宮に接しました。

公武一和は国のために必要なこと。

その和を乱さないためにも、和宮が女だと言うことを世間に知られないように、家茂は家臣たちに言い伝えます。

その頃日本は開国する、しない、で不穏な空気となっていました。

「必ず異人を追い払う」と孝明天皇に約束していたはずの徳川がそれを実現できずにいるため、怒り心頭の天皇。

16巻の終わりは、家茂が京へ上ること、そこで天皇に開国の話、親子の話をしにいくと決意するところまででした。

後半に坂本龍馬の話もチラリと出てきます。


大奥は基本的に史実に基づいたストーリー展開なので、この後家茂が道中で亡くなること、徳川が無血開城することは確実。

16巻では天璋院と和宮は険悪(和宮が一方的に天璋院を嫌っている)ですが、最終巻あたりでは親しく過ごすことになるんでしょうね。

もうずっと「男女逆転」というテーマはあまり関係無くなってきていますが、それをどう終わらせるのでしょうか?

私含め、大奥を「徳川家の歴史を知りたい、読みたい」と思って読んでいる人は、そこまで多くないと思います。

このマンガのすごいところは、皆んなそれぞれ性別関係なく、優しい人、意地悪な人、怖い人、賢い人、愚かな人がいて、それぞれの関わり合い方、人間が人間を愛することの悲しみ、喜びが描かれているところ。

同じように感じる徳川将軍も、それぞれが違った能力と性格と容貌。

ドラマの大奥でもそういう部分が描かれていましたが、より細やかな女の悲しさ、男の優しさ、愚かさ、があり、単純な歴史物ではありませんね。

というのは16巻感想で今更書くことではないけど、この巻数になってもまだその世界観を続けているところがスゴイ!

17巻の発売は来年か再来年になるのでしょうが、楽しみです。

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