都内在住40代独身女性ならではの、オタ活&仕事のストレス&アンチエイジングのことなど

スパダリや令嬢ヒロインのハピエン厨が多い理由は「恋愛はファンタジー」だから?

最近色々と新作アニメやWeb系マンガをチェックしていて、「典型的なヒロインとスパダリ(完璧男子)のハピエンストーリーが多い」とつくづく思います。

SNSで大人気の「売れっ子漫画家×うつ病漫画家」も、BLと言いつつほぼ現状その描写は無いけれど、コンセプトとしてはスパダリと作者が明記していますね。



だいぶ前に「壁ドン」が流行った時、私と同世代の人たちは「今時そんな演出するなんて、寒い!」と思ったけど、若い子は本気でキュンキュンして泣いたりしていたし、ハピエン厨も多い。

そういうのは、昔からの色んなタイプのマンガやアニメに触れてきた世代からすると「そんなに単純思考で良いの?」と引いてしまったりするものなのですが、最近は

「これはこれで、脳内空っぽにして楽しめるコンテンツだな」

と思えるようになりました。

以前の私なら「わたしの幸せな結婚」なんて、うわー…と思って観られなかったと思います。


わたしの幸せな結婚

お互いがお互いを好きになるまでの過程がほぼすっ飛ばされている、としか思えない…

主人公の美世は、典型的な大人しくて実は美人設定のヒロイン。

シンデレラのように美形で優しくて強くて家柄の良い清霞と両思いになり、結婚へ…となる過程にサイキックの戦闘などがあるのですが、ここまで昔懐かしいヒロインを観るのは久々だなと思いました。

一方、「男女平等」「多様性」を描いている作品も多いので、この手のハピエンものはあくまでもジャンルの1つでしかないのかもしれない。

それでも、Webマンガで連載して人気が出てアニメ化された、というようなジャンルは、異世界転生とハピエンものが多い、というか、そのセットが多い!

男性向けだと異世界では美少女からモテモテになり、女性向けだとイケメンのスパダリからモテモテになる(しかも令嬢になっていたりする)。

令嬢モノとかは、私より上の世代が好きなハーレクイン小説に多い展開というイメージがあります。

馬鹿にしていたけど、いざ読んでみたらハマる!という話をよく見聞きしていたけど、実際に自分も年を重ねてみると、ドラマだけど「ブリジャートン家」にハマっちゃいました。

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Netflixでやっと「COMMUNITY」を観終わり、次に12/25から公開のリミテッドシリーズドラマ「Bridgerton」が出ていたので、そのまま観てみました。英国貴族の豪華絢爛な衣装、パーティーの舞台などがとってもとってもガーリーで素敵!Her entire life has been leading to this very moment. Bridgerton is now streaming. pic.twitter.com/FSYEPtT0tn— Bridgerton (@bridgerton) December 25, 2020 全8話なので割とすぐに観終...



どうせアレコレと揉め事があっても、最後はハッピーエンドなんでしょ?という先の読める展開を以前はつまらなく感じていたけど、「創作物の中くらいは、皆んなが報われる世界があっても良い」と思うようになりました。

実生活では、いきなりお金持ちになったり、スパダリが現れたり、努力が必ず報われるなんてことはありませんから…

若い頃は視野を拡げるという意味でも悲喜こもごも色々ある物語に触れるのも良いとは思うけど、皆んな楽しみたいからアニメとか観てるんだしね。

昔のように「アニメを観る&マンガを読む=オタク」という偏りがなくなってきていて、世界中の誰もが気軽に世代や年齢関係なく創作物に触れ、その感想をSNSに書き込めるようになったことにより、ジャンルの細分化も進んできたなと思います。

私は「ハピエンじゃなきゃ観ない&読まない」ということは無いのですが、色々観る中の1〜2割にそういうものが混ざっているのもアリだな、と、以前より寒々しいストーリーも楽しめるようになってきました。

今やってるドラマだと「推しが上司になりまして」とか、非現実的すぎて笑っちゃうのがいっそ楽しい!


