未読の方の為にあらすじを書きますが、ストーリー自体はとてもシンプルです。

弟の夫(4) [ 田亀 源五郎 ]
離婚して小学生の娘夏菜と二人暮らしの弥一の元に、双子の弟亮二のカナダ人の夫マイクがやってきて3週間同居をする、というお話です。
亮二はカナダでマイクと結婚しましたが、今は亡くなっていて、マイクは亮二の思い出を辿りに日本にやってきました。
その昔、亮二にゲイだとカミングアウトされた時に、拒絶せずとも聞き流すようにかわしてしまっていた弥一は、マイクと話すうちに
「何故、同性愛というだけでこんなに差別意識が生まれるんだろう?
娘に同性愛のことをどう説明すれば良いんだろう?」
と考えるようになり、最後には
「差別意識を持つこと、同性愛を隠さなければいけないという価値観はおかしい。
同性愛者も同じ人間で、好きな人と愛し合っているだけだ」
と考えるようになりました。
このお話はもちろん、マイクがとても良い人だった、というのがポイントになっていると思います。
同性愛者だから人間的に変なワケではない、というのを分かりやすく伝える為には、マイクが良い人でなければ説得力がなかったので。
作者がゲイの方だということもあり、現実に起こりうる差別のエピソードがたくさんありました。
異性の夫婦なら何も言われないことが、同性の夫婦だと奇異な目で見られるのは何故なのか?
その理由は、日本ではうまく説明するのが難しい気がします。
今の日本では、オネエタレント自体は普通に受け入れられている、というか、お笑いタレントのノリで扱われていますね。
「面白いことを言って、みんなに馬鹿にされたりしても、毒舌をはいて笑わせられる存在」
はるな愛とマツコデラックスは需要の枠は違いますが、どちらも女装していて、女装していないゲイタレントはあまり聞きません。
「弟の夫」を読み終わり、改めて
外見は普通の男性で、オネエ言葉も話さないけれどゲイ、という方の存在も、今後はテレビ等で普通に取り上げて欲しいなと思いました。
私が新宿に行った時は、確かにオネエ言葉で話す方が多かったです。
●念願の新宿二丁目デビューしました!
でもオネエ言葉でもタチだったり、女性と結婚している方もいました。
PR