成田美名子「NATURAL」全5巻ネタバレ感想
成田美名子さんのマンガは10年ほど前に、既刊全てではないですがあらかた読みました。
その中でも特に好きなのが、こちらの「NATURAL」です。
NATURAL1【電子書籍】[ 成田美名子 ]
現在連載中の「花よりも花の如く」とリンクしているお話。
花よりも花の如く 16 [ 成田美名子 ]
どうリンクしているか?というと…
「NATURAL」の主人公の山王丸ミゲール(ミカエル・ミケ)は弓道とバスケットをやっている高校1年生のペルー人の男の子。
ミゲールが通っている弓道場が「修道館」。
この「修道館」は「花よりも花の如く」の主人公榊原憲人の実家。
憲人の弟・榊原西門はミゲールと修道館で顔見知り、というか、西門が目をかけて可愛がってイジメている仲良し。
西門は養子先の青森にミゲールやバスケット部の仲間を招待し、ミゲールは神社の祭りで弓を引いたりしますし、榊原高則じいちゃんとも仲良くなり、じいちゃんはミゲールたちのバスケ指導のために上京し、憲人の家で西門と一緒に同居するようになります。
でもって、憲人の妹の「彩紀」はミゲールに片思いをして、失恋してしまいます。
また、「花よりも花の如く」の中で青森で勾玉を作るシーンでは、ミゲールの義姉の理子が相談に乗って材料を送るシーンもありました。
憲人が一時期付き合っていた女性もこちらに出ています。
ただ「NATURAL」には憲人は一瞬しか出てきません。「NATURAL」は「花よりも花の如く」より前のお話で、この時点ではまだ彩紀は中学3年生。
「花よりも花の如く」の最新刊16巻では彩紀はもう大学卒業なので、7年くらい開きがあります。
で、「NATURAL」の中で彩紀は西門に「私のお兄さんなんでしょう?」と聞くシーンがあるのですが、彩紀が中学を卒業するまでは西門が養子に出たということは内緒になっていたんですね。
そこで、西門が実の母に「お母さん」と初めて呼びかけるシーンで、彩紀が「お兄ちゃん」と言って西門に抱きつくと、憲人が「おと~うと」と西門に呼びかけたあとに「…べつに楽しくないな」と言うシーンがあります。
「NATURAL」のネタバレありのあらすじですが、物語は山王丸理子(りこ)の家にお父さんがペルーから男の子を連れ帰ってきて「弟だよ」と言うところから始まります。
理子は幼少期を海外で過ごしていて、日本の生活は窮屈だと思っていて、時々未来の映像が見える女の子。
お父さんは単身赴任先のペルーから帰国するとき、家政婦をしていた女性の息子だったミゲールを養子として預かり、日本に連れてきたのでした。
理由は、ミゲールのお父さんが顔見知り程度だった少年ファビアンにハメられて、反社会組織の疑いをかけられ、2年間拘束されることになってしまったときに、
怒り狂ったミゲールが友人の銃でファビアンを撃ってしまったからでした。
「このままペルーにいたら、自分の家族が報復されるかもしれない」
そう考えたミゲールは、自分はその紛争の中で命を落としたことにして、日本に連れていって欲しい、と理子の父親に頼んだのです。
この事件はミゲールの心に深い傷となり、「自分は怒り狂ったときに何をしでかすか分からない」という不安が常にミゲールにつきまといます。
しかし、そのミゲールの怒りというのは、自分自身のことではなく、仲間や家族が狙われたときに発揮されるものでした。
それに気付いたバスケ仲間達は、どんどんお互いに話し合い、心を開き合い、お互いのことをもっと知ろうとし、優しく気遣い合い、バスケも友情も熱く頑張っていく…という、キラッキラの青春ストーリーがメインのお話です。
この青春ストーリーに加え、西門と一緒に青森を周る観光的なお話あり、
ミゲールと理子の恋の進展あり、
ミゲールを狙うファビアンと、守ろうとする仲間たちと西門のサスペンス的要素あり、
理子に恋してる?かのように見えて、実は西門はマザコンだったというお話あり。
と、かなり盛りだくさんな物語で、読んでいてワクワクするし、何しろミゲールが優しくてカッコよくて可愛い!