推しが上司になりまして

思い返すと、私が子供の頃の「女性の社会進出」は今とはターゲットが違っていました。

「高校や短大を卒業して2〜3年働いたら寿退社」とか「女は働いてもお茶くみとコピー取りの事務しかしない」みたいなイメージが強かったところから、「女だって恋も仕事もバリバリやろうぜ!」という風潮になっていた時代だったんです。

その結果少子高齢化が進んだり、子育てしながら働くのは無理って世代が出てきたのかもしれないけど…

まぁ当時に比べれば、今は圧倒的に政府からの手当も増えているように思える、かな。

とは言え、社宅で同世代の子どもたちと一緒に育った私からすると、今の親御さんは当時なら過保護と言われていたくらい大事に子供を育てるのが普通、となっているように見えます。

私の母は私が幼稚園にあがるまでは仕事をしていませんでしたが、以降はずっとパートをしていました。

最初は近所のクリーニング屋とかから始め、その後は市役所や県庁等で働くようになり、当時は学童なんて無かったから小学校中学年の頃には既に鍵っ子になっていたけど、今ってそういうのダメって家庭も多いみたいですよね。

年の離れた兄がいるから小学校低学年までは兄に面倒を見てもらっていましたが、でも中学生くらいになったらもう兄は遊んでくれなくなりました。

そういう暮らしをしている子供からすると、マンガの中で怖いこと、摩訶不思議なこと、楽しいことも悲しいことも起こる世界を味わうのは、社会への警戒心を育てるためにも良かったのかもしれない。

それからどんどんと瞬く間に長い時間が流れた今、社会人としても生物としても疲れてきていて、刺激だけでなく癒やしも欲しい!となった時に、夢物語のようなスパダリやイケメン芸能人にポ〜っとなる時間を作るのも、一種の栄養剤となっています。

同時に趣味嗜好に合う他ジャンルの作品も見てますけどね。

BLだけでなく、多様性をテーマにした作品を見るのも好きです。

というか、その手のマンガは私が子供の頃からたくさん連載されていました。

「THE B.B.B.(ばっくれ バークレー ボーイ)」は親が買っている漫画雑誌で連載を読んでましたが、男2人と女2人の3人がラストに結婚する話でしたからね〜。(主人公女性は男2人を好きになり、その男達は主人公もお互いも好きなバイセクシャルになった、という流れ)


THE B.B.B.

これもハピエンと言えばハピエンなのですが、今の世の中だと「破廉恥…」と思う層がいるかもね…
何だかんだと多様性を皆んなで考えよう、というブームはあるけれど、その一方で「保守的でいたい」という人も浮き彫りになってきてる気がします。

それは完全に分断されるものでもなくて、許容範囲は人それぞれ。

条例の影響で中学生や女子校生と教師の恋愛、とかは減った気がしますが…

インモラルなものももちろんまだまだジャンルとしては生き残っていて、それとは別に真面目に多様性について考えている作品もあれば、お気楽に楽しめるハピエンものもある。

皆んな全部まとめて楽しめば良いじゃんっていう人もいれば、気に入ったジャンルしか触れたくない人もいる。

私は普段結構男言葉で話す方なのですが、「そういうの私はダメ」という女性も結構見かけます。

男性でも「女性には女性らしくしていて欲しい」と言う人もいて、コレが結構若い世代にも多い!

中村倫也や新田真剣佑も、以前「女性らしさ」を求める発言していて、驚いたことがありました。

私からしたら、「女性らしさ」も「恋愛」もファンタジーです。

そう言えばアメリカ人の友達の弟(大学卒業したての20代)も、「恋愛モノはファンタジー」って言っているのだとか。

リアルを知りたいならリアリティーショーなりを観るし、多様性について知りたいならその手の作品を観るし、ファンタジーとして恋愛モノを楽しみたいならスパダリと令嬢のハピエンを観る。

その全てが所詮は自分の実生活とは違う、あくまでも他者のお話。

かくいう私も、女性らしい優雅な仕草やセクシーさを持つ女優さんやキャラは好きです!

自分と同じ価値観やタイプの芸能人やキャラの話を見聞きするのも楽しいけど、自分じゃ体験できない人の話に触れるのも楽しいですから。

そう思うと、経済不安や社会不安のある今の状況で、せめて創作物の中でくらいは…とハピエンを求める人が多いのも納得な気がしてきました。

昔は「そんなこと現実には起こりっこないじゃん」って感じで、典型的な少女漫画展開は馬鹿にされがちだったんですけどね。

今はもう「現実に起こらないって分かってるからこそ、楽しいんじゃん」って感じなのかな。

購買数や再生回数を元に人気ジャンルが確立されていっているのだと思いますが、どんどん面白いと思える作品のジャンルが増えるのは良いことだけど、そんな風に現実逃避したい時間が増えるというのも、本当に良いことなのか分からなくなってきています。

自分の中の小さな棘を見つめる系、もそれはそれであるんですけどね。

ちなみに、ハピエン厨の中にも「ラストまでの過程がどんなに過酷でも、最後がハッピーエンドならOK派」と、「一貫して幸せなだけの物語が好き派」でも好みが分かれるようです。

その体系を図にしてる人とかいそうだなぁ。

たたオタクとして気になるのは、バンバンと新しいものを消費するだけでなく、昔の名作もキチンと受け継いでいって欲しい、という若い子への期待に制作陣が応えてくれるかどうか、かな。

今のところ全然私が気にするような段階では無さそうですが。

マンガもアナログからデジタルに移行するのが当たり前になってしまい、アナログ派の漫画家さんが画材の廃番に困っているそうですからね…

「印刷したらデジタルもアナログも一緒でしょ?」と先日若い韓国人の子に言われたけど、全然違うからー!

と、ツラツラと独り言のように書き出したのは、もうすぐ清水玲子展を見に行くのを楽しみにしているからです!



完璧な美形、心優しい人、困難を乗り越えて愛を育む男女やロボットなど色々出てくるけど、リアルを伴うグロも多い清水玲子作品。

インタビュー内で「今なら無理かも」と思う内容もあったと語っていらっしゃいましたが、彼女の作品は「スパダリもハピエンもある、けど、全ての願いが叶うわけではない」という部分が多く、そこも私は好きです。

清水玲子「輝夜姫」ネタバレ感想~若い頃に読んだ漫画は、時間が経つと感想が変わるかも

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若い頃に清水玲子のマンガは一通り集めていました。「輝夜姫」は単行本をリアタイで集め、最終回は本誌立ち読みし、単行本でラストが加筆修正されたことに驚いたことを覚えています。この加筆修正部分は、いきなりミラーが高齢になっていて晶が由に連れ去られて泣き崩れる前後だけかな、と思っていましたが、他ブログでまとめられていました。由が碧に連れて行かれる描写なども足されていたんですね。確かにその加筆修正が無いと、...



輝夜姫なんて、一般人どころか孤児だと思っていた子たちが、各国の要人のクローンだったって話ですからね。

ミラーなんてスパダリどころじゃない素敵さで、ちゃんと好きな人と結婚できて、子供も持って年老いたのに、最後は…

それでも、これをハピエンではない、と言い切ることも出来ません。

「王子様と結婚して、めでたしめでたし」で終わる話をせせら笑っていたのが、私の子供時代。

今はそこからまた一周して、めでたしめでたしも良いし、そうじゃないのも良い、となっているのかもしれませんね。


全部ファンタジー、だけど何かしら私達に喜怒哀楽の感情を与えてくれる作品が次々と出てくるのは良いことだと思います。

私の知識のほとんどはマンガから得たものなので、そういうのを与えてくれる作品ともっともっと出会えたら良いな。

今は数十年後どころか、5年、10年後にもまだ読み続けられ愛される作品自体減っているとは思います。

これまで色んなことを教えてくれたマンガやアニメに対して私が出来ることは、気に入った作品にはお金を払う、口コミをして広めることくらいなのですが、その際に周囲に反感を買わずに感想を書く、がなかなか難しいため、より一層「スパダリのハピエンものくらい割り切ってハッピーハッピーな世界って…うらやま…」となるなぁというのが、今回のテーマの私なりの考えでした。
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