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ドラマ #POSE シーズン2ネタバレ感想~黒人・エイズ・LGBTQ・愛の美と現実が詰まった最高作

Netflixでライアン・マーフィーのドラマ「POSE」シーズン2の配信が始まったので、早速一気見しました!



アメリカでは昨日からファイナルシーズンとなる3が放送開始されていますが、日本だとリアタイ出来ないのが辛い…



「POSE」のシーズン1を観た時に特に感想とかブログに書いて無かったのでザクっと内容をご紹介すると、

80年代のニューヨークのボール・カルチャーを舞台に、当時の黒人・LGBTQ・エイズ・家族愛や恋愛や友情を描いたドラマ、です。

とにかくボール(ゲイがファッションとダンスを競うコンテスト)のシーンが煌びやかでカッコイイ!



ドラァグクイーンとの違いが私にはイマイチ分からないのですが、敢えて言うなら「ハウス」と呼ばれるチームで競い合っていて、そのハウスは「マザー」がキッチリ母親として管理しているところが特徴なのでしょうか。

当時の黒人兼同性愛者というマイノリティへの偏見と、エイズとの戦いのドラマ、と言うととても重いテーマなのですが、そんな現実的な問題を扱いながらも、ファッションやダンスパフォーマンスのシーンがめちゃくちゃ素敵!

実の家族から見放された彼・彼女達が、マザーと共に支え合い、夢を持ち、貧富の差に苦しみながらも笑って泣いて過ごすヒューマンドラマでもあります。

シーズン1は傲慢で圧倒的に美しくゴージャスなマザー・エレクトラのハウスから、ブランカが独立して自らがマザーとなるところからスタート。

ブランカはエイズのポジティブ。

ブランカはネイルサロンで働きながら、プロのダンサーを夢見るデイモン、キュートでスタイル抜群のエンジェル、売人のパピ、デイモンの恋人でやはりダンサーのリッキーと共に暮らし、それぞれを更生させ、ボールでトロフィーを勝ち取っていきます。

ボールの司会者プレイ・テルと大の親友なのですが、シーズン1の途中でプレイもエイズのポジティブと発覚しました。

仲間たちや元恋人が次々とエイズで入院し、亡くなっていくシーンもあり、自分もいつ発症するか分からないと恐怖を感じながらも、入院患者を支援する活動として募金活動や歌唱イベント、教会でのデモも行う彼女たち。

ボールでは明るくキラキラしているけれど、生活が苦しい人が多く、仲間がホテルで客に命を絶たれた姿で発見されるという悲劇もシーズン2では大きなポイントとなっていました。

女王様気質のエレクトラはSM女王として大金を稼ぐようになりますが、仕事中に客が吐瀉物で窒息死してしまい、その遺体を隠す、なんて事件も起こります…

今までは足の引っ張り合い、喧嘩の耐えなかった他チームのメンバーたちも、仲間のお葬式に出たり、エイズの告白を聞くことにより結束を固めていくようになり、シーズン1と比べて2はハートフルなシーンが多かったかな。

エレクトラの発案で客の別荘に皆んなでバカンスに行き、そこでビアンカがライフガードと恋をするエピソードは可愛かったです!



こんなキレイな4人なのに、レストランで他の客から帰るよう文句を言われるシーンにはイラッとしました。

通り過ぎる人がジロジロと彼女たちを見てて、それを気にする人もいたりして…

やっぱり当時は今よりも、そういうの気にする人が多かったのかなぁ。
シーズン2の大きなポイントは

●エンジェルがパピと付き合い出し、プロのモデルとして活躍し始め、ハウスからパピと一緒に出る。

その後本物の女性では無いとバレて仕事を失うけれど、パピがマネージャーとしてトランスジェンダーと公言した上で新たな仕事を獲得することが出来る。

夢を諦めていたエンジェルだったけれど、パピの献身ぶりに感動し、最後に双方からプロポース!



