避難所への「ペットの同行避難」に怒る方に、動物アレルギー持ちから一言

2016年05月01日
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避難所にペットを連れて行く「同行避難」と「同伴避難」の違いで、混乱が起きているそうです。

「同行避難」は避難所の外で、雨風がしのげる場所でペットを飼育すること。

「同伴避難」は避難所の中にペットを連れ込めること。

現在熊本地震でペットと同行避難している方への支援物資情報が出ています。



八代市では同行は推奨、同伴はNGと発表しています。



そしてヤフーニュースでは

●「ペット同行避難断られた」相談600件 場所、人手なお不足 被災地の熊本

と同行避難自体出来る避難所がまだまだ足りないと問題となっていると書かれています。

「人の水もないのに犬に飲ませるのか?」 ペット同伴避難でトラブル相次ぐ 唯一のペット避難所は…

を読むと、ペットを室内に連れ込んだ方が追い出された、というお話もあります。

この「同行避難」に対して

「ヒドイ!ペットも家族だし、室内飼いしてるんだから避難所内に入れて当然なはずだ!」と怒る方がいるそうです。

しかし、「同行避難」のガイドラインが出来たのは、置き去りにしたペットの野生化や繁殖などが問題となったからだとか。

東日本大震災のときは、室内で共食いした猫の遺骨写真がTwitterなどで拡散されていました。

この件で、「同行避難はヒドイ」と思う方に一言いいたいのは、

「動物を避難所内に入れたがらないのは、冷たい人」
という価値観で怒らないで欲しいということです。


私は犬も猫も好きです。

でも、猫とハムスターのアレルギーがあります。

猫を複数飼いしている家にいくと、くしゃみ鼻水、目の周囲がボツボツと腫れあがりました。

ハムスターアレルギーは飼い出してから発病し、飼っている間はずっと喘息が出ていました。

抗アレルギー薬を飲んでいても、毎晩喘息の発作で目が覚め、吸入をしてまた眠る、という状態でした。

避難所で吸入が手元に無い、という動物アレルギーの人がいたら、発作で命を落とす可能性があります。

アレルギー症状は人それぞれで、特に乳幼児で動物アレルギーの子が避難所にいた場合に、

「ペットも家族なんだから!」

は、正直厳しいと思います。

動物アレルギーを花粉症程度と考えないでください。

私は近所の野良猫を可愛がっていますが、猫おばさんに
「飼いたいけど、アレルギーがあるから」と言ったら
「でも知人で飼い出したらアレルギー治った人いるから平気よ!」
と言われたことがあります。

そのとき、やっぱりアレルギーを簡単に考える人は多いんだなぁと思いました。

確かに、アレルギー薬を飲みながら猫を飼っている人も何人か会ったことがあります。

くしゃみ鼻水程度なら、薬を飲めば平気かも?

でも、皮膚が爛れたり、呼吸困難になる重症の場合は、薬だけではダメなんです。

喘息も、もしかしたら、息がちょっと苦しくなるだけ、と思っている方もいるかもしれません。

喘息は、気道が腫れあがって、窒息する可能性のある病気です。

発作中はずっと首を絞められているような状態で、喉がヒューヒューと鳴り続けます。

狭くなった気道から空気を出し入れしているからです。

それは、我慢で止められるものではありません。
また、避難所に持ち込まれたペットの種類も、犬猫だけでなく、ハムスターや鳥や両生類など様々いる可能性があります。

もし、猫がハムスターや鳥を襲ったら?

そう思うと、気軽に避難所にペットを連れ込むワケにはいかない。

だからって、ペットのために危険な自宅に滞在し続けるのも良くない。

じゃあペットの種類ごとに分けて避難所を作る?

緊急時にそんなに複数の避難所を、近距離にたくさん作れるのであれば、それがベストかもしれません。

でも1番は、安全な地域の知人や親族にペットを託すしかないんじゃないでしょうか?

ボランティアで受け入れ活動をしているところを、事前に探しておくことも出来るかもしれません。

緊急時に備えた対策をするのも、飼い主の役目だと思います。

こちらにも環境省のペット連れ避難に関するPDF書類が出ているので、ご確認下さい。

●「備えよう!いつもいっしょにいたいから」


Twitterを見ていると、本当にこの「ペットも家族なんだから!」な価値観で語られている方がチラホラいて、悲しくなります。

「避難所内で動物ごとのテントを作るように行政が動くべきだ!」
というコメントもありました。これは納得です。

「アレルギーの方の言い分も 解りますが 理解して貰いたいですね。家族ですもの。」

というコメントには絶句です。理解?理解すれば発作が収まると?

私は本当に犬猫、好きです。

アレルギーが出なければ、よほど吠えたり悪さをしない子以外は同室にいて欲しいです。

可愛いし、こちらも癒されますもん。

でもアレルギーは好き嫌いじゃないんです。我慢できるできないじゃないんです。

そして、ペットを飼うことを決めたのはあなたです。

国が飼ってくれと頼んだわけではないのに、思い通りの対策がすぐに取られないから、と批判をするのはどうでしょう…

モンスターペアレントのように、「ペット同伴を認めないのは人非人」みたいなコメントを読むと、とても悲しくなります。

どうか、ペット同伴の施設を作る方法、ペット用のテントを素早く作るための方法、そして支援の流れを作ることについて、怒るのではなく前向きに考えていって頂きたいです。

そしてそのための費用は、税金から払うのか?愛護団体からの支援か?も、検討されると良いなと思います。

よろしければこちらもどうぞ

●ハムスターを連れて帰省する方法
●旅行中に喘息の発作が出たら、これをすべし!
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