「大家さんと僕 これから」ネタバレ感想~カラテカ矢部と入江の差

2019年09月03日
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発売して割とすぐに買って読んでいたのですが、感想を書くまでに時間が空いてしまいました。

今も本屋に平積みされているので、既に読んだ方も多いでしょうね。

「大家さんと僕 これから」は「大家さんと僕」の続編となります。

先の「大家さんと僕」は大人気で手塚治虫文化賞も受賞していますが、一度買った方が気軽に古書店に売らないようで、ブックオフでも全然見かけないという話を聞きました。

私も何度も何度も繰り返し読んでいて、その後大家さんが亡くなったことを矢部さんのツイートで知り、

もう大家さんとのお話は読めないんだなぁ…

と思っていたので、この続編が出たこと、とても嬉しいです。


大家さんと僕 これから
大家さんと僕 これから【電子書籍】[ 矢部太郎 ]

ちなみに冒頭で矢部さんが下記のように、このお話はフィクションの部分があることを明記されています。

でも、可愛らしいお優しい大家さんのお人柄は、ノンフィクションなんでしょうね。

「大家さんと僕 これから」は、単行本「大家さんと僕」で終了するつもりだったけれど、周囲から続編の勧めがあり、大家さんご本人も「描いて」と言っていたので続いた、というエピソードがありました。

前半は大家さんとの暮らし。

中盤から後半大家さんの入院生活。

そして、大家さんの甥ごさんから

「アパートを半年以内に出て欲しい」

という話を聞かされたこと。

大家さんのお見舞いに皆んなで行き、そして最後はお葬式の帰り道にまた皆んなで思い出話をしたこと、で締めくくられていました。


頻繁にお見舞いに顔を出していた矢部さんに、大家さんは自分から

「アパートを出て欲しい」

とは言えなかった。

それでも、「じゃああの家をこの金額で買わせて下さい」と申し出てみたら

「全然足りないわ。これはもう決まったことなの」

とキッパリと答えた大家さんの毅然としたご様子は、優しくシッカリとしたお人柄を感じるエピソードでした。


私が意外ながらも納得だったのは、矢部さんが大家さんのお見舞いに行きながらも

「早く帰りたい」

と思ってしまっていた、その本心をキチンと描いていたことです。

お年寄りのお見舞いに行くのは、家族でもないのに面倒、という気持ちと、でも会いたい、という気持ちが入り混じっていたのかなぁ。

大家さんのエピソードは戦争の話が多くて、本当にそれだけ多くの心の傷を残す経験だったんだ、と改めて知りました。

お金持ちのお嬢さまで、画家と恋愛結婚し、すぐに離婚してしまったという大家さんの人生、もっともっと知りたい気持ちになります。
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この本を読んでから、リアルのちゃーんのアカウントを見ました。

本当に、めっちゃチャラい!

でも大家さんへのお見舞いにカステラを持って行ったり、丁寧に草むしりしたり、大家さんのお友達とも仲良くなったり、ホント、人は見かけでは分かりませんね。

矢部さんのマンガの中ののちゃーんは、老いを悲しむ大家さんを明るく励ます、ステキな青年でした。


ちょうどこの本が出た頃、矢部さんの相方、カラテカの入江さんが引き起こした闇営業問題が出ました。

「大家さんと僕」の中には、入江さんはほとんど出てきません。

大家さんとの旅行を決めたことに怒ってネタ中に口をきかなくなったエピソードが出たくらい。

あとは手塚治虫文化賞の受賞が決まった時に、担当から

「まだ誰にも言わないで、特に友達が多い相方さんには」

と口止めされただけで、ネタ合わせの様子など一切ありませんでした。

なのでどの程度の付き合いのコンビだったのか私には分からないのですが

「矢部さんは、大家さんと出会えて本当に良かったんだな。

そういう人と出会えたかどうかで、コンビでもこんなに人生が変わるんだな」

と思ってしまいます。

あの大家さんの側にいたら、闇営業とかする時間無さそう?


大家さんのように、タクシーで伊勢丹に行き、タラコを1個買って帰る生活なんて、とても出来ません。

お金持ちで、なおかつ上品な方だったからこそ、伊勢丹の人々にも愛された方だったのでしょうね。

更新費用でプレゼントを買って返してくれたり、ご馳走してくれたり、でもキチンと線引きはして、連絡もなしにお見舞いに行くと

「こちらにも用意があるので」

とお叱りになる大家さん、素敵でした。

施設にお育ちの良い方がいて、朝昼晩とオヤツに着替えをしてらっしゃるの」とお話されていたエピソードがありましたが、そういう感覚もスッカリ忘れてしまっていたなぁ。

大家さんが亡くなったことに関して、このマンガではハッキリと明言していません。

若い頃に大家さんがスキー場で赤い帽子を落としてしまった、

その帽子が遠く小さくなる絵で表現していて、上手い表現だと思いました。

大家さんも、カエルとか猫の絵も可愛くて、目にも心にも楽しく、そして切ない本でした。

何度繰り返し読んでも飽きませんし、読む人の世代も問わない作品ですね。

ちょうど吉本興業の騒動があったタイミングと、この本の発売が同時期だったのは、大家さんなりに矢部さんを守りたかったのかな?という気がしてしまいます。

まだ未読の方は是非!
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