は~あんな義理の弟、欲しいわ~
その中でも特に好きなのが、こちらの「NATURAL」です。
NATURAL1【電子書籍】[ 成田美名子 ]
現在連載中の「花よりも花の如く」とリンクしているお話。
花よりも花の如く 16 [ 成田美名子 ]
どうリンクしているか?というと…
「NATURAL」の主人公の山王丸ミゲール(ミカエル・ミケ)は弓道とバスケットをやっている高校1年生のペルー人の男の子。
ミゲールが通っている弓道場が「修道館」。
この「修道館」は「花よりも花の如く」の主人公榊原憲人の実家。
憲人の弟・榊原西門はミゲールと修道館で顔見知り、というか、西門が目をかけて可愛がってイジメている仲良し。
西門は養子先の青森にミゲールやバスケット部の仲間を招待し、ミゲールは神社の祭りで弓を引いたりしますし、榊原高則じいちゃんとも仲良くなり、じいちゃんはミゲールたちのバスケ指導のために上京し、憲人の家で西門と一緒に同居するようになります。
でもって、憲人の妹の「彩紀」はミゲールに片思いをして、失恋してしまいます。
また、「花よりも花の如く」の中で青森で勾玉を作るシーンでは、ミゲールの義姉の理子が相談に乗って材料を送るシーンもありました。
憲人が一時期付き合っていた女性もこちらに出ています。
ただ「NATURAL」には憲人は一瞬しか出てきません。「NATURAL」は「花よりも花の如く」より前のお話で、この時点ではまだ彩紀は中学3年生。
「花よりも花の如く」の最新刊16巻では彩紀はもう大学卒業なので、7年くらい開きがあります。
で、「NATURAL」の中で彩紀は西門に「私のお兄さんなんでしょう?」と聞くシーンがあるのですが、彩紀が中学を卒業するまでは西門が養子に出たということは内緒になっていたんですね。
そこで、西門が実の母に「お母さん」と初めて呼びかけるシーンで、彩紀が「お兄ちゃん」と言って西門に抱きつくと、憲人が「おと~うと」と西門に呼びかけたあとに「…べつに楽しくないな」と言うシーンがあります。
「NATURAL」のネタバレありのあらすじですが、物語は山王丸理子(りこ)の家にお父さんがペルーから男の子を連れ帰ってきて「弟だよ」と言うところから始まります。
理子は幼少期を海外で過ごしていて、日本の生活は窮屈だと思っていて、時々未来の映像が見える女の子。
お父さんは単身赴任先のペルーから帰国するとき、家政婦をしていた女性の息子だったミゲールを養子として預かり、日本に連れてきたのでした。
理由は、ミゲールのお父さんが顔見知り程度だった少年ファビアンにハメられて、反社会組織の疑いをかけられ、2年間拘束されることになってしまったときに、
怒り狂ったミゲールが友人の銃でファビアンを撃ってしまったからでした。
「このままペルーにいたら、自分の家族が報復されるかもしれない」
そう考えたミゲールは、自分はその紛争の中で命を落としたことにして、日本に連れていって欲しい、と理子の父親に頼んだのです。
この事件はミゲールの心に深い傷となり、「自分は怒り狂ったときに何をしでかすか分からない」という不安が常にミゲールにつきまといます。
しかし、そのミゲールの怒りというのは、自分自身のことではなく、仲間や家族が狙われたときに発揮されるものでした。
それに気付いたバスケ仲間達は、どんどんお互いに話し合い、心を開き合い、お互いのことをもっと知ろうとし、優しく気遣い合い、バスケも友情も熱く頑張っていく…という、キラッキラの青春ストーリーがメインのお話です。
この青春ストーリーに加え、西門と一緒に青森を周る観光的なお話あり、
ミゲールと理子の恋の進展あり、
ミゲールを狙うファビアンと、守ろうとする仲間たちと西門のサスペンス的要素あり、
理子に恋してる?かのように見えて、実は西門はマザコンだったというお話あり。
と、かなり盛りだくさんな物語で、読んでいてワクワクするし、何しろミゲールが優しくてカッコよくて可愛い!
は~あんな義理の弟、欲しいわ~
「花よりも花の如く」の中では彩紀が西門の名前を呼ぶシーンがありません。
あれ?何て呼んでるんだ?と思ったら、「シモン」とこのマンガの中では呼んでいます。
SIMONとミゲールが以前ハガキに書いたのがキッカケで、「シモン」と呼ぶことになったのですが、「花よりも花の如く」の中でそのエピソードを描くのは…ということなのか、彩紀は今は西門の名前自体呼ばないですね。
さて、マンガとしてはとても楽しい大好きなモノなんですが、
ちょっとみんなが良い人過ぎるかな?
ミゲールを刺したファビアンさえも、彼女や子犬には優しかったり。
そして、高校生なのに他者に対する気遣いが出来すぎ、というか、
「相手の気持ちを思い遣って、無理矢理聞き出さない」
「相手が言いづらかったけど勇気を出して話したことを、普通に受け止める」
「話せばお互い分かり合える」
という、多少お互い葛藤はあるけど、スルスルとうまくいくコミュニケーションに
「これを多感な中高生のときに読んだ田舎の子は、現実に失望するな…」
と思います。
実際はやっぱり、友達とはいえ他人事は他人事だしさー。
嫌な人と話し合おうとしても、相手が悪意の塊のまま和解出来ないことはありますよ。
相手を分かろうと努力するのも、相手が望んでいないこともあるし。
そして「花よりも花の如く」もそうですが、恋愛感情に対して、皆さん呑気。
片思いの相手に自分から会いに行こうとするのはアリーシャくらいで、それがすごく積極的と描かれていますが、
「好きなら毎日メールしたりLINEしたい。
最低でも週に一度は会いたい」
ってことはなく、ただタイミングがあるときにやり取りするし、告白もしない。
お互いなんとなく好意を仄めかしたまま、半年とか一年経っていきますが…
それで失恋しても、あまり苦しまないし、結構淡白ですよね?
でもやはり、疲れているときに成田美名子さんのマンガを読むと、登場人物がみんな前向きで優しくて、ホッとします。
みんな見返りを求めずに、優しい。
そしてみんな和を尊ぶ。
それは、成田美名子さんはマンガの中だけでも、キレイな世界を築きたいんだろうなぁと思います。
羽海野チカさんとかよしながふみさんのマンガは、キレイな世界でも絶望もあって、努力が報われないこともある。
それは、羽海野チカさんたちが東京出身で、成田さんは青森出身というのも関係している気がします。
「花よりも花の如く」は読んでるけど、まだ読んでない方、どちらも読んでいない方にもオススメです!
ちなみに私は、青森の川沿い?で理子を両脚で挟んで座るミゲールが好き!
自然と理子を守って寄り添うミゲールにメロメロになりますよ~
よろしければこちらもどうぞ!
↓
●成田美名子「花よりも花の如く」15巻ネタバレ感想
●「花よりも花の如く」16巻成田美名子、ネタバレ感想
あれ?何て呼んでるんだ?と思ったら、「シモン」とこのマンガの中では呼んでいます。
SIMONとミゲールが以前ハガキに書いたのがキッカケで、「シモン」と呼ぶことになったのですが、「花よりも花の如く」の中でそのエピソードを描くのは…ということなのか、彩紀は今は西門の名前自体呼ばないですね。
さて、マンガとしてはとても楽しい大好きなモノなんですが、
ちょっとみんなが良い人過ぎるかな?
ミゲールを刺したファビアンさえも、彼女や子犬には優しかったり。
そして、高校生なのに他者に対する気遣いが出来すぎ、というか、
「相手の気持ちを思い遣って、無理矢理聞き出さない」
「相手が言いづらかったけど勇気を出して話したことを、普通に受け止める」
「話せばお互い分かり合える」
という、多少お互い葛藤はあるけど、スルスルとうまくいくコミュニケーションに
「これを多感な中高生のときに読んだ田舎の子は、現実に失望するな…」
と思います。
実際はやっぱり、友達とはいえ他人事は他人事だしさー。
嫌な人と話し合おうとしても、相手が悪意の塊のまま和解出来ないことはありますよ。
相手を分かろうと努力するのも、相手が望んでいないこともあるし。
そして「花よりも花の如く」もそうですが、恋愛感情に対して、皆さん呑気。
片思いの相手に自分から会いに行こうとするのはアリーシャくらいで、それがすごく積極的と描かれていますが、
「好きなら毎日メールしたりLINEしたい。
最低でも週に一度は会いたい」
ってことはなく、ただタイミングがあるときにやり取りするし、告白もしない。
お互いなんとなく好意を仄めかしたまま、半年とか一年経っていきますが…
それで失恋しても、あまり苦しまないし、結構淡白ですよね?
でもやはり、疲れているときに成田美名子さんのマンガを読むと、登場人物がみんな前向きで優しくて、ホッとします。
みんな見返りを求めずに、優しい。
そしてみんな和を尊ぶ。
それは、成田美名子さんはマンガの中だけでも、キレイな世界を築きたいんだろうなぁと思います。
羽海野チカさんとかよしながふみさんのマンガは、キレイな世界でも絶望もあって、努力が報われないこともある。
それは、羽海野チカさんたちが東京出身で、成田さんは青森出身というのも関係している気がします。
「花よりも花の如く」は読んでるけど、まだ読んでない方、どちらも読んでいない方にもオススメです!
ちなみに私は、青森の川沿い?で理子を両脚で挟んで座るミゲールが好き!
自然と理子を守って寄り添うミゲールにメロメロになりますよ~
よろしければこちらもどうぞ!
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●成田美名子「花よりも花の如く」15巻ネタバレ感想
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