都内在住40代独身女性ならではの、オタ活&仕事のストレス&アンチエイジングのことなど

映画「氷の花火 山口小夜子」感想

夏に

●映画「氷の花火~山口小夜子」2015年秋公開!観なきゃ!

でご紹介していた、山口小夜子さんのドキュメンタリー映画「氷の花火」を観てきました。



一緒に行ったのは
● ほんとうに美しい…スーパーモデル山口小夜子展に行ってきました

で書いた「山口小夜子展」にも行った友達。


山口小夜子 未来を着る人

渋谷のイメージフォーラムで21時からの回を観たのですが、監督の松本貴子さんの舞台挨拶もありました。

監督は過去にNHKのドキュメンタリーの仕事で山口小夜子さんと知り合い、その後公私ともに親しくしていたそうです。

過去の映像がこの映画にも出てきますが、使用料がとても高く、基本料数万円+1秒1万円と、予算の都合で希望より短時間しか買えなかったとか。

また、春風亭小朝さんの名前がクレジットに入っているのは、監督の大学時代の先輩なので付き合いがあり、スポンサーとして大金を出してくれたからだそうです。


この映画、元々テレビ局に以前持ちかけたけど企画が通らずにいたもので、

今年夏の「山口小夜子展」があると昨年知り、

そのタイミングでどうしても作りたい!

と、スポンサーを探しながら撮影したとか。

色々、映画作りの大変さをお伺いすると共に、小夜子さんからもらったという扇子を見せてくれました。

小夜子さんがデザインした商品はタオル等は楽天でも見かけましたが探すと色々まだあるんですね。

このタオルや着物、山口小夜子さんデザインですよー。


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さて、監督のお話は、へー、と思ったものたくさんあったのですが、

ですが…

もし監督がこの記事を読んだら大変申し訳ないのですが、

監督の服装にはセンスがなかったので、一抹の不安をおぼえていました…

映画の内容は、基本的には山口小夜子展とかなり近しいものになります。

小夜子さんの遺品が一堂に集められ、それを紐解く映像と並行して

ジャンポールゴルチエや山本寛斎、高田賢三や丸山敬太など、国内外のデザイナーやアーティスト、資生堂のクリエイティブメンバーが小夜子さんの思い出を語る映像が流れます。

小夜子さんの高校の同級生が語る

「はやく17歳になりたいね」

とセブンティーンを読みながら言っていた、という小夜子さんのエピソードは良かった。

あと、資生堂メンバーが語った

「霊感が強いって言っていて部屋の壁に幽霊の顔が見えたって。宗教や怪談の話が好きだった」

という話も良かったー!

展示会ですでに観ていた映像も、やっぱり素敵です。

最後に松島花ちゃんをモデルに、下村一喜さん撮影、丸山敬太さん衣装でまるで小夜子さんのように撮影するのはとても素敵だった!

ただね、ただ…
監督のオリジナルのポエムや編集のセンスが…ダサい。古い。

ハッキリ言って、小夜子さんのセンスに全く見合っていません。

もっと尖った計算された映像センスがある監督に撮影して欲しかった。

「私は山口小夜子さんと知り合いだったから」

という理由で作品を作りたかったのは分かります。

ドキュメンタリーなんだから、とドキュメンタリーらしく撮るのも分かる。

けど、対象はあの山口小夜子。

小夜子さんはいろんなアイテムをうまくコーディネートしてました。

監督の服装は、ただミスマッチなアイテムを一緒にコーディネートしたら小夜子さんぽい、と勘違いしているように見えました。

そこが映像センスにもあらわれていました。

もっとカッコイイドキュメンタリーって世間にはたくさんあります。

あの流れなら、松島花ちゃんが山口小夜子さんの軌跡を辿る、とかならまだ分かる。

監督の意思が前面に出すぎていて、それがキツイというのが、私と友人の意見です。


もちろん、山口小夜子さんのお名前が小林一茶の俳句が元になっている、というエピソードを語れるのは、公私ともに親しくしていた監督ならでは。

そういうパーツのみを提供する立ち位置でいて欲しかったかな。

素顔の山口小夜子さんは瞳が丸くて可愛くて、切れ長の目は資生堂のメイクさんと一緒に考え出したものだった、とか

山本寛斎とは喧嘩別れをしていた、とかとか

そうなんだ!と知るエピソードはたくさんあり、それを知ることができたのには感謝します。

お金を集めながら作るのは大変だったでしょう。

でも「ワタシ」とかカタカナで書くセンス、微妙だと思っちゃうんですよー。

ハッキリ言って、きつい…。

出来れば広告系の映像クリエイターに作って欲しかったかなぁ。

と酷いことを書いてしまいましたが、山口小夜子さんのファンは必見です。

やはり過去のドキュメンタリー映像は貴重!もう、そこだけ観たいくらい。

アーカイブ映像がそんなに高いならNHKさん特集してくれませんか?

山口小夜子さんを知らない若い世代にも観て欲しいんです。

展示会も映画も、観たあとには背筋を伸ばし、あの品の良い仕草を真似したくなる。

日本人女性として、真似したい部分だらけの山口小夜子さん。永遠の憧れです。

もっと山口小夜子さんのことを知りたくなりました。

●映画「氷の花火~山口小夜子」オフィシャルサイト
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