大人が泣ける映画「パディントン」1&2ネタバレ感想~他国・移民ヘイトを無くしたい今こそ観るべき!

2020年05月18日
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おうち時間、には今まで観たかった映画やドラマをたっくさん観ました。

今回はイギリス・フランス共同製作映画「パディントン」を今更ながらに観たのですが、これは友人から

「英語の勉強を兼ねるのも良いし、クオリティ高いよ」

とオススメされたものです。

元々松坂桃李が吹き替えをやったとラジオで話していて

「わ~マーマレードだ~」

と再現していたので気になっていたのですが、でもまずは字幕版をAmazonプライムビデオで観ることに。

字幕版も吹替版もAmazonプライムビデオで無料で観られます。


パディントン(字幕版)

で、1を観たらあまりにも良くて、そして冒頭からボロボロ泣き、切なさで胸が一杯に。

映画の感想サイトを観たら「1は普通に良かったけど、2の方がより良かった」という感想もあったし、友人からも「2も良いよ」と言われたので続けて2も観たのですが、こちらもまぁ素晴らしい!泣いた!


パディントン2(字幕版)

こういう動物ものの映画って色々あって、「よくある子供向けの、ハートウォーミングでシンプルな笑い&お涙モノなのかな~」という先入観を持っていたのですが、思い込み良くないですね。

私はファンタスティックビーストも好きなのですが、アンティーク風のオリジナリティ溢れる美術や機械が出てくるところは近い気がします。


パディントンのスタッフにハリー・ポッターの方が入っていると知って納得。

CG技術が高い&パディントンが傷付いた時、悲しい時の表情のクオリティも高く、ただでさえ歳とって動物とか家族モノで涙脆くなっている私は何度も号泣させられました。

年々チョロくなってるとは思ってたけど、ここまでか…

以前テレビで「子育てが終わった世代は、子供の成長モノに泣けるようになる」とかやってたけど、独身でも泣けますわ。


あらすじをザクッと書くと、「暗黒の地ペルー」の森で叔父と叔母と暮らす子熊が、叔父が死に、叔母が老人ホーム(老熊ホーム)に入ることになり、憧れの地イギリスで新たな家族を見つける物語です。

叔父と叔母は40年前にイギリスから来た探検家と出会い、彼から英語やイギリス文化、マーマレードを学び、そして探検家の帽子をもらいました。

別れ際「いつかロンドンに来たら歓迎するよ」と探検家は言っていたのですが、その後熊夫婦は氾濫した川から流されてきた孤児の子熊を助け、育てることになります。

毎晩イギリスでの挨拶の仕方をレコードで学んだり、英語の本を読み、

「いつかロンドンに行きたいね」

と話していた3人でしたが、ある日大地震が起き、シェルターに逃げる途中、自宅が崩れ落ちるのを呆然と立ち尽くしながら見つめた叔父は亡くなってしまいました。

「戦後のイギリスでは、『この子をよろしくお願いします』と書かれたタグを首から下げた孤児は、駅で通りかかった人に育ててもらえた。

イギリスは余所者にも優しい国だから、きっと熊でも優しくしてもらえる。

新しい家族を探しなさい。

困ったら探検家を探しなさい」

と言って叔母は子熊の首に「PLEASE LOOK AFTER THIS BEAR.」と書いたタグをかけ、船で密航させます。

(この孤児が首からタグを下げて里親を探したのは真実で、作者はその映像を子供の頃観た記憶からこのパディントンのエピソードを思いついたそうです)

知り合いが1人もいない国で、叔母に言われたようにお行儀良く紳士的に駅の通行人に話しかけますが、皆んな彼を無視。

途方に暮れた彼を見つけたブラウン一家は、一時的なつもりで自宅に招き、そして「パディントン駅」で出会ったので「パディントン」と名付けました。



以降はドタバタ、「ホームアローン」のようなコメディもあり、なんだかんだしながらも優しく紳士的なパディントンが街の人達に愛されていく物語となります。
私はもう、冒頭の叔父が亡くなるシーンから泣きました。

やっと憧れのロンドンに来たのに、人々から冷たくされた時の悲しそうなパディントン、故郷や叔父叔母を思い出すパディントンの寂しそうな表情には、ボロ泣き。

ブラウン夫妻が自分を施設に送るべきか話すのを聞いてしまい、そっと家を出て雨の中探検家の家を探したけれど、皆んなに素っ気なく追い払われるパディントン。

冷たい人々に悲しい思いをしている時に、「ロンドンは素敵な街〜」という音楽が被さって、それがより切なく胸がギュッと締め付けられました。

2の方は濡れ衣でパディントンが刑務所に入るのですが、ブラウン一家に忘れられてしまったと思い込んで泣きながら眠り、故郷の夢を見るパディントンにも号泣。

ラスト、水没するパディントンをなんとかメアリーが助けに来てくれたのに、鍵が開けられずに今生の別れを決意したときの二人の顔も切なかったです。

「あぁ…もうだめなんだ…今までありがとう」

慌てることなく、悲しい目で微笑み合う二人に号泣…。

最後の最後、皆んなのお陰でおばさんに会え、抱きついた時のパディントンにも感動!

あぁ、パディントンは今までずっと英国紳士のように礼儀正しく、ワガママも言わない子だったけど、でもやっぱりまだ甘えたい盛の子供なんだよな…ずっと我慢してたんだな…と涙がボロボロボロボロ…

このシリーズのクオリティの高さは配役もあり、1の悪役はニコール・キッドマン、2の悪役はヒュー・グラント、と豪華!

予告動画を観ると、いかにもドタバタで子供向けっぽいんですけど、でも予告だと悲しそうな目をしたパディントンのシーンがほぼほぼカットされてただけでした。

私自身は予告で受けていたイメージと本作が全然違ってた、というか、楽しい部分だけ抽出した予告映像なだけだったんだと知り、そこで食わず嫌いしたことを後悔しています。


何よりも良かったのは1のラスト、「イギリス人もフランス人も中国人も、かわいい日本人も〜」と、各国の人が一緒になって登場する歌がエンディングに流れるところでした。

最初は「ロンドンはアメリカやフランスやアフリカより素敵な町」って歌が流れてたのに、最後は世界中の人が仲良くしている歌になる。

それは熊でも差別しない、区別しない、という映画のメッセージなのでしょうが、アンティークショップのおじいさんも移民で苦労した方だったり、そういう「移民」「外国人」に対する偏見や差別を無くそうとする映画だなんて思わなかった。

そういう意味でも、子供だけでなく大人向けの映画だと思います。

2のパディントンに嘘とついた囚人たちが、結局最後は助けてくれたのも良かったな。

で、エンディングでは皆んなの幸せのその後も紹介されていて、それは確かにあるある、なのだけど、それでも素直に「良かったなぁ」って思いました。

ひねくれた目で見れば、パディントンは叔父と叔母から大事に優しく育てられた子だからこそ、あんなに素直で頑張りやさんで、だから皆んなに愛されるんでしょ、となるのですが、でも

「人に優しくしたら、周りの人も優しくしてくれる」

という叔母さんからの教えを守るパディントンは、偉い。

そしてただただ優しいお人好しなだけではなく「怒りの目」で、「失礼なことをした人には、こういう顔をするように」という教えも守ってるんですね。

そういう、お人好しなだけじゃない、ちゃんと失礼な人の発言には抗議をする意志があるのも良い。

まぁもう私も、動物モノってだけですぐ泣いちゃうようになってますけど、でもパディントンはそれだけじゃない良さがありました。

今更おすすめと書くのもあれですが、まだ未視聴の方がいたらぜひぜひ!
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