●リッキーの浮気が発覚し、デイモンと破局。

2人ともマドンナのステージダンサー候補としてオーディションに出るも最終で落選。

でもそれぞれ別のオーディションを勝ち取ったりして、ダンサーとして成功していく。

●リッキーがエイズのポジティブと発覚、話を聞いて支えてくれたプレイ・テルと付き合い始める。



●自身のネイルサロンをブランカが始めるも、大家がトランスジェンダーと知って卑劣な追い出し作戦を仕掛けてきて、抗議活動を行ったりした後に新たなサロンを放火されてしまう。

●プレイ・テルもブランカも体調を崩し始め、入院をしたり投薬治療を始める。

などなどがありました。

ハウスの子どもたちが全員巣立っていってしまったブランカでしたが、でも家族の絆が切れたわけではなく、入院したら皆んな駆けつけてくれるし、そして最後にはボールに来ていたホームレスの14歳の男女を家族として迎え入れて終わります。

1話が終わるごとに、実在した既に亡くなっている方の残した言葉が紹介されていました。

私は10話の最後を観るまで知らなかったんですが、プレイ・テルは実在していた人物だったんですね。


私はこのドラマの中では特にエンジェルが大好きなのですが、本当に可愛くてキレイ!

ライアン・マーフィーが「トランスジェンダーの役は、トランスジェンダーが演じるべき」とこのドラマでは敢えて全員トランスジェンダーをオーディションした上で起用していますが、それ故かほとんどの出演者の日本語版Wikipediaはありません。

今までほとんどドラマや映画やモデルとしてメインに出ていなかった方々、なのかもしれませんが、皆んな本当に魅力的なのに…

英語版Wikipediaを読んでも、10代前半でトランスジェンダーであることを親に受け入れられず、家を出て放浪した人もいます。

日本はLGBTQへの理解が欧米に比べて遅れてる、という話題がよく出るけど、それは元々あちらの方が差別が酷かった、というか、宗教的にNGとされていた歴史があるからでは…。

シーズン2では、敢えて教会の司祭の前で

「自分達の存在を無視するな」

と抗議デモするシーンもありましたが、それは彼女達をエイズから守るために必要なゴムを禁じる前提だった宗教への抗議だったようですし。


日本では一時期はエイズの特集をしたり、深田恭子がエイズに罹患する女子高生役ドラマ「神様もう少しだけ」があったけど、最近はほぼ聞かなくなりましたね。

このドラマを観ていて少し違和感があるのは、仲間がエイズと分かっても差別しない、のは良いとしても、キスやハグ、同居時に感染対策は一切していないところです。

確か、口内に傷があったり、手指に傷があった時に接触したらいけない、というのを保健体育の時習った記憶があるのだけど…

プレイ・テルとリッキーも、感染者同士だからOKって感じで関係を持ってたけど、調べると違う型のケースもあるから感染対策自体はお互いにしないとダメと書かれているけど…どうなのかしら…

でも当時はまだエイズが今より未知の、怖い病気というだけの認識だったのかもしれません。

私は小学生の時、教師が

「汚れた雑巾で給食台を拭いたらエイズになるから、ちゃんと洗えよ」

とニヤニヤ笑いながら言ってたのを覚えてます。

あの教師が今現役だったら、ニュースになって処分されるはずなんだけどなぁ。

と考え出すと色々あるけど、でもこのドラマは決して弱者に目を向けたお説教やお勉強や道徳的なドラマではなく、キラキラしている部分もたくさんあって、愛情いっぱいなのがホントに良い!

シーズン1でブランカが実母を亡くすシーンがありましたが、今回亡くなったキャラもお葬式に両親が来て、

「絶縁状態だったけど、でもやっぱり私のベイビーはベイビーのまま」

とお母さんが話しかけるところ、良かったです。

実の親と色々あったことを忘れられなくても、でもハウスのマザーがいて、家族は作れる。

そういう愛情溢れてて、ホントこのシリーズ好きだなぁ。

シーズン2がかなりキレイな終わっていて、これで終わりでも良いくらいなのに、ファイナルシーズンがある、というのが気になり、早く続きが観たいような、怖いような気持ちになりますね。

プレイ・テルのお葬式とかになったら辛い…

まだ日本ではそこまで話題作では無いかもしれないけど、でも「POSE」はオススメです!

残りのゴールデンウィークに、まだ観てない方はぜひ!